女性は、男性を睨んだ
ちょっとおかしな行動をとったのだが、彼が悪くない
ことは、私は見て知っていた。
彼はただ、落とした物を拾おうとして、前屈みになっただけで、
決してその女性の下半身に故意に近づこうとしたわけではなかった。
三鷹駅。 朝のホームは大変な混雑である。
いつものように乗車口の前に並んでいた。
何か落ちていることに気づいたが、それが何であるかは
わからなかっった。 左ななめ前の女性が、それをヒールで
踏んでいた。もちろん気づかずに。悪気はない。
それを落としたのは、その後ろに並んでいた男性であることが
次の瞬間わかった。 男性はそれを拾おうと前屈みに
なるが、前の女性に踏まれているため取れない。
一声かければいいのにと思いながらも、そのまま静観。
確かに彼の顔が、女性のおしりのあたりに異常接近した。
男性はその瞬間、女性に睨まれた。
若干ひるむ男性。
落とし物は一瞬女性の足を離れた。
よく見ると「しじみ汁」と書かれているのが読み取れた。
えっ? 味噌汁の素?
女性は正面を向くと同時に、またその「しじみ汁」を踏んだ。
そう、この時点でも女性には全く悪気はない。気づいていない。
電車が到着し、乗車口に向かう男性は、再びその落とし物に
手を伸ばすことはなかった。
ちょっとおかしな行動をとったのだが、彼が悪くない
ことは、私は見て知っていた。
彼はただ、落とした物を拾おうとして、前屈みになっただけで、
決してその女性の下半身に故意に近づこうとしたわけではなかった。
三鷹駅。 朝のホームは大変な混雑である。
いつものように乗車口の前に並んでいた。
何か落ちていることに気づいたが、それが何であるかは
わからなかっった。 左ななめ前の女性が、それをヒールで
踏んでいた。もちろん気づかずに。悪気はない。
それを落としたのは、その後ろに並んでいた男性であることが
次の瞬間わかった。 男性はそれを拾おうと前屈みに
なるが、前の女性に踏まれているため取れない。
一声かければいいのにと思いながらも、そのまま静観。
確かに彼の顔が、女性のおしりのあたりに異常接近した。
男性はその瞬間、女性に睨まれた。
若干ひるむ男性。
落とし物は一瞬女性の足を離れた。
よく見ると「しじみ汁」と書かれているのが読み取れた。
えっ? 味噌汁の素?
女性は正面を向くと同時に、またその「しじみ汁」を踏んだ。
そう、この時点でも女性には全く悪気はない。気づいていない。
電車が到着し、乗車口に向かう男性は、再びその落とし物に
手を伸ばすことはなかった。