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第13回 麓鳴館寄席@心斎橋

2011-03-31 14:06:46 | Weblog
ずいぶん久しぶりの麓鳴館寄席。
相変わらずの渋い店内で
図らずもまた前とまったく同じカウンターの席に。


◎桂 さろめ「セールスウーマン」

 あやめさんのお弟子さん。
 上方落語の女性落語家のなかでは
 美女の呼び声高いらしい。(ご本人が言っていた)
 確かにキレイ!色気もあるし。
 わずかなマクラではあったが
 これまでの波乱の人生が垣間みえる自虐ネタ満載。
 才気と色気を兼ね備えた、
 上方名物の女流落語家にぜひなっていただきたい!


◎桂 鯛蔵「河豚鍋」

 はっきり言って、びっくりした。お上手になってて。
 ……というか前回の調子が悪過ぎたのかもしれない、とさえ思った。
 師匠の襲名で彼はここ一年地方を回り、
 後方ながら錚々たる師匠たちとたくさんの舞台を経験して来たのだ。
 成長するのは当たり前、か。


◎笑福亭鶴瓶「お直し」

 前日に決定した飛び入り参加だそうで。
 小さな小さなハコで、なんだか贅沢な時間。
 お江戸の噺を師匠が上方に移した、そのネタ下ろし。
 師匠クラスの方々は、こうやって
 ゲリラ出演を重ねてネタ下ろしをしていくのね。知らなかった。
 噺はというと
 熟成途中の香りプンプンであったが、いわゆるオトナな噺。
 嫌いじゃない世界(笑)。
 

◎桂 鯛蔵「半分雪」

 江戸の人気者といえば「相撲取り」。
 久しぶりに帰郷した相撲取りととぼけた奥さんの楽しい噺。
 テンポよく笑わせてもらって、あっと言う間に終わった感。
 「強情灸」より彼のニンに合うのでは。


終わってからご挨拶をして
麓鳴館名物のカレーの薫りに後ろ髪引かれながら仕事に戻った。

大先輩が、ずっとずっと前から
鯛蔵さんを一生懸命応援している。
その気持ちが少し分かった夜だった。

これからは必ず、足を運ぼう。

 
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話題のCM。

2011-03-28 19:28:03 | Weblog
すばらしい!といろんなところで話題だから

きっともうみなさんご覧になったかもしれないけれど。

これを見終えたあと

いろんな思いがうずまいて

なんだか目頭が熱くなってしまったのは

きっと、わたしだけではないでしょう。








こんな広告をつくりたい。


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退院、おめでとう。

2011-03-26 15:42:50 | Weblog
有り得ないことだが

もし私が漫才コンビを組むとしたら
相方は彼女しかいない、そう確信している友がいる。

彼女から久しぶりに電話があった。

元気な一声と共に届いた気配に
何かあったのだ、と瞬時に悟る。

いま病院のベッドだという。
大変な手術を乗り越え、明日やっと退院だという。

思いがけない大病のことと
それを乗り越えるための
厳しい決断と苦しみの日々を
いつものような、やらかい口調で語っていく。

私はあまりのことに
ただ息を呑んで耳を傾ける。

「でもね、今日すべての結果が出たのよ。
 本当は何度もメールしようと思ったけど
 ハッピーエンドになったら、
 絶対Kに電話しようと思って。
 だから、今日、電話したの。」

すべて過去形で語る彼女がいじらしく、心憎かった。
そばにいたら、頭ギューっとしてた、と思う。


高校一年の春、剣道部の部室で彼女と出逢ってから
クラスなんか一度も一緒になったことはないのに
いつも気づけば一緒にいた。

好きな相手に告白するのも
一緒にシナリオを練って、
交代でいろんな役回りを演じたっけ。

どんなに髪の毛を切っても、
隠せなかった私のパーマを
一緒に大きなリボンをつけてごまかしてくれたっけ。

いつも絶妙なボケをかます愛らしい彼女に
おバカなツッコミを繰り出し
いつも二人して「く」の字になって笑い転げていたっけ。

そして、私が母をガンで失った二年後に
彼女も同じように母を壮絶なガンで亡くし

ここまで一緒にならなくてもいいのに、と
涙にくれた日から二十年以上の時が流れ

お互いに家庭を持ち、会うことも
電話をすることもままならなくなっているが
ティーンエイジャーのころから
痛みと傷みと悼み、すべてを分かち合って来た。

今回、自分の身に起きた
奇跡ともいうべきさまざまな運命の導きを

「これは奇跡なんかじゃない。
 それをKに言いたかった」と彼女は言う。

うん。私もそう思うよ。

「ようがんばったなぁ、いうて
 また頭ぐしゃぐしゃしてーよお」と彼女は笑う。

うん。めっちゃするよ。

それでいつか本当に背中が「く」の字になっても
A子大好きよっ、て笑いながらどつくよ。




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温泉に浸かって考えてみた。

2011-03-21 22:27:50 | Weblog
連休だというのに
A4にして18ページの原稿と睨み合う日々である。
これをどうやって2ページにまとめるのか。
読み返すだけで頭がウニったので、久しぶりに近所の温泉へ出かけることにした。

能勢の田舎をクルマで走ること20分。

ほとんどの湯は水着着用となる
温泉というよりお気楽なクア施設という感じ。
コドモだらけのプールもある。
あれは温泉じゃない、とオットは嫌うので
行く時はたいがい私ひとりだ。

私はまったく泳げないので1時間ほどプールで歩いて
それから温泉に浸かって帰るのが常だが
今日、施設内に掲げられた看板を見て考えてしまった。

『◯◯温泉は、全国で7位のラドン温泉(放射能泉)です。』

おお。放射能。ラドン。ラドンはラジウム由来。

お気に入りの薬湯にアゴまで浸かりながら
では今私は何シーベルトの放射線を浴びているのだろう、と考える。

原稿のつづきをなんとかせねばならないが
気になるので、晩酌後だが調べてみる。
だってみんな困っているのではないか?
ミリシーベルト、いやマイクロシーベルト、と言われたところで
まったく未知の単位なのだから。

で、結論。

温泉における放射線被曝に関しては、
まったくといっていいほど科学的な立証はなされていない。
各温泉施設が独自に効能をうたうために測定し、発表しているデータがほとんど。

なんとなく町の空気自体が違うような気がしたあの三朝温泉でさえ、
公式に放射線について科学的なデータ提示や効能の論証はなされていない。
(岡山大学や鳥取大学有志が行った放射線の測定データはある。)

財団法人 高度情報科学技術研究機構「原子力百科事典ATOMICA」などは
あくまでもラドン吸入療法は、伝統的・経験的な民間療法であり、
その効能については充分な科学的根拠に乏しい、とバッサリ。

被曝量の計算には、何より単位となる時間が重要だろう。
どれくらいの量をどれだけ浴びたか、という総量計算に必要だし。素人考えだが。

やっとヒットできた三朝温泉の「菩薩の湯」0.467μSv/hというデータで考えてみる。
ここは三朝の超レトロな共同浴場で、泉質はかなりヘヴィだった記憶がある。

菩薩の湯に1時間浸かっていたら、0.467マイクロシーベルト被曝することになるのだ。
(とても1時間浸かれるような湯ではないが)
1回の胸部X線撮影で受ける放射線の総量が0.3ミリシーベルト、
つまり30,000マイクロシーベルトと言われるから

えーとえーとえーと

第7位の◯◯温泉で2時間浸かっていたとしても………

えーとえーとえーと

やっぱり降参。数字ではまったく実感ができない。誤差レベルにさえ感じる。

科学的根拠に乏しいと言われても
温泉の効果は、今まさしく肌で感じているのだが。



*ご参考
http://gigazine.net/news/20110315_sievert/
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いま、原発反対を叫ぶあなたへ。

2011-03-18 15:51:21 | Weblog
…… というタイトルで

とある人へのメッセージを昨日書いた。

原発より、震源より、はるか離れた地で

自衛隊に、政府に、ヒステリックな電話をかけたことを

まるで手柄のように綴る、その人の文面に

耐えきれないような嫌悪を感じたからだ。

わたしは鉄砲の玉の当たらない場所で何かを言うことが大嫌いだ。

所詮わたしが今何かを言うこともそれと同じ。

だから、消した。



震災から1週間が経ち

今日、死者が阪神大震災を超えたとのニュースが流れた。

3月14日の

藤原新也さんのブログにあった言葉を胸に刻んで

1年後、2年後につながる具体的な支援をしていきたい。


以下、藤原氏の言葉を引用します。

------------------------------------------

過剰なレスキューファンタジーに陥ることなく、
そして無力な自分を責めることなく、
ひとりひとりが冷静に身の丈に合った何かを
「する」ことこそが大事なのである。

------------------------------------------

http://www.fujiwarashinya.com/talk/index.php



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人ごとにしない。

2011-03-14 18:18:26 | Weblog
終わりの見えない恐怖ほど、厳しいものはない、と思います。

被災地をいまだに襲う大きな余震や津波の恐怖に

心からお見舞い申し上げます。


昨夜、広島方面から大阪へ向かう高速道路を走りました。

“災害派遣”と書かれた、

自衛隊の車両が驚くほど連なって走っていました。

SAには迷彩服を来た若い男性の姿がたくさんあり

がんばってください----- 祈るような気持ちで彼らを見送ることしかできませんでした。

復旧も、まず命の危険がなくならないことには始まりません。


原発で、被災地で、命がけで今働いている人々に思いを寄せる。

衣食住すべてを失った人々の痛みと悲しみを想像する。

とにかく祈る。そして考える。絶対に忘れない。

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別れの儀式。

2011-03-08 22:55:52 | Weblog
もう3月じゃないか!

しかも中旬。

たまに自分はいったい何屋やったかいな、と思ってはみるけれど

きっとこうして何屋でもないまま、

一生を終えるのだろうから、気にしないでおく。 


最近、道具の処分についてのご相談を受けることがポチポチあって 

つい先日もとあるお宅に伺って来た。

こういったご相談の場合、昼からお邪魔しても、お宅を後にするのはたいがい6時を過ぎる。

話す内容といえば

もちろん、ワタシという人間のプレゼンテーションであり

大切な品物をおあずかりするビジネスのご説明でもあるのだが

そのほとんどは、

今日別れを告げることになる、ひとつひとつの道具と彼らが紡いで来た物語だ。

何杯ものお茶やお菓子をいただきながら、ひたすら耳を傾ける。


一切合切、荷物をクルマに積み込んだあと、それでは、と声をかけると

そこには決まって吹っ切れたような顔の依頼主さんがいる。


“これって、必要な儀式なのかもしれないなー”

ムダなようだが、それを繰り返す日々。

そして、ムダなようだが、ひとつひとつの品に番号をふる日々。




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吉坊ノ会@山本能楽堂

2011-03-08 21:27:32 | Weblog


今回もお手伝いを兼ねて吉坊三昧の一日。
「たちきり」を吉坊さんがどう演じるのか。
彼のドキドキ、私たちのワクワク。

〈昼の部〉

◎「金明竹」 林家染吉
◎「商売根問」桂吉坊
◎「たちきり」桂吉坊

◎「替り目」 桂千朝
◎「鹿政談」 桂吉坊

 さすがに気合いの入った「たちきり」。
 わたしにとってのベストオブたちきりは、実は文太さんの一席。
 それに比べると登場人物が多く感じられる
 賑やかな舞台であった。
 大好きな「鹿政談」。
 奈良といえば修学旅行ということで
 小学生の彼が経験した
 理不尽な晩飯をマクラに大満足の一席。



〈夜の部〉

◎「餅屋問答」桂吉の丞
◎「初音の鼓」桂吉坊
◎「たちきり」桂吉坊

◎「天狗裁き」桂千朝
◎「小倉船」桂吉坊

吉朝一門の噺家さんって、
すごく結束力というか、愛を感じる。
吉の丞さんに対する吉坊さんの愛しかり、
吉坊さんに対する吉の丞さんの愛しかり。
なんだかマクラの一語一句にしても、
笑うところなのに、キュンと来たりもする。
素晴らしい兄弟愛!

初音の鼓って、初めて聴いたけど粋な噺。
小倉船は本人も言っていたけど途中からSF。

とにかく一日に6席なんて
あんな可愛らしいカラダのどこに
こんなパワーが秘められているのやら。

おなかいっぱいご馳走さまでした。

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