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空手道へっぽこ稽古日誌 An ordinary person's karate practice diary

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<阿寒湖のマリモ>世界遺産へ動き活発化 しかし登録へは長い道のり/12.06.03/毎日新聞

2012年06月03日 | 【NEWS】
<阿寒湖のマリモ>世界遺産へ動き活発化 しかし登録へは長い道のり
6月3日(日)17時30分配信 毎日新聞
 
「阿寒湖のマリモ」が1952年に国の特別天然記念物に指定されてから60周年を迎えた。地元・北海道釧路市では国際シンポジウムや特別展などの記念行事が企画されるとともに、阿寒湖の世界自然遺産登録を目指す取り組みが活発化している。釧路市などは今秋にも開かれる国の検討会で「国内候補地」に選ばれるようアピールしているが、登録までの道のりは平たんではない。知床や小笠原などに続く国内5カ所目の世界自然遺産が実現するのか、課題を探った。【山田泰雄】

 ◇世界一の価値か

きっかけは昨秋、釧路市教委マリモ研究室の若菜勇学芸員が「北半球各地に生息するマリモは、日本起源の可能性が高い」との研究成果を発表したことだった。「阿寒湖のマリモ保護会」の松岡尚幸会長は「話を聞いてすぐに世界自然遺産の価値があると思った」と話す。60周年の節目も加わって地元の機運が高まり、今春には阿寒観光協会が登録を目指すことを決議した。

登録で最も重要なのは▽地形・地質▽生態系▽生物多様性▽景観--のいずれかで「世界的に顕著で普遍的な価値」があるか。つまり「世界一」かだ。知床や小笠原などが国内の候補地に選ばれた03年の国の検討会では、弟子屈町が主導して「阿寒・屈斜路・摩周」を世界最大規模のカルデラ地形としてアピールし、最終段階の19地域に残ったが、「カルデラは米・イエローストーンなどが登録済み」として見送られた。

 小笠原の登録作業に当たった環境省釧路自然環境事務所の中山隆治次長は「(03年は)マリモの価値が問われたわけではない。焦点を当て直せば可能性はある。必要なのは科学的根拠」と指摘する。

 そこで浮上してくるのが、若菜学芸員の研究成果。若菜学芸員は「地形、湧水(ゆうすい)、波浪など、阿寒湖自体が巨大な球状マリモを生むための精密装置と言える」と強調し、現在論文を書いている。ただし、「マリモを取り囲む周辺自然環境の調査はまだ不十分」(環境省)との指摘もあり、生態系や地形・地質を含めた「世界一」を科学的に訴えられる根拠も求められている。

 ◇地元の熱意

「地域の総力を挙げて取り組みを進めたい。多くの人にマリモのことを知ってもらえれば、世界遺産への合意形成にもつながる」。先月8日、阿寒湖温泉街で開かれた「マリモ特別天然記念物指定60周年記念事業実行委員会」の設立総会で、副会長の千葉誠一・釧路市教育長は登録への熱意を示した。実行委は今年9月、海外の研究者を招いての国際シンポジウムを開催。7~10月にはマリモに関する特別展や学習会も設け、PRを図る。

 9年ぶりに開催される見込みの国の検討会では、03年に見送りとなった阿寒など16地域が主な対象となる見通し。一方で知床、小笠原と同時に候補地となった琉球諸島は、細野豪志環境相が今年2月、登録への本格的準備に入る考えを表明したが、米軍基地などの問題でメドが立たない。ハードルをクリアすれば、阿寒湖が候補地になる可能性もある。

 5月30日には「阿寒湖のマリモ保護会」が、地元小学生を対象にした生息地見学学習会を実施した。同会の松岡会長は「60年間のマリモ保護の歴史と、それを子供たちに伝えている地元の活動は誇れる。今回選ばれなければ、また10年は機会を失う」と強調。中山次長も「この段階で阿寒湖のために動いてくれる人はいない。今は地元がよく考え、主張すべきことを主張していかねばならない時期」と話している。

 ◇管理計画が必要

国内候補地になれば、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産委員会に推薦書を提出するため、環境省などが1年以上かけて作業に当たるが、「法的な管理計画」というハードルがある。

05年に登録された知床の地元、斜里町自然環境係は「自然そのものの価値は科学的視点で判断されるが、その価値を将来にわたり保全する態勢があるのかが問われた」という。11年に登録された小笠原の場合は、法的保護の網となる国立公園地域の拡張と外来種対策が課題に。中山次長は国際自然保護連合(IUCN)から「外来種対策をきっちりやるよう言われた」と振り返る。

 推薦書の提出後はIUCNが詳細に現地を調査し、登録の可否を審査。結果を世界自然遺産委に報告するが、落選すれば二度と審査対象とはならないため、「敗色濃厚」と察した候補地の中には立候補を取り下げ、雪辱を期す例もある。

 ◇阿寒湖のマリモ

淡水生の緑藻類で、1897(明治30)年、札幌農学校(現・北大)学生の川上滝弥氏が湖西部のシュリコマベツ湾で発見。その球状にちなみ翌98年「毬藻(まりも)」の和名を付けた。形の珍しさや限られた生育分布ゆえ、早くから学術的に貴重とされてきたが、森林伐採や水力発電に伴う湖水面の低下、水質の悪化などで著しく減少。湖内4カ所の群生地も2カ所に減ったが、住民による保護活動で存亡の機を乗り越えてきた。日本を含む北半球各地で生息が確認されるが、球状マリモが群生するのは阿寒湖とアイスランド・ミーヴァトン湖の2カ所。直径30センチほどにまで生長するのは阿寒湖だけ。