南海フェリー

先日徳島に出張した。当日は、夜に職務上の打ち合わせを兼ねた夕食をすることのみがミッションであったので、かなりゆとりがあった。名門大洋フェリーに乗った勢いもあって、羽田→関空～南海電車～和歌山港～フェリー～徳島港→徳島という行き方をしてみた。まっすぐ飛行機で徳島入りするのに比べざっくり３時間余分にかかる旅程であるのである意味酔狂かも知れない。南海フェリーの貧民席は、小さいながらも昔ながらの雑魚寝席（固くて小さい枕装備）があったのでなつかしかった。ビールを飲んだりしながらのんびり過ごしたわけであるが、乗船時に背広の兄ちゃんが角席で電源とＰＣをつなげていたので、まだ開いていたもう一つの角に行って見ると案の定コンセントがあった。こういうときにコンセントのありそうなエリアにダッシュしてしまうあたりは、悲しい性であるがそれでも「寝ながらノートＰＣを打つ」という怠惰な２時間を過ごせたので悪くなかった。午後の南海フェリーは乗客約５０名。船内中に漂うだらけた空気はある意味最高の贅沢であった。換金不可能なスロットマシンのゲームコーナーがあったが、あまり育ちの良くなさそうな子連れの一家が４台占拠して遊んでいた。いとつきづきしと言った所である。こういう家族を最近のネット小僧は「DQNな家族」と呼ぶようであるが、昔、うちの父母は「ウンター」(unter)と呼んでいた。英語で言えば、underである。旧制高等教育の名残であろうが、昨今はこういう言い方は全く聞かなくなった。