SaltyDog

               by kaji

BOSEのヘッドフォン

2005-02-03 | 普通の話題
スピーカーメーカーのBOSEが開発したヘッドフォン、QuietComfort2(以下QC2) を昨年9月に購入した。このヘッドフォン、「ノイズキャンセリング」という機能が売り物である。ヘッドフォン本体の外側にマイクが付いていて、そこで拾った音と正反対の波で耳に到達する音(ノイズ)を打ち消す。本来聞こえるはずのノイズが消えてしまうというもの。別に音楽を聴いていなくてもいい。飛行機や電車の中などで、そのヘッドフォンを装着し、スイッチを入れると、暗騒音がスーーーッと消えてしまう。これは確かに快感である。 しかし、全ての音域をカットしてしまうと、思わぬ事故に遭うおそれがあるとかで、カットされる音域は低音域だけ。本当は、技術的に難しいのではないかと勘ぐったりしてしまう。
 今から15年ほど前?に、この技術を利用したヘッドフォンを使用し、ジェット機が無給油で地球を1周することに成功したと、同社より知らされた。 無給油で地球を1周するためには、ジェット機の機体が計量でなくてはならない。計量のジェット機を作ることはそれまでも可能だったが、操縦するパイロットが、その計量化によって生じる騒音に絶えられなかった。それをこのヘッドフォンを使うことで、騒音の問題が解消され、無給油飛行が実現された とのことだった。 現在市販されているものは、おそらくもっと簡素化されたものだろうが、ずっと前から一度は手にしてみたいと思っていた。 数年前に一般のユーザーに手が届く価格で売りに出されたものは、ヘッドフォンに外部電源(電池ボックス)を必要としており、とても実用的ではなかった。しかし、現在のバージョンのものは、単4電池1本で30時間程度は稼働する。 値段は約4万円と少々高価ではあったが、思い切って買ってみた。
 最初に感じた印象は、肩の力がすーーっと抜ける感じがあった。しかし、中音・高音域はカットされないので、人の話し声などはそのまま聞こえてくる。もう少し静粛性を期待していただけにちょっとがっかり。電車の中でも試してみた。地下鉄の「ゴーーーーッ」って音は消えるが、「キーーーッ」って音は消えない。う~~んチュートハンパやなー。 音楽を聴くという点ではどうか。BOSE社が言うには、騒音が軽減される分、ソースの音量を下げても充分な体感音量が確保できるので、難聴になりにくい とのこと。 しかし、残念ながら、音響機器側の音量をめいっぱい上げても、満足のいく体感音量は得られなかった。QC2側にもインピーダンスの切り替えが付いているが、それでもダメ。 音響機器側の問題かとも思って2機種試してみたが、どちらも変わりなし。 音質は、さすがに満足のいくものではあったが、しかし、5千円程度のヘッドフォンと比べても、その金額差ほどの音質差があるかというと、NOと言わざるを得ない。 「どうだ、俺はスッゲー ヘッドフォンしてるだろ」って優越感に浸る以外に、このQC2の意味がだんだんとなくなってきているように実感した。 そんなわけで、2ヶ月ほど使用したが、YAHOOのオークションで、売却してしまった。まだ綺麗なうちに売却したので、購入したときの10%引き位の金額で売ることができた。今はオーディオテクニカの5千円程度のヘッドフォンを愛用している。

【参考】
http://www.bose-export.com/headphone/qc2/index.html

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