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第45回雄勝野草の会山野草写真展

2022年11月30日 | 地域の山野草
湯沢市雄勝野草の会主催、第45回山野草写真展は11月16日(木)から26日(土)まで湯沢市生涯学習センターロビーで開かれた。雄勝野草の会は昭和49年1月7日に18名で設立し、現在会員36名です。自然観察の中で各自が撮った67点の写真が展示された。
私は今回10点の写真を出展しました。すべての写真は昨年と今年各地へ出かけ撮影したものです。特に八幡平、蓬莱沼等の写真は仙北市の和賀の仙人と言われる渓風小舎(佐藤隆)さんの案内で撮ったものです。
10点の写真は①チングルマ(森吉山)、②オオバナノエンレイソウ(抱返り)、③エゾニュウ(八幡平)、④ミソガワソウ(八幡平)、⑤アマニュウ(八幡平)、⑥アオモリアザミとクジャクチョウ(八幡平 蓬莱沼)、⑦サワギキョウ他(蓬莱沼)、⑧ヘクソカズラ川連 麓)、➈ラショウモンカズラ(川連 小坂)、➉オクトリカブト(奥州市)です。カメラは愛用の「ニコンZ50」と「オリンパスTough TG-5」。
チングルマ(稚児車)森吉山
チングルマの花は白く付け根が黄色くなっている。見た目は草のように見えるが落葉小低木と呼ばれる。この低木は幹が1ミリ成長するのに10年もかかるといわれる。花が終わると赤っぽい綿毛が風に揺れる。高山だと雪が消えるころから咲き始め、白い花と花の終わった赤っぽい綿毛の状態が同時に近くでみられる。風に揺れれる綿毛姿の状態をカメラに収めたい願いがやっとかなった一枚となった。白い花の群落も捨てがたいが綿毛の姿は独特だ。秋田駒ヶ岳のチングルマは見事な景観。北海道から日本アルプスまで分布とされる。 
オオバナノエンレイソウ(大花延齢草)抱返り                          
普通のエンレイソウは雄勝野草の会の象徴の花。花は紅紫色で葉は3枚輪生する、市役所前の城山のエンレイソウは葉が6枚、8枚あるものがある。このオオバナノエンレイソウは白い花、北海道大学の校章に採用されていて北キャンパスの原生林は群生している。北海道には9種のエンレイソウ属が自生している。仙北市のミズバショウで知られる刺巻湿原にも群生している。湿原が管理されているためか花は少し小ぶりだ。花の咲く時期がミズバショウより遅いせいかここにオバナノエンレイソウがあることを知らない人が多い。私の撮った写真は花の直径が6~7センチにもなる。仙北市の抱返り近くの沢。やや湿地状態に群落状態だった。
エゾニュウ(蝦夷丹生)八幡平
エゾニュウのニュウはアイヌ語を語源としている。花に多くのアブが蜜を吸っていた。秋田でサクの名で知られ、若い茎を塩漬にし保存してから食べる。長さが3メートル近くまで伸びるとされ、八幡平の道路端の姿は壮観だった。
ミソガワソウ(味噌川草)八幡平
ミソガワソウの名は木曽川の源流部、長野県の味噌川に由来されるという。今年の夏仙北市の「渓風小舎」さんの案内ではじめて知った。長さが1メートルぐらいになっていた。秋田では鳥海山や焼石岳でみられるらしいが一般登山道から離れた場所とされる。このミソガワソウは車の行き交う道路端にあった。花だけ見るとラショウモンカズラと見間違うほどだった。
アマニュウ(甘丹生)八幡平 
八幡平でエゾニュウと隣り合って咲いていた。エゾニュウより少し小さめだったが花の姿はエゾニュウより繊細に見えた。写真展に出展でアマニュウではなくシシウドだとの指摘を受けた。写真の右側の葉はシシウドに似ているが左側の葉はアマニュウにも見える。
アオモリアザミとクジャクチョウ(青森薊 孔雀蝶)蓬莱沼    
蓬莱沼は八幡平の藤七温泉の近く、噴火した時の溶岩の巨石が重なる。コメツガやアオモリトドマツが生い茂る様は一般的な八幡平の様相とはまるで違う。トレッキングは整備されているが多くの人の出入りはなさそうだ。熊の住む場所らしい。歩道には食いちぎられたミズバショウの無残な姿があった。
つき進んでいくと忽然と開けた沼についた。静寂の蓬莱沼は標高1307ⅿとされる。アオモリアザミに無数のクジャクチョウに遭遇した。数匹のヒョウモンチョウも混じっていたがクジャクチョウは圧倒的な数。別世界に迷い込んだような不思議な感覚を味わった。
サワギキョウ、ミズギク、コバギボウシ(沢桔梗、水菊、小葉擬宝珠)蓬莱沼
蓬莱沼の周りはサワギキョウ、ミズギク、コバギボウシの競演状態。サワギキョウの紫はことさら強く、ややピンクの混じる白っぽいコバギボウシの間を黄色のミズギクが織りなす風景は極めて印象的。
ヘクソカズラ(屁糞葛)川連 麓
                     ヒメシャラに巻き付いたヘクソカズラ、名がいささか品がない。葉や茎などに傷をつけると悪臭を放つことからこの名になったという。万葉集の中にも「糞葛」(くそかずら)の名で詠まれているという。別名でヤイトバナ、サオトメバナがある。花弁が白く、内面中心が紅色の花を多く咲かせる。花弁が後方へ反り返る様は独特。ややピンボケの写真だが構図が気に入っている。
ラショウモンカズラ(羅生門葛)川連 小坂
ラショウモンカズラの名には圧倒的な雰囲気を感じてしまう。羅生門で切り落とされた鬼女の腕に花の形が似ていることから名がついたという。シソ科の多年草で葉が終わると地を這うように茎がのびる。鍋釣山を地元では地名にちなんで小坂山という。山のふもと近くの杉林の一角にある。せいぜい一坪程の場所。
オクトリカブト(奥鳥兜) 奥州市
東成瀬から奥州市に向かう国道397号線で撮った。トリカブトの中で最も大きな部類に入るかもしれない。この場所のオクトリカブトは2から3メートルほどの長さに伸びていて数十本固まって生えていた。大型のトリカブトの群生は独特の雰囲気を醸していた。
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