今まで出動先が教会や学校に留まっていたウチのイタリアンオルガン、本日めでたくコンサートホールへのデビューと相成りました。持ち込んだ先は私の好きな東京文化会館小ホールであったことも嬉しい限り。記憶が定かでないが、出演者として、また他人の楽器運搬のお手伝いでは何度も出向いたこの場所も、自分の楽器を持ち込むことは十年以上無かったような気が(ところで、おそらく前回持ち込んだ自分の楽器は、今は手放して手元に無いフレミッシュ一段チェンバロで、使って下さったのも今は亡きチェンバリスト&フォルテピアニストのKさん。だから、この会場に来るといつもその時のことを思い出すのです)。
ステージのど真ん中に置かれ、存在感を大いに誇示していた我がオルガン(タンスとも仏壇とも呼ばれていたが)、その雄姿(?)を撮るヒマがなく、お載せした画像はリハ前の明かり合わせの時のもの。少し暗くてすみません。
今までの現場と異なり、今回は(当然に)通常我々が経験しているようなタイムスケジュールに沿ったものなので、自分としてもその進め方にやや緊張して当たりました。というのも、この楽器は調律の手間にしても通常のポジティフに比べていささか厄介で時間がかかる。温度変化の読みを多少間違えてもポジティフなら急遽手直しすることが可能ですが、こちらはそうは簡単にはいかない。今回はリハ終了が計画よりだいぶ押して焦ったけれど、ピッチ変化は読みどおりで、少しタイトなスケジュールの中で巧い具合にバラツキ除去だけ処理し終え一安心。
通奏低音楽器として2曲使われた後、オルガンが独奏楽器として登場したエマヌエル・バッハのオルガン協奏曲 ト長調 Wq34 ではプロスペクトのFiffaroはPrincipaleとピッチを揃えて二重プリンチパーレとして使用(第2楽章)し、また当初使う予定のなかったFlauto XII(2 2/3')も音色変化を多様にするため使われていました。すべてオープンの笛を積み上げるイタリアン特有のディスポジションとも相俟って、通常サイズのポジティフでは実現できない音響を得られていたのではないかと思われ、このような楽器の特性を最大限に引き出し、楽器の可能性を大きく広げて下さった大塚直哉さんには大大大感謝なのでした。
この楽器はうまく話が進めば来年前半に同じ場所に再登場の予定。そこでも「18世紀後半のオルガン協奏曲」に使われるはずで、17世紀イタリアバロックモデルという文字情報から受ける(地域限定的な)印象とは異なり、実はかなり汎用性のある楽器であることを再びお示しできるのではと思っています(だから演奏家の皆さん、どんどん使ってね 笑)。
…そう言えば、この楽器を今来日中のベルギーの超有名古楽アンサンブルのメンバーが観に来たいと言っていた。ウチの楽器を作ったビルダーの別の楽器を彼らもヨーロッパで使い、その時のマエストロの評価も大変高かったのだとか。
ステージのど真ん中に置かれ、存在感を大いに誇示していた我がオルガン(タンスとも仏壇とも呼ばれていたが)、その雄姿(?)を撮るヒマがなく、お載せした画像はリハ前の明かり合わせの時のもの。少し暗くてすみません。
今までの現場と異なり、今回は(当然に)通常我々が経験しているようなタイムスケジュールに沿ったものなので、自分としてもその進め方にやや緊張して当たりました。というのも、この楽器は調律の手間にしても通常のポジティフに比べていささか厄介で時間がかかる。温度変化の読みを多少間違えてもポジティフなら急遽手直しすることが可能ですが、こちらはそうは簡単にはいかない。今回はリハ終了が計画よりだいぶ押して焦ったけれど、ピッチ変化は読みどおりで、少しタイトなスケジュールの中で巧い具合にバラツキ除去だけ処理し終え一安心。
通奏低音楽器として2曲使われた後、オルガンが独奏楽器として登場したエマヌエル・バッハのオルガン協奏曲 ト長調 Wq34 ではプロスペクトのFiffaroはPrincipaleとピッチを揃えて二重プリンチパーレとして使用(第2楽章)し、また当初使う予定のなかったFlauto XII(2 2/3')も音色変化を多様にするため使われていました。すべてオープンの笛を積み上げるイタリアン特有のディスポジションとも相俟って、通常サイズのポジティフでは実現できない音響を得られていたのではないかと思われ、このような楽器の特性を最大限に引き出し、楽器の可能性を大きく広げて下さった大塚直哉さんには大大大感謝なのでした。
この楽器はうまく話が進めば来年前半に同じ場所に再登場の予定。そこでも「18世紀後半のオルガン協奏曲」に使われるはずで、17世紀イタリアバロックモデルという文字情報から受ける(地域限定的な)印象とは異なり、実はかなり汎用性のある楽器であることを再びお示しできるのではと思っています(だから演奏家の皆さん、どんどん使ってね 笑)。
…そう言えば、この楽器を今来日中のベルギーの超有名古楽アンサンブルのメンバーが観に来たいと言っていた。ウチの楽器を作ったビルダーの別の楽器を彼らもヨーロッパで使い、その時のマエストロの評価も大変高かったのだとか。