⚪︎三浦隆司 vs エドガル・プエルタ⚫︎
WOWOWのエキサイトマッチで見る三浦は調子が良さそうで期待が高かったが、その想像を超えるパフォーマンスを見せてくれた。
リングインした三浦は気合十分で表情に殺気がみなぎる。相手のプエルタは長身のファイターだが、序盤から打ち合いを挑んできた。両者とも危険なパンチを見せるが、1ラウンド早々にプエルタがクリンチにきたところを三浦は振りほどきながらの左フックでダウンを奪う。日本人はわりかしクリーンなファイトを好むので、クリンチ際のパンチはやられることはあっても、やることはあまり見たことがない。この日の三浦の闘争心は気持ち良かった。
プエルタはダウンを奪われたがダメージは無く、ジャブから立て直しを試みる。しかし三浦は焦らず強烈なボディ攻撃でスタミナを少しづつ削っていく。練習で見せた頭を振ったディフェンスを見せたり、コンビネーションでの右のパンチも良かった。
ボディにダメージを蓄積したプエルタに最後は自慢の左を顔面に当てロープまで吹っ飛ばし、右左の大きなフックを追撃した。慌ててレフリーが試合を止めに入ったが、ロックオンした最後の右フックは止まらず、プエルタの顔面を見事に打ち抜いた。この最後の1発も日本人には無かったもの。これもまた気持ち良かった。
以前までは左の強打だけのボクサーと思っていたが、テクニックも精神面でも一段と成長したと感じた。どうしても対抗王者の内山高志との再戦が話題になり、その圧倒的な敗北という結果により「やる必要は無い」という意見も多いが、個人的には「面白い」と感じる。課題の精神面が強くなった三浦が勝つ可能性は十分あると思う。