片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

西宮市が作った「道知る兵衛」

2007年01月06日 | 感動したこと
兵庫県西宮市。震災後、人口が6万人減り、その後9万人増えた。47万都市である。まずはこれを見てほしい
新しい住民が困らないよう、町を丁寧に案内している。いろんなキーワードを試しに入れてみてください。現在地からの距離などが表示されるはずです。航空写真も見えます。googleを超えたサービスとのことです。
実はこのシステムは市役所の職員が作りました。何も驚くにはあたりません。西宮市は昭和36年に、日本で最初にコンピュータを導入した自治体の一つなのです。大阪市と京都市とともに。それ以来すべて自前でシステムを作ってきました。筋金入りのEUCです。
実は、これを千葉県の市川市役所も利用しています
西宮市がSaaSとして運用してあげています。
丹波篠山市もそうです。こちらは自分たちで運用しているそうです。
西宮市の「道知る兵衛」は、住民にとっては市民生活のための便利なシステムですが、市の職員にとっては、地図から、その世帯の情報を得ることができるシステムでもあるわけです。
昭和36年から、すべて自前でシステムを作ってきた西宮市。自治体のシステムなど、形式的にしか知らないメーカやソフトベンダーに任せっぱなしの、多くの自治体とは違って、現場のニーズを熟知した職員が、当たり前のことを当たり前にやっている市です。
実は私も、最初にコンピュータを使ったのはユーザとしてでした。その頃はユーザが自前でシステムを作るのが当然のことでした。自分の会社のシステムを他人に任せるなど考えただけでも恐ろしいことでした。でもそれは今ではあたりまえのようになっています。ユーザは本当に不幸です。もっともっと使いやすいシステムがいくらでもできるのに、そういうものだと思って使わされているわけですから。
西宮市のシステムは、多分、他の市町村の2分の1のコストで、2倍の価値あるシステムを構築し運用しています。「道知る兵衛」は、表に現れた氷山の一角に過ぎません。
今日のところはここまでにしておきます。