J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

明神流大龍勢

2007年09月17日 | 人にぞっこん

秋の日の三連休、まずは第一弾の終了。
今週末は、秋分の日の三連休。

祭りは、秋祭りになり、実りを喜び合う季節。

神遊び、神に感謝を捧げ、楽しんでいただく芸能が奉られる。

草薙では例大祭。
青い空に、火炎の竜が向かう季節。


東征の日本武尊が、野火を仕掛けられ襲い掛かる炎をアメノムラクモノツルギ持て草を薙ぎ、事なきを得た。
後にここにその神剣が納められ、草薙神社の縁起となる。
〇草薙神社 http://www.geocities.jp/engishiki01/suruga/bun/sr130203-01.html

毎年、草薙神社の例大祭は、9月20日。
氏子は、のろしを源とする龍勢花火で祝う。

諸説あるものの、草薙の剣は、ヤマタノオロチから出でたアメノムラクモノツルギとも言われている。
となれば、15メートルもの竹の尾を付けた竜が天に上ってゆく様は、オロチの神霊をも慰められそうだ。

悪玉が、善の手の内になれば、役割も変わる。

日本の国は、ありとしあるもの全てを良しとし受け入れる。

生来の野生、自然との付き合い方が神話にも塗り込められて、人々のあり方を髣髴とさせる。

そして、祝いは今に伝えられ、23日には今年も龍勢の打ち上げ。
さらに、大御所入城400年祭を祝い、全国伝統花火大会in静岡の開催と相成った。
〇全国伝統花火大会in静岡 ~アットエス
http://www.at-s.com/bin/even/EVEN0030.asp?event_no_i=K622430463

〇ポスターと花火の紹介 ~川口漢方
http://homepage2.nifty.com/KAWAGUCHIKAMPO/ryuseihanabi.htm

〇打ち上げ順の紹介
http://kusanagioku2.web.fc2.com/2007.html




昼間が特にすごいんだ、
打ち上げの火薬と花火の火薬、仕込まれた落下傘の落ち方、
仕込みの具合、材料の竹の具合で、全てが変わる。

輝きながら教えてくれたのは、数ある龍勢花火を作る氏子町内の内の一つ、明神流の皆さん。

毎年、材料とする竹の伐採の前の神事を始め、手作りの龍勢の技を代々伝える。
作業は、各流派によって異なる。


〇草薙大龍勢 明神流サイト
http://kusanagioku2.web.fc2.com/index.html



上記のサイトのトップページでもわかるように、その姿はまさしくロケット。
実は、種子島宇宙センターから、視察に来る。

打ち上げの時の、黒色火薬の配合や量の様子を見に来るらしい。

どうだ、すごいだろう。

〇日本のロケットの歴史(のろしから宇宙観測まで) ~日本ロケット館
http://www.bekkoame.ne.jp/~yoichqge/roc/japaroc.html

〇種子島宇宙センター
http://www.jaxa.jp/about/centers/tnsc/


本当のことを言うと、そこまですごいとは知りませんでした。。。。

実は、静岡市の東隣、岡部町にも、朝比奈大龍勢がある。
だから、全国にけっこう残っているのかと思っていた。
しかし、他には埼玉県吉田、茨城県百家、滋賀県米原、甲賀にしかない。

海の外に目を転じれば、ラオス、タイ、中国雲南省など、東南アジアに雨乞いのロケット花火として龍勢が残っている。

うわあ。。。。面白くなってきた。

〇龍勢とは ~はてなダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%B6%C0%AA




このハデハデは、龍勢に仕込まれる落下傘。

打ち上げの後、落下傘が本体の殻を吊り、変化筒を提げて飛び出す。

落下傘用の、特殊ナイロンかな、と見ていたら、うわ、皆で何するの?!



隅っこから、くしゃくしゃくしゃくしゃ。。。。。



なんと、ガンピ紙という和紙だという。

ここにも、奥深き日本の知恵と技術が。

しかも、これが丈夫で、敗れないどころか、本体をさげて気流に乗って、相良にまでたどり着いたことも。





洗濯物みたい。。。。。
こうしてくしゃくしゃにすると、都合よく多々寝て、開くときに引っかからず開きやすくなるのだそうだ。


この頃は、落下傘つくりの一部を小学生にお願いする。
夏に皆で完成させる。




切って貼って描いたら、落下傘のヒモ付け。
ヒモは、自分たちで柿渋を煮出し、木綿糸を浸して強くしたものをバランスをとって付けてゆく。
乾いたら、くしゃくしゃに。

その後、開きやすいように折りたたむ。



こちらは、空で花火を見せる火薬を詰める変化筒。

これも、自分たちで切り出し、軽くなるように表面を削り、形を整え、和紙で補強。



ゴソゴソ取り出したのは、回収した去年の変化筒。

導火線の長さや付け方を検討している。

龍勢は、打ち上げから、空での変化まで、上げて見なければわからない。

必ず成功するとは限らない。

種子島宇宙センターのように。。。。。



この変化筒にも火薬や落下傘を仕込み、空にどんな模様を描いて、何段の仕掛けが開くかを託す。



ロケットの先端になる頭の部分。

陣笠のようだ。

風切、とんがりと呼ばれている。




龍勢で、頭と呼ぶのは、実は、本体。
またはガワとも呼ばれる。

意外にも、ボール紙で作っていた。学校の工作みたい。。。。

そこには、杉板を円形に切って貼る。周囲は、がんぴ紙が再び登場して補強。

仕込が済むと、10~15メートルの尾と呼ぶ長いさお竹をつける。

そして紅白の布で包んで、打ち上げを待つ。



大龍勢打ち上げの日に、龍勢を模した神輿が練り歩く。

龍勢は、昼が面白い。

そして、夜は流星と字を変えて、打ち上げられる。
*昨年の夜の流星の写真 http://mieshin.daa.jp/06kusanagi_0923.htm
本当に、興味深い伝統花火。

是非、リンク先をじっくり楽しんで欲しいと思う。



草薙大龍勢は、9月23日。

呼び出し、口上、点火、打ち上げ、落下傘と変化、ワクワクする。
全国から観客がやってくる。

昼の部の打ち上げ皮切りは、1時半の予定。

明神流の龍勢は、4番目。2時の打ち上げ予定だ。


*明日は、明神流を継ぐ、草薙奥支部2組の皆さんに聞いた話を紹介の予定。


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2 コメント

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ありがとうございます (a.taki)
2007-09-19 01:36:36
明神流の滝です。記事にしていただいてありがとうございます。

龍勢の製作も、後は打ち上げ前日22日と当日23日の朝のみとなりました。
22日の作業は打ち上げの成功失敗に直結する最も重要な作業です。

打ち上げ成功に向けて最後の最後まで努力する所存です。
応援よろしくお願い致します。
滝様、考えたらば、 (本人)
2007-09-19 01:54:37
龍と滝、名前が既に運命ですね!!

天候も十分となりそうです。
楽しみですねえ。
これほど「打ち上げ」ということが楽しみな花火、初めてです。
全国から大勢ファンが来そうですね。

皆様の成功を祈っています!!

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