ひとり車で宮崎市へ。ここ数日の雨模様がうそのような晴れ上がりで、風は冷たい日差しは暖かい。
みやざきアートセンターで昨日から開催の生頼範義(注:「頼」は実際は旁が「刀」の下に「貝」を書く旧字体。)展へ行ってまいりました。ゴジラやスターウォーズのポスターで有名なイラストレーター・画家さんですが、私には1990年代前半の光栄の歴史シミュレーションゲームの表紙絵の作者として認識されております。本日は加藤直之さん(こちらも銀河英雄伝説をはじめSF作品の挿絵で知られるイラストレーター)のギャラリートークがあるということで、午前午後2回のうち午後の回に参加。15分前に受付を済ませると、そこには既にギャラリートーク待ちの行列が。見た目自分より上が多いようです。
ギャラリートークは加藤さんが(多少はビデオカメラが回っているのを意識しつつも)いかにも好き勝手に喋ってくださいました。ゴジラはあまり好きではないとか萌えは嫌いとか宮崎のサイクリングコースがどうとか自分の話に走っては戻りでしたが、何枚かスケッチブックも駆使して約80分(元々の予定は60分)、同時代を生きる同業者としての生頼氏への畏敬の念が素人にも感じられる解説でした。関係者の方も複数参加されていたようで、贅沢贅沢。
そんなトークを聴きながら展示作品をじっくり見るのは無理な話で、皆さんが加藤氏のサイン待ち行列に並ぶ中、再度入口まで逆流して一人で見直し。常識外れなのに描かれると納得させられる構図、描こうと考えたら気が遠くなる立体感、細部まで及ぶ精緻な描き込み。こう並べて書くとありきたりですが、結果として現れる作品の迫力には、絵画にほとんど興味のない私でも圧倒されます。ただただすごい作品群です。これが自分と同時代に宮崎で描かれたという実感がわきません。
結局2時間半滞在したところで帰りの時間の不安に気付いて退散。図録を2冊買って、これは東京組へのお土産。
それにしても、ギャラリートーク終了1時間後も図録にサインとイラストを描き続けていた加藤氏には頭が下がりました。
帰りは薄暮の渋滞に眠気を感じることもありつつなんとか帰宅。どっと疲れが出てごろごろしていると、しばらくして都知事選の結果が出て、あぁ今日はそんな日でしたねと。