「ガソリン税は高いか?安いか?」

2008年03月25日 | 道路・ガソリン
最近、事あるごとに耳にし、私も疑わなかったフレーズがある。
「日本のガソリン税は、高くない。欧米諸国と比較すれば、安い。」
皆さんも、どこかで聞いた事ないですか?

先日、出席したトンネルの開通式でも、自民党の某議員は、やはり「日本のガソリン税は高くないんですね。むしろ、諸外国と比べたら安いんですね。特定財源だからこそ税率は安く抑えられている。」と仰られていました。

このフレーズは、多くの自民党議員が使われております。(このガソリン税の安さにHPで言及されている議員もいらしゃいます。)
町村官房長官も以前、パネルを持ち出し、そのような事を記者会見で仰られていたと思います。

私も国土交通部会で配布された資料(たぶん、国交省が用意したもの)の中に、「ガソリン価格と税負担の国際比較(2007年4月~6月)」というものがあったので何も疑わず。「うん。諸外国に比べてガソリン税は安い。」と思っていたのですが、調べたら、これには隠された真実がある事に気づかされた!

日本と諸外国のガソリン価格・税負担額の比較を行うと、日本の税負担は44.6%、イギリス・66.1%、ドイツ・63.9%、フランス・62.7%と決して高くはない。むしろ安いといえるだろう。政府によると、OECDの29ヶ国中(アイスランドを除く)、日本の税負担率は24位で6番目に低いのだ。

これらを根拠に政府も自民党の議員も「ガソリン税は安い。」と言っているのですが、実は、このデータはガソリン独自の課税(揮発油税等)と付加価値税(消費税)を区別していないという盲点があります。特にヨーロッパ諸国は非常に高い付加価値税を課しているためガソリンに占める税負担が高くなってしまう。

付加価値税を除いて、ガソリンにかかる税のうちガソリン独自課税の割合で比較いたしますと、日本・89%、イギリス・77%、ドイツ・75%、フランス・74%と、日本は29ヶ国中一番高いガソリンン独自課税を課している国になってしまいます。

よって、特定財源だから税率が安く抑えられているという議論も成り立たなくなってしまいます。このようなトリックを使った説明に騙されて、何も知らずに役所のいいなりで「日本のガソリン税は高くない!」と主張する議員がいるんだろうな。

私も、そう思っていた一人なので反省しなければなりませんが、何も調べずに知らないままの議員もいるだろうから・・・。配られた資料を鵜呑みにするのではなく、疑いの目も持ち、独自に調べていかねばなりません。

このようなガソリンにのみ高率の間接税を課している税制では、車が必需品の地方がかわいそうな感じもします。

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2 コメント

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他の人のことを言う前に・・・ (たこ)
2008-03-25 22:13:19
他の国会議員の批判をする前に、暫定税率問題について何ら修正協議にも応じず、国民生活と地方財政を混乱に陥れることを人質にしてまで、政権をが欲しがる政党をなんとかしてほしいものです。民主党には少しは期待していたが、昨今の様子を見ると、とても政権を任せる気にはなれない。空理空論を言ってばかりいるのではなく、もっと現実を見て冷静な判断をして欲しい。これでは、何でも反対の万年野党となんら変わらない。

Unknown (saru)
2008-03-27 00:02:51
どうして民主党は租税特別措置法の審議におうじないのですか?衆議院であれほど審議が足りないと言っていたのに・・・・。わけがわからないのですが・・・