神田川 「まる歩き」 しちゃいます!!

ー神田川水系、支流はもちろん、旧水路、廃水路、全部 「まる歩き」ー

築樋(つきどい)2

2015-05-29 06:28:59 | 千川用水3

 築いた土手を踏み固め、地面より高いところに水路を開くのが築樋(つきどい)です。上水のコース取りは尾根筋を縫うようにするのが基本ですが、どうしても谷筋を越えなければならないとき、比較的浅い場合はこの築樋になります。(深い場合は懸樋を使い、神田上水がお茶の水のところで、神田川を越える際採用したものが代表です。) 当地の場合は、数回前にUPした→ 「東京近傍図」で、右岸に井草川の一支流の谷筋がせまっていますが、それを越えるための工夫でした。筋違橋のところで右沿いから左沿いにシフトしたのも、この谷筋を避けるためだったのでしょう。

 

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    ・ 「段彩陰影図 / 上石神井」(1/18000)  オレンジ線は練馬、杉並の区境ですが、江戸時代は上下石神井村と上井草村の村境です。

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    ・ 千川通り  西武新宿線の車両基地の南側歩道は、千川通りより一段高くなっていて、築樋跡のよく分かるところです。なお、正面奥にかすかに見える信号の交差点が、昨日UPした最後の写真の上下石神井村の境です。

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    ・ 練馬、杉並区境  二百数十メートル南の区境を練馬側からのショットです。杉並区の水路跡でおなじみの金太郎車止めの路地が、杉並工高の東まで続き、井草川遊歩道に合流しています。

 <築樋と潜樋>  築いた土手を踏み固め、地面より高いところに水路を開く築樋に対し、トンネルで水路を通す潜樋を組み合わせ、上水と下水(悪水)を立体交差することがよくあります。「千川素堀筋普請所積見分」では、長崎村と滝野川村の二ヶ所でこの組み合わせを設け、潜樋は合計6本を数えます。うち長崎村のものは、左岸の石神井川にかかわる支谷筋を越えるためで、南長崎6丁目交差点で千川用水がVターンをしたあと、長崎村(四ヶ村)分水の分岐までの間に、土手堀下8間ほどのところに、長6間の潜樋三本が設けられました。