ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

暗幕のゲルニカ / 原田マハ

2018-08-27 | 本 女性作家


  暗幕のゲルニカ

  原田 マハ 著     新潮文庫 / 2018.7




  ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。
  MoMAのキュレーター八神瑤子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。
  故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。
  ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑤子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。
  怒濤のアートサスペンス!





お話は、少し感傷的ではありますが、とても面白かったです。
ピカソの時代と遥子の時代の入れ替わりのタイミングもよく、特に、ピカソの時代は、参考文献の多さから見ても、リアル感があったと思います。

お話は面白かったのですが、私は遥子が苦手でした。
主人公が苦手ではどうにもならない…(笑)。

そして、もう一つ、パルドが架空の人物ということで、一気にシラけてしまいました。
パルドとルースの、まるで時空を超えたかのような存在感がこのお話を支えていたと思うので、最後の最後に注釈を目にして、思わず失笑(自分に)してしまいました。

ドナが生んだと思われるピカソの娘、そして、その子供(ピカの孫)を見守ってきたであろうパルド。
抜かりのないパルドらしくないと言いますか、ドラがピカソからもらった鳩の絵をパルドから預かっていたということは、パルドはドラの孫と関わり、見守ってきたはずなのに、どうして危険人物と結婚させたんだろう?と思いました。

本物のゲルニカが暗幕をかけられ国連ロビーに…というラストも含め、とにかくリベラル色が強かったのが鼻につきました。
あ、でも、お話としては面白かったです(笑)。

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