今年で最後となる鈴鹿1000kmのレースが三重県鈴鹿
サーキットで開催となりました。来年から、鈴鹿10時間
として、海外GTのカテゴリーが参戦して世界戦になるの
ですが、多くの名シーンを生んできた鈴鹿1000kmも今
回で幕を閉じる形になります。
最後の鈴鹿と言う事もあり、予選の26日には4万5千人
の来客数があり、国内レースでは大規模イベントでしか
動員しないような動員数となり、過去最高の集客数となっ
たようです。決勝も2万5千人の来場者集となり、天候に
恵まれる中、決勝レースを待ちます。
長距離レースというのは、数時間のレース以上にコ
ンディションの変化が存在するわけですが、公式練習
と予選で極端にコンディションが異なると、マシンの
パフォーマンスが変わってしまうというのがあります
が、耐久レースというのはそうしたコンディション変
化による影響が出ます。
これは、ミッドナイトレースや24時間耐久レース
で日中は暑く、日が落ちると気温差が出てしまうよう
な場合だと路面温度が変わってしまうので影響が出る
と言われています。
今回も1000kmですから、コンディションの異なる
長時間の走行という特殊な条件でのレースとなります。
前日の予選では、
【24】KONDO RACING フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木大樹選手 J-P.デ・オリベイラ選手
がコースレコードを更新してポールポジションを獲得
しており、上位は軽いマシンが来ていましたが、距離
が長いので重量の影響を受けるのと、予選結果を見る
と重たいレクサス勢力が沈んでいたため、復調のGT-
R勢やNSX勢力は優位な条件にあり、今回はシーズン
中で最も重たいレースとなるので、そこでレクサス勢
力が戦略でどう順位を上げてくるのかも注目れされま
す。
レクサス勢力では、【37】Keeper TOMSのみがQ2進出を
果たしており、上位入賞になるのかも注目されます。
決勝当日も前日同様に夏日で
■ 気 温 : 30℃
■ 路面温度 : 47℃
■ 天 候 : 晴れ
のドライコンディションとなっています。パレードラップ
は三重県警の白バイが先導する形で走行し、その後、ロー
リングスタート。最後の鈴鹿1000kmがスタートします。
グリッド上位の
【24】フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R
(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手)
【19】WedsSport ADVAN LC500
(関口雄飛選手)
【64】Epson Modulo NSX-GT
(ベルトラン・バゲット選手)
【17】KEIHIN NSX-GT
(塚越広大選手)
【46】S Road CRAFTSPORTS GT-R
(千代勝正選手)
【12】 カルソニック IMPUL GT-R
(ヤン・マーデンボロー選手)
と言う順位でコーナーを抜けていきます。そして、序盤
はこの順位で走行が続きますが、
【17】KEIHIN NSX-GT
(塚越広大選手)
がオーバーテイクを繰り返し、13周目にはトップに立
ちます。
その後方では2番手争いが激しくなりますが、15周目
のヘアピンの立ち上がりで3台が並び46号車が押し出さ
れる形でクラッシュするなどのアクシデントも発生し、
2番手とトップの差はさらに広がります。
一方、ポールポジションからスタートの24号車はペー
スが上がらず、じりじりと順位を下げてしまいます。
周回を重ね各マシンが最初のピットタイミングを迎え
ると順位が徐々に変わってきますが、最終的に30周目で
全てのマシンがピット作業を終えても、
【17】 KEIHIN NSX-GT
(小暮卓史選手)
がトップをキープします。その後方では、予選12番手で
Q1敗退となったの
【23】 MOTUL AUTECH GT-R
(ロニー・クインタレッリ選手)
がスタートから猛プッシュをかけており、ピット戦略で順位
を上げ、5番手まで浮上します。
路面のコンディションは走行前は路面温度が高かったものの、
50周回目には44℃まで下がり、3度低い状態になります。
レース開始2時間あたりで、GT300のマシンがスピンを喫
し、コース上で止まってしまいます。これによりセーフティー
カーが導入となり、17号車は構築してきたマージンを失いま
すが、トップを譲る事なく走行を続けており、2番手に浮上し
た
【64】 Epson Modulo NSX-GT
(B・バケット選手)
が後方の
【23】 MOTUL AUTECH GT-R
(R・クインタレッリ選手)
に対し、再び大量のマージンを築いていきます。
レースが折り返しとなる86周目。17号車のト
ップは揺るがず、盤石なレース展開をする中、
4番手まで追い上げていた23号車はピットからス
タートする際にピットレーンを走るGT300と接
触しかけてます。これが審議対象となり、2番手
まで順位を上げていながら、ドライブスルーペナ
ルティを受け、12番手まで順位を下げます。
94周目には、GT300マシンが130Rでクラッシ
ュしたため、再びセーフティカーが導入され、17
号車が築いた10秒ものマージンは再び消失します。
セーフティカー明けの再スタート時も大きな順位
変動はないものの、9番手を走行していた
【100】 RAYBRIG NSX-GT
(山本尚貴選手)
がここで猛プッシュし、112周目に2番手まで浮上し
てきます。
ルーティーンのピット回数も増え、5スティント目
に入ると、64号車がトップに立ちます。
その後方に17号車、そして再び順位を戻した19号
車というTOP3。その後方に、
【1】 DENSO KOBELCO SARD LC500
(ヘイキ・コバライネン選手)
が、さらに後方に100号車が続くという展開となります。
そして140周を過ぎ、各車が最後のスティントへとピッ
トへ戻っていく中で、このスティントを最後まで引っ張っ
て、トップを走っていた17号車が、ピットへ戻る予定の1
47周目にタイヤをバーストさせてクラッシュし、リタイ
アとなります。
この段階で既に気温が下がり始めていましたが、150
周目には路面温度は36℃まで下がります。100周目の段
階で45℃ですから、相当コンディションが変わっていま
す。
これにより、松浦孝亮選手のドライブスル64号車がト
ップに立ちます。そして、2番手には、一度はペナルティ
消化で大きく順位を落とした23号車の松田次生が走行し
ています。
3番手以降も接近しており、100号車の山本尚貴選手が
4番手前を行く19号車の関口雄飛選手をオーバーテイクす
ると、さらに3番手を走行していた1号車の平手晃平選手も
捉え、シケインで何度も何度も仕掛けていき、165周目の
シケインで、少しだけコースからタイヤを落としたのを見
逃さず、抜きさって3位へ浮上します。まさに山本選手の
オーバーテイクショーが展開されます。
2回のセーフティカーもあって、173周を消化することが
できないまま、規定の午後6時28分を迎え、ファイナルラッ
プが宣言されます。
そして、その後、トップの順位変動は発生せず、
【 鈴鹿1000km THE FINAL 】
は、
【64】 Epson Modulo NSX-GT Honda NSX GT / HR-417E ベルトラン・バゲット選手 松浦 孝亮選手
が制しています。NAKAJIMA RACINGとダンロップタイヤに
とっては、2007年の最終戦富士以来、10年ぶりのSUPER GT
優勝となりました。
そして、松浦孝亮選手は通算2勝目、そしてベルトラン・バ
ゲット選手は初の優勝とりました。
2位にはペナルティーで後方に沈むも怒涛の追い上げで
前戦の富士に続いて2位フィニッシュとなった
【23】MOTUL AUTECH GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
松田 次生選手
ロニー・クインタレッリ選手
が着けています。そして3位には、路面小戸の下がった最
終のスティントでオーバーテイクショーを展開し順位を上
げポディウムを獲得した
【100】RAYBRIG NSX-GT
Honda NSX GT / HR-417E
山本 尚貴選手
伊沢 拓也選手
が入っっています。
今シーズン6戦目にして、レクサス勢がいない表彰台と
なりました。LC500勢最上位は
【19】WedsSport ADVAN LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
関口 雄飛選手
国本 雄資選手
小林 可夢偉選手
の4位で、ポールスタートだった
【24】KONDO RACING フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 佐々木大樹選手 J-P.デ・オリベイラ選手
は5位フィニッシュとなっています。
これでポイントランキングでは、開幕から上位フィニッ
シュの
【23】MOTUL AUTECH GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
松田 次生選手
ロニー・クインタレッリ選手
がトップ。2番手に
【37】KeePer TOM'S LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
平川 亮選手
ニック・キャシディ選手
3番手に
【6】 WAKO'S 4CR LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
大嶋 和也選手
A.カルダレッリ選手
となっています。