カキモトジュンコ日記

by Junko Kakimoto

「ティルマンス展」

2008年04月25日 | Weblog
自転車をこいで、近所のラボと新宿のラボへ。
途中、西新宿のワコウ・ワークス・オブ・アートに寄り道し、「ヴォルフガング・ティルマンス展」を観る。

あいかわらず面白かった。ちっちゃな写真が高すぎるところにセロテープで貼ってあったりして。
ティルマンスの、カメラ小僧なところが好きだ。何をやっても結局は「アンタ、ほんまに写真が好きなんやナ」と思わされる。写真家で彼を嫌いな人って、いないんじゃなかろうか…。

作品を額装した透明アクリルを下からのぞくと、印画紙の裏にきったない字で ”…50” とか色々データが書かれてるのが見えて、ちょっと笑えた。
来月24日までやってるらしいので、これまた彼の大ファンであるマネージャー氏と、もう一度来ようと思う。


「かもめの日」

2008年04月22日 | Weblog
いま店頭に出てる「Weekly ぴあ」のBOOKページは、黒川創さん。
「かもめの日」(新潮社)という小説が紹介されているのだけど、これは
とてもとてもいい作品です。難しいことが、易しい言葉で書かれています。
私は大きく心を揺さぶられ、勇気づけられました。
 
え~い、言ってしまおう。






この本は、芥川賞を獲るべきだと思います!

少なくとも、私の”'08上半期ベストワン”であることは間違いありません。
このような作品を書く人が存在するのであれば、この世もまだまだ捨てた
ものではない、しっかり生きていかねば、と思った次第でありました。


撮影日記 

2008年04月15日 | Weblog
某月某日

渋谷で綾辻行人さんの撮影。「僕は幽霊は怖くないですね。かと言って”最も怖いのは人の内面だ”というようなわかりきったことを、さもたった今発見したかのように今さら書かれるのはうんざりしますね、本の帯なんかにね」とおっしゃっていた。
いちばん怖いのは「やっぱり、死」だそうだ。


某月某日

新宿のラボにプリントをオーダーしに行ったら、「もう営業してないんですよ」と言われる。親会社と合併したとのこと。そんなぁ!無理な注文をいつも根気よく聞いてくれた受付の人々の顔が思い出された。彼女たちはどうなってしまったのだろう。


某月某日

三宿で松尾スズキさんの撮影。路地裏で地味に撮影してると、通りかかったおばあちゃんに「何やってるの?こんなところで」と詰問される。「すみません、雑誌の写真を撮ってるんです」と説明すると、ひとこと、

 「変な人たち!」
 
去って行くおばあちゃんの後ろ姿を見つめ、ヒクヒク笑う松尾さん。
ツボだったようだ。


某月某日

丸の内の丸善で三崎亜記さんの撮影。こちらの声の届かないところに立っていただいたので、ケータイでスタッフに指示を伝えてもらいながら撮る。面白かった。

(いま発売中の「Weekly ぴあ」に載ってます)


某月某日

代官山のスタジオで、山田優さんの撮影。原宿のカフェで初めてお会いしたときはまだ17歳で、キティちゃんのかわいいタンクトップを着ておられた。時が経つのは早い。

選ばれし者。2

2008年04月11日 | Weblog
8日付けの朝日新聞に、さっそく岡田さんのインタビュー記事が載ってた。
「この数年、これだけ良質の悲しみを新しい小説から感じとったことはない」
という大江健三郎さんの評に感動する。良質の悲しみ…なんといい言葉だろう!

昨年「ぴあ」で撮影させていただいた際に、『エンジョイ』の舞台がすごく
面白かったです、と感想をお伝えしたら、「えー、でも◯◯◯(演劇雑誌)で
去年のワーストワンに選ばれたんですよ」と苦笑いされてた岡田さん。本当に
よかった!


失われた時。

2008年04月09日 | Weblog
2本の撮影を終えて家に帰って車庫に車を停めたら急激に眠くなってちょっとだけのつもりで目を閉じて目を開けたら、ななななんと!




3時間半が経過していた。
なんぼなんでも寝すぎやろと思いつつ、しばしぼけーっとそのままでいる。
目が覚めたとき、妙な幸福感があったのはなぜだろう。


選ばれし者。

2008年04月07日 | Weblog
今日の新聞に、岡田利規さんの「わたしたちに許された特別な時間の終わり」
が大江健三郎賞を受賞したという記事が!大江賞とは大江氏が一人で選考する
賞だそうで、賞金の代わりに外国語への翻訳と刊行が約束されるという。
ノーベル賞作家から選ばれた岡田さん、おめでとうございます。やったー!!


また、お風呂の話。

2008年04月05日 | Weblog
夜、ご近所さんのKねえさんと銭湯に行く。

定員4名の小さな露天風呂で、他愛のないことを
ダラダラとくっちゃべるのが楽しい。
トホホな失敗談も、Kねえさんに聞いてもらってるうちに
笑い話に思えてくる。まぁ、素っ裸になってる時点で
すでに全てが可笑しいのだけど。

脱衣所で「このままじゃメタボだ。今度こそお酒やめる」
「私も1キロ増えましたよ」などと言い合ってると、
見知らぬおばちゃんが「腰回し運動がいいわよ」と
実演して見せてくれた。3人でグルグル腰を回してみる。
1日10分するだけでいいとのこと。

帰り道、「よ~し、いっしょにダイエットしますか!」「する!」と
宣言しながら、なぜか足はセブンイレブンへ。
いつものようにガリガリ君(私)と、缶ビール(Kねえさん)を
買って帰る私たちであった。