世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

オリーブ山のキリスト

2017-11-20 04:18:16 | 黄昏美術館


ハンス・トーマ


一と三は王数という。一は王を表わし、三は民衆を表わす。

この図もよく描かれるテーマである。イエスだけが山の上で目覚めて祈っている。三人の弟子たちは下で眠りこけている。

要するに、国王には真実がわかっているが、人民はいまだに眠っている。正しいことがわかっているようで何もわかっていないのだ。

愚民をなんとかせねばならない王の悲しみという図なのである。

何もわからない愚民はコンプレックスと嫉妬に動かされるまま、衆愚と化して大勢でひとりの王を殺す。そしてその結果国は瓦解し、愚民もまた滅ぶのである。

ユダヤの国は典型的なその例なのだ。国王の徳を持っていたイエスを殺したユダヤ民族はその後、完全に滅んでいるのである。

これはそういう国の悲劇を表現する絵である。






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