ただ自分の声が聴きたくて

毎日(できるだけ)つれづれなるままに^^ 
うつと本に向かい合うiyuk改め「かぷ」ワールド。

★ 過去8。

2006年03月31日 05時28分02秒 | ♪ すごした時間
 おこんばんは~。いえおはよう?iyukです。
睡眠薬を大量に取ってるにもかかわらず、
まっっっったく眠れません。
なので書いてしまいました。続きです。




 宮川妙は仮名カズさんと付き合っている!

 それは8月。
いきなりの噂が流れ始めた。
彼氏がいることを知っていた私は鼻で笑ったし、
妙も鼻で笑った。

 確かに妙とカズさんは仲がいい。
でもそんなの、通っていれば他の人とも仲がいいのは見えて来る。
私だってほぼ毎回話していたし、
他のファンも仮名ダイさんと仲良く話していたり
各々のメンバーと話せる出待ちの時間を心待ちにしていた。

 妙はある日カズさんにTシャツのプレゼントをした。
公式に売ってるブロマイドを改めてPCでデザインして、
それを無地のTシャツに特別な塗料でプリントしたものだ。
カズさんはプレゼントされたTシャツをよく着るので
何度かそれをみたことがある。

 ちなみにファンからの手紙が多いように、
プレゼントも少なくない。
特に誕生日はたくさんのプレゼントでいっぱいになる。

 それと「ブロマイド」というもの。
一昔前のアイドルを彷彿させる方も多いかもしれないが、
どのバンドでも売っていて、バンドの収入源には欠かせない。
衣装をめったに変えないから(その時のコンセプトで衣装を作るので)、
変えた時にまた新しいブロマイドが発売される。

 TシャツをPCで作れるとは知らなかったから、
率直に凄いと思った。
「いいね」って言ったら「iyukぷーのも作ろうか?」と気軽に言う。
嬉しくて飛び上がった私は是非にとお願いして、
妙にプレゼントしてもらってよく着た。

 Tシャツ前面にカズさんの顔がモノクロで載っていて、
所々直線に引かれた線が平行、垂直に描かれて
パッと目にはカズさんとはわからない。
それがまたよかった。

 噂が広まったのはそういうのもあったのかもしれない。
仮名キンさんファンの妙がカズさんのをカズさんに贈ったのだ。

 妙は馬鹿らしいと否定したし、
私も分かっていたから気にもかけなかった。
それも噂の出所が佐奈付近だと言う。
もともと仲は良くない二人。
妙の評判を落とそうとしてやったのは明確だった。

 気にしないでライブに足を運んでたけれど、
それと比例して「付き合ってる」噂も有名になっていった。

 妙の存在はファンの中でも大きかったし特殊でもあった。
毎回最前列のど真ん中を金髪のファンが通う。
他バンドメンバーや他バンドファンも妙の存在は大きく知られていた。

 ところで、バンドに通うギャル、略してバンギャルというのの中に、
「食う」目的の女がいる。
メンバーを籠絡させて「寝る」女だ。
そして「私は誰某と関係がある」などと吹聴する。
人気が高いほど、「食った」女のプライドも高い。
だが、「食われた」メンバーはというと一気に評判が落ちる。
「そんなバカな手に乗って……」と軽はずみだ、となるのだ。

 妙の噂の中にそういうのもあった。
つまり、カズさんを「食った」んじゃないかと。

 じわじわと広がった噂はバンドの客足を遠のかせ始めた。
まずカズさんのファンが急速にいなくなった。
見るからに少ない。

 バンドのリーダーでもある仮名ダイさんにも苦情がいった。
ダイさんの人気は相変わらずだったが、ステージから見れば
客の数は一目瞭然で、上手から下手にかけて、
皮肉にもうまい具合に斜めにファンが減っていた。

 出所が佐奈付近らしいと予想をつけたところで
証拠があるわけでもないし、
火のない所に煙は立たないともいう。
カズさんと妙が仲がいいことは事実なのだ。
出待ちに二人きりになって話したり、よくある姿だった。
……そういう時は誰もが割って入ることが出来ない。
妙という大きな存在と、楽しそうな雰囲気に誰も入れない。
妙は仮名キンさんのファンだ。
そしてそれが有名だったから、煙が立ったのか。

 ダイさんは前から妙の存在に手を焼いていた。
目立つ存在でもあったし発言力もあったからだ。
そういう意味では佐奈に対しても手を焼いていただろう。
ただ、佐奈はHPを私設とはいえ運営していて、
たまにダイさんが宣伝のために顔を出す時もあって、
そして妙と違い、佐奈は入り待ち出待ちに興味が無かったから
(純粋に音楽が好きだったといえる)、
どっちかといえば妙の行動の方が目の上のたんこぶだったろう。

 そして一か月後。
客足がすっかり落ちた彼らのリーダーは、
決意して妙に告げた。

「ライブにはもう来ないでくれませんか」


 異例の、リーダーからの出禁だった。
……妙は頷いた。頷くしか、なかった。


続きます。



★ 過去7。

2006年03月30日 14時18分47秒 | ♪ すごした時間
 こんにちは、iyukです。
長いですが続いています。


 妙はよく見ていると一人だ。
佐奈はHPの管理人でもあるから周りに友達がいっぱいいる。
妙もいつも通っているのだから、当然知り合いが多い。
多い。と思ってたけど、
友達になってみたら一緒にいるタイプの友達がいない。

 佐奈はどうやら妙が嫌いらしい。
佐奈とずっと前から来てたお友達も、妙のことは気に入ってないみたい。
昔からのファンだし、お互い先駆者的なプライドがあって
微妙なのかな?と思ったりした。

 ま、女同士色々あるよね。
と、私は皆と仲良くしていた。
最初は先輩ファンと思って遠慮してたのも、
一年も経てば慣れたもので、バンド常連の結束の強さがあった。

 ライブを見に行くのは当然だけど、
常連のたくさんの友達に会えるのも楽しみだった。

 一年通っていれば、
私がカズさんファンというのも周りは当たり前に認識していて
常連だったし、話も通じやすかった。

 幸い他のメンバーのファンみたく、
カズさんファンは大人しいファンが多くて、
ファン同士の嫉妬や妬みもなかったし、
大勢の皆と仲良く出来ることが嬉しかった。

 入り待ちはあまり出来なかったけれど、
出待ちはほとんどの会場で妙と一緒にいた。
妙はキンさんのファンだけれど私とカズさんと話すことも多くて、
とりわけ昔からというのもあってカズさんと妙は仲がよかった。

 出待ちを妙としている時、色々話した。
「妙さんゴルチェ大好きだねぇ」
妙はいつもゴルチェというブランドに包まれていた。
大抵バンド常連はゴルチェかビビアンは通る道じゃないだろうか。

 妙とプライベートで渋谷にあるゴルチェ店に行ったこともある。
「私、常連の友達とプライベートで遊ぶの初めてだから新鮮」
と彼女は言っていた。
「そうなの?でもそれって嬉しいな」
妙との時間は楽しかったから、私的に会えるのも宝物の時間だった。

 渋谷のゴルチェに行くと、何とまあ店長さんと仲がいいという。
「楽しい人だよ」
ンマー、会ってみるとホントに楽しい人だった。
鼻歌うたって飛び回りながらスタッフ室に入っていったりする。
ぴょんこぴょんこ。
「あら妙ちゃんお友達?」
可愛い店長さんともお話しして、
私はそのときお台場のゴルチェによく通っていて、
偶然ながら店長さんと仲良くなっていたのでそのことを話してみる。
「研修でよく会うし仲いいよ~♪」と渋谷店長。
やっぱり仲いいんだな。
話があえたことにホッとする。

 その後は適当にマックに入ってお食事。
「彼氏がね~」なんて話し出す妙に、つい
「妙さん彼氏いるの?」なんて返してしまった。
というのも、失礼なことだけど、
常連はバンドが好きだから、彼氏がいる人って聞いたことなかった。
彼氏がいたら毎回ライブにくる時間もないだろうと
結構思い込んでいたから。
「いるよ」笑って返す妙。
へぇ~珍しいな~なんて思った。

 実家暮らしなのもその時知ったな。
「そうじゃないとこんなにゴルチェ買えないよ(笑)」
そうかも。いや、確かに。
私も実家だったからゴルチェ買えてたし。

 関係ないけれど、あの時私がゴルチェで買ったものは
帽子、スカート、セーター、財布、バッグ、コート、コート。
コートのことは後に記事にしますね、ちょっと特殊だったので。
まあゴルチェは他の有名ブランドに比べたら小物は安いし、
実際COACHのお財布の値段見た時、この差はなんだ!と思った。
ゴルチェはオシャレだし、小物は良心的。
バンド好きな人は誰しも一アイテム持ってたでしょうね。

 仕事の話を聞いてみると、フリーのCGデザイナーだという。
学生の頃からスカウトが来て既に仕事と勉強を両立していて、
噂では10回あるソニーの入社試験や面接も
たったの2回で採用が決定してソニーに所属していたみたい。
「HPも作れるけど、今は佐奈がやってるしね」

 「彼氏とは車で迎えに来てもらってデートかな」
なんて話もしてた。
いいなぁ車持ってる彼氏。
イヤ免許持ってる彼氏。
ドライブ好きな私にはそれもあこがれだった。

 そう、妙には結構あこがれてた。
バンドをよく知ってるし、メンバーともおくさないし、
きれいだし、話は尽きないし。
一緒にいるととっても楽しいし。
色々な友達がいたけど、妙は別格だった。



 そんな妙に、ある日衝撃的な一大事件が起こった。


続きます。



★ 過去6。

2006年03月29日 13時07分59秒 | ♪ すごした時間
 こんにちは、iyukです。


 どこにも行った。
目黒。渋谷。池袋。高田馬場。町田。浦和。大宮。関内。
仮名ネズミーランドに勤務していた私は
仕事が終わると大急ぎで駆け付けた。

 もうそうなると最前列の交渉なんて出来ない。
追っかけてる間に急速に仲良くなった友達が先に行って
待っててくれることが多くなった。

 一年も通っているうちに、先輩ファンが卒業していき
私たちが中心になってライブに行く機会となった。
それでも残ってくれたのは仮名佐奈と妙。
この二人はいつまでも、彼らを応援していた。

 妙がど真ん中で最前列なのはいつまでも同じだった。
ゆっくり来て「ありがとう」と決まった位置に行き
ボーカルの仮名キンさんを見上げる。

 佐奈はそのうち、最前列じゃなく
その後ろにある柵が定位置になった。
二番目にある柵だから、通称二柵。

 彼らのライブは時に激しく、曲のタイミングで
客がステージに向かって走って飛ぶ、という通称逆ダイが多かった。
バンドのメンバーが客席に飛び込むのをダイブという。
それの逆バージョンなので逆ダイブ。略して逆ダイ。

 客席には当然最前列をとってる人がいる。
逆ダイはつまりその人達に勢いつけて走ってぶつかるようなもの。
最前列には鉄製の柵がある。
飛んでくる人の衝撃を受け止めるのは最前列のファンだ。
そのため物凄い勢いで飛んでくる人と鉄製の柵でサンドイッチになる。
結果、最前列は痣だらけ。
飛ぶ人は人間に当たってるからほとんど無傷。

 それでも最前列は譲れない。
一番前で見る幸せは何ごとにも変えがたい。

 私の定位置は必ずカズさんの真ん前になっていた。
先輩ファンが卒業して、いつも二列目だったところから
アップしたのだ。

 正直、逆方向に立っているリーダーのギター、
仮名ダイさんの人気は凄いものがあった。
ダイさんの最前列定位置のファンはほとんど変わってなかったものの、
その場を守るためにはダイさんファンの方が必死だった。

 ライブハウスというのは、全て立ち見なので
確定の居場所というのは存在しない。
気になるメンバーの方へ行って見ればいい。

 そのため、大人気のダイさん側の人数は凄かった。
イコール逆ダイも恐ろしい人数が飛び込んで来る。
一番後ろから走って飛ぶ人もいた。物凄い勢いだ。
ダイさんの最前列ファンの揉まれ方は可哀相な程だった。

 考え方によっては、最前列を取れなかった悔しいファンが、
最前列を攻撃するために、逆ダイをすることも当たり前だった。
酷いと逆ダイの勢いが、縦じゃなく横方向に及んで来る。
本来縦に押しつけられる逆ダイが横からくると騒然となった。

 ダイさんはリードギターでカズさんはサイドギターだったから
ダイさんファンより逆ダイの被害は少なかったと思う。
なかったわけではないけれど。

 その点、二柵固定の場所を選んだ佐奈は被害がなかった。
逆ダイはステージに向かってされるので、
二柵は後ろすぎて飛びこんでくる人なんているわけがない。
誰にも邪魔されないから好きに暴れられる。
ナイス選択。

 次第に彼らは「逆ダイ出来るバンド」としてお客に有名になった。
業界ではダイさんのギターの早弾きがレベル高いと評判になった。
人をどんどん集めていった彼ら。

 ンマー、逆ダイ目的で来る人がこんなにも多いのか、
と思うほど人が集まって来ては「飛んで」くる。

 当然最前列で見られないから、3列、4列とファンが集まる。
そしてその後ろから人が「飛んで」くる。
4列目のファンは前に倒れ3列目にぶつかる。
3列目は2列目に。2列目は最前列に。
最前列は全ての重みと痛みを受け止める。

 最前列にいる固定ファンはもう確実に飛んでくるのを覚悟している。
いつものことで当たり前のこと。
だけどそれを知らない4列目なんかのファンは
突然凄い勢いで「飛んで」こられてあまりの衝撃に苦情となる。

 このままでは一見さんや大人しいファンの客足を遠のかせてしまう。
彼らは「飛ぶ」なら、上に飛べ、とアピールするようになった。
ほとんどのバンドは逆ダイ当たり前で、またそれを煽るのだけど。
彼らも一時煽ってたんだけど。
どうやらお上品なファンが多かったみたいだ。

 ライブハウスというのは、
前で見たけりゃ痛みを覚悟しなきゃいけないところ。
大人しく見たいか、好きに暴れたいなら
佐奈のように後ろにさがって見るのが暗黙の了解。

 だけどそれがまかり通らないくらい、
一時ファンが増えたのだね。

 それでも私たちは最前列をいつもキープしていた。
痛くても、痣ができても、当たり前。
カズさんの目の前。
彼が煽って来る時の顔の近さはかなりなほど。
目も合わせてくれる。
生の声が聞こえる。

 今じゃ前に行く元気なんて全ーーー然ないけど、
あの時は夢中だった。
ライブハウスの「何でもあり」というのは
あそこで全部学んだ。
ライブの楽しみ方も。
そして人間関係も。


続きます。



★ 過去5。

2006年03月28日 14時56分31秒 | ♪ すごした時間
 こんにちは、iyukです。
相変わらず続いています。

 アイドルによく見受けられる入り待ち出待ち。
これはアイドルに限らずどこにでもあるものです。

 入り待ち。
会場入りするメンバーを待つこと。
出待ち。
ライブが終わって会場からメンバーが出て来るのを待つこと。

 芸能人レベルなら「ちらり」と車から出て会場入りするのが見える、
それだけでもいいから入り待ちをする。

 でもインディーズのバンドなんてたかがしれたもんです。
かなり人気と認知度が高い場合は置いとくとして(つまり売れてる)、
売れてないバンドは、時として逆に出て来ます。

 これは営業です。
衣装&メイクをしてうろついている人もいれば
特別なにもせず外に出て来てファンと話す人もいます。

 メインはやはり「出」の方でした。
ライブが終わって、アンケートを書いて
メンバーが機材を片付けに出て来るのを外で待つ。

 最初は興味が無かった入り待ち出待ちでしたが、
ライブ友達が出来て、自然とするようになりました。

 私は音楽が気に入って、そのバンドにハマっていた。
それに今まで好きだと思ったバンドは
売れ始めのLUNA SEA、売れ始めのラルク、売れ始めのGLAY。
段々ホールライブが満席になるあたりの人達を見ていた。
だから最初から、
彼らのことも「手が届かない人達」だと思っていたんです。

 だけど、違った。
私が体験したことは、手紙を出すと返事が来る。
携帯番号教えたら電話がかかってきた。
プライベートでドライブに行った。
ライブの距離も、とても近い。
メンバーとの物的距離がライブハウスはとても近い。

 近い。近い。こんなに近い。
今までホールで体験した遠さが当たり前だったのに。

 すき。すき。音楽がすき。ビジュアルもすき。メンバーがすき。

……カズさんがすき……

 メンバーを、人としてすきになってしまった。
秘密で。
あくまで「ファン」でいようとする。
そういう素振りを全面に出す。
だけど心の中では「欲」がでる。

 直に手紙を渡したい。
一度でもいい、声が聞きたい。
笑顔が見たい。

 一生懸命だった。
そして、そんな欲から、
私はほとんどのライブに通い、
そうすると同じくらいの歳のライブ仲間が出来て、
仲間と、ほとんどのライブで出待ちをして、
勇気を振り絞ってメンバーに近付く。

 私の出待ちデビューは先輩ファンの妙さんに支えられて。
妙さんは結成前から彼らを見守っていて、
特にボーカルの仮名キンさんにぞっこん。

「誰がすきなの?」
「カズさんです~」
「そうなんだ。あたしはキンさんなの」

 妙さんという先輩ファンと交わせた言葉。
もう妙さんは出待ちなんて簡単。
メンバーに近付いて話しかけるタイミングも簡単。

「あ、いたよ。カズさんトコ行こうか」
「えぇっ!?無理ですう!」
内緒だけどドライブしたあとのことだから、
どんな顔してどんな会話していいのか分からない!!
「平気平気、紹介してあげるから」
紹介っていうか……うぅぅん。

 公式の場で初めてお声をかけてみる。
「初めまして……でいいのかな?
何とも言えない笑みを浮かべるカズさん。
妙さんは慣れたもの。
「カズくんさぁ」と色々話してる。
カズ「くん」。そうかーくんなんだなぁ、何か、凄いな。

 そうしてるうちにカズさん本命の先輩ファンが来る。
「カズくーん」
ここでも「くん」!
さすが立上がりから見てる人達は違いますね。
遠い世界のバンドマンに直接「くん」付けはあちしには出来ない!

 公式の場のカズさんを見られて、それだけで満足。
気付けば妙さんはボーカルのキンさんに話しかけに行ってる。
「キンさん、お疲れ様でした」
キンさんには「さん」付けなのか!
やっぱりファンてそういうものなんだなぁ……。

 妙さんにとってキンさん以外はお友達感覚。キンさんは特別。
いつも最前列のど真ん中で見てる人も、特別は特別。

 何せこういう、舞台にいる人を目の前にするというのは初体験!
もう信じられない世界。
さっきまであんなに堂々とステージに立ってた人達が、
こうやって話してくれたりするなんて。

 私にとってはLUNA SEAのRYUICHIが目の前にいるようなものです。
バンドマンが行動、発言することは「信念」に基づいていて
軽い行動はしない。
これが私の中の絶対的思考。

 「バンドマンだから」
私はこの考えがずっと根底にあって、それで行動していました。
だから、ドライブなんかは物凄い事件だったのです。
心の中に物凄くそのことが刻まれた。
いつまでも。いつまでも。ずっと。

「iyukって呼びにくいなぁ」とカズさん。
「じゃあiyukぷーって呼べば?あたし、そうだよ」と妙さん。
「それはいいかも。おーいiyukぷーiyukぷー」
もう、ドキドキが止まらない時間。
カズさん。カズさん。カズさん。
親しくしてくれる。嬉しすぎる時間の流れ。

 好きな人が目の前にいる。
自覚してない追っかけ生活が始まりです。

続きます。



★ 過去4。

2006年03月26日 17時02分50秒 | ♪ すごした時間
 こんにちは、iyukです。

 ファンサイトってどのバンドにもあるのですね。
インディーズの場合オフィシャルHPは少ないかもしれませんが、
ファンサイトというのは必ずあります。
公式ではないので写真などはもちろん載せられませんが、
今まで「お気に入り」だった先駆者のファンに
掲示板でご挨拶してまぜてもらう。
今までの情報も教えて頂けるし、
みんなお気に入りを広げようとしているから
初心者ファンにも優しくしてくれる方が多いです。
無論、礼儀を忘れてはいけません。
ファンサイトを運営してるだけにバンド立上がりの時からの
ファンもいます。

 佐奈(仮名)のサイトもその一つでした。
というか彼らのバンドのHPは佐奈のサイトしかありませんでしたね。
自ずとみんなそこに集まって掲示板でお話してました。

 初めてこのバンドに会った経緯を書いて、
お仲間にいれて下さいと書くと
こちらこそ、と受け入れて下さり、毎日そこに通う様になりました。

 主に書き込んでいたのは管理人と、宮川妙。
宮川妙は「tae」という名前で書き込んでました。
佐奈は「sana」。
後はその人達と仲のいい人が書いていたり。
ご挨拶を見ていると、妙さんはライブで、
ほぼ真ん中の最前列が定位置となってると言っていました。
ボーカルのファンなのだそうです。

 そう書いて下さって、
「真ん中の金髪ですので気軽に声をかけて下さいね」
と教えて下さるのです。

 でも最初はライブに行っても前に行く勇気はなかなか出なくて
(ファンに紛れるのも勇気がいるし、何たってメンバーが近い)、
後ろでばかりみていました。

 ネットでご挨拶しても、先輩ファン様に
実際に顔を会わせるまでには、かなりの時間がかかりました。

 真ん中の金髪……あの方が妙さんかな……と思うだけで
独特の雰囲気がみなさんにあるのでなかなか近付けません。

 そのうち、HPで初心者が多くなっていって、
ライブでも微妙な位置にいながら、でも確実にファンだろうという
女の子たちがちらほら見えて来て、
お互いに声を掛け合って初めてお友達になりました。

 集団になると不思議と勇気が出て来るもので、
佐奈とも妙さんともお声がけをしてみて、
わあよろしく~と顔見知りになりました!

 古株のファンのみなさまは、みんな彼らバンドの
立上がりから見て来た人達。
前に所属してたバンドからファン、というのが妙さんで、
もしかしたら一番の古株だったのかもしれません。

 こうして何とか昔のファンの方々とお知り合いになっていき、
ちょっと中学時代の先輩後輩みたいな感じで、
たとえ自分が前の方にいても、古株のファンの方々が来たら前を譲る、
などの行いが普通になってきました。

 こちらはまだ初心者という遠慮があるし、
先輩ファンの方々は存在感もあるし、
「場所とっておきましたー!」
「あらー!ありがとう」
というやりとりが普通でした。

 もちろん仮名カズさんの先輩ファンもいらして、
私たち(仲良くなった友達にはカズさんのファンがいた)は
早めに最前列に並んでは、
他のバンドのライブ中にいらした先輩ファンに場所を渡し、
仲良くなっていくにつれて、その人の後ろで見る勇気が出て来たり、
近くにいるのに段々と慣れていきました。


 こういうインディーズのライブというのは、
小さなライブハウスで5バンドの対バンというケースが多く、
ライブハウスで最前列をとるには、
チケットはぴあなどの機関ではなく、会場とバンドが売っています。
整理番号順なので、会場に早くに行って早い整理番号をゲットし、
入場時間まで時間を潰して、
入場となると急いで中に入り、
お気に入りのバンドの時には最前列を明け渡して貰う約束を
ファン同士でやりとりします。

 既に自分たちのお気に入りのバンドのファンが
最前列の交渉をしていたらアウトです。
成功した場合には最前列にある柵に
「ここはもう場所とってあります」という紙を貼って
自分たちのお気に入りが出て来るまで各々好きに過ごします。

 自分たちのバンドを最前列で見たいがために、
他のバンドがやっている時にも最前列に居続けるのは
全く得策ではありません。
他のバンドを目当てで最前列で見たい方もいらっしゃるし、
本当のファンでないならその方達に譲るのが
お互い(バンドにもファンにも)にとって一番いいことで、
また、大抵対バンというのは他の日にも重なる場合も多いので
他のバンドのファンで最前列キープしてる人達とお友達になっておけば、
お互い顔を見ただけで「OKOK!」とすんなり話が進むものです。

 なるべく敵を作らずに
ファン層が女性が多いという雰囲気でうまくやっていくには、
こういった色々な暗黙の了解があるものなのでした。

 上手く勝ち取れたらホクホクです。
そして途中からやってくる先輩ファンに最前列を進めます。
佐奈は上手、妙さんは真ん中。必ず決まっていました。
毎回毎回。そこは定位置でした。
必ず、その場所には誰も立たず、
本人がゆっくりくるのを待つのです。

 そして皆はライブの時にファンレターを持って来ます。
私もいつも持って行ってました。
印象を与えるためにいつも同じ便箋に封筒、
そしてiyuk特製いたずら書き(ちょっとしたイラスト)。
これでも便箋と封筒にはイギリス王室御用達のものを使っていたり
結構お金かけてましたな。
その甲斐があって、印象に残り、
お電話やドライブという僥倖があったわけです。

 他のファン(それも古株の)を知っているだけに
電話やドライブ、あの、手の、熱……。
特別なものに思えて、私はすっかりはまりこんでいました。

 他の人とどう差をつけるか。
そうしながらもどれだけファン同士仲良く出来るか。

色々な思いが、様々に積み重なるのがバンド。
そしてライブハウスなのです。

続きます。


★ 過去3。

2006年03月25日 20時23分43秒 | ♪ すごした時間
 こんばんは、iyukです。
続いています。


 助手席に、どうぞ、とすすめられて
どうも、と乗りそろそろとドアを閉める。

 頭の中は
仮名カズさんだーカズさんだー顔が違っても声は聞き慣れたカズさんだー

「すっぴんでがっかりしたでしょ」
さっきから「すっぴん」と言っていたのはカズさんでした。
何故なら彼らのバンドはビジュアル系だったから。
いやっ!乙女には脳内変換という素晴らしい技がありますので!
……ていうか、ご本人なのが大切なのだから
すっぴんとか関係ないんです!ダンナ!

 と、思いながらあまりの僥倖に体が震えていました。
ゆっくりと車を走らせて国道へ入り、
「車運転出来る人はかっこいいね」
なんて言いながら空いてる国道を走ります。

 変な話、どこでも連れてって!だったんだけど、
まあそういうわけにはいきませんわな。
時というのはとても短く、
どこかのお店の駐車場でUターンして家までつけてもらいました。

 さ、おりてね。とは言えないのが営業バンドマンでしょうね。
そう、これは営業。

 でもiyuk、この時、営業でここまでやるなんて
思ってもみなかったのです。
別にカズさんが、私を好きなわけではないと、それは思ってました。
だけどここまでされた。
……期待してしまうのが人間ではないでしょうか……。

 私はなかなか車をおりられませんでした。

 「手、手が震えてるよ。まだ信じられない」
「ホント?」
グッと手首を持ち上げられて包まれる。
カズさんの、熱。
さっきまでギア握ってたカズさんの手。
ふ、って笑う。「震えてないじゃん」
「そうかな、でももう心がね、心がね、震えて……」

 もっと一緒にいたい。
何か話題がないか探して。
なんとか会話を長引かせて。
もうこんなことは起こらないだろうとほぼ確信しているから。
二人だけの時間が、もう二度と来ないと感じているから。

 自然と涙がでてきてとまりませんでした。
もっと一緒にいたいけど、ダメなんだよねって。
彼も困った顔して無言で前を見ていました。
「そういえば、さ!」
奥からゴソゴソしてるカズさん。なに?
「ファンのコが写真撮ってくれたアルバムがあるのよ。見る?」

 ライブハウスは特別なことがない限り
バンドたちの対バンの時など、写真撮影OKです。
ホールクラスのアーティストしか見てなかった私は
最初結構びっくりしました(ホールクラスは撮影絶対禁止)。

 うわぁ。生のカズさんがたくさんいます。
イヤ一番生のカズさんは目の前にいるんだけど、
ライブの時の顔しか、知らないから。

「こうやって送って貰えるのは嬉しい?」
「自分じゃどう見えてるか分からないからね。
ネタで凄い白目むいてたりする写真も貰うけど(笑)
なかなかくれるファンのコもいないから嬉しいよね」
そっか。じゃあ私も今度撮ってみようかな。

 長引かせてごめんねって車をおりる。
まだ夢見心地。
お台場からなんでこんな千葉まで急に来てくれたの?
電話もなんでしてくれるの?
お手紙書くと細かく何度もお返事がくれるよね……。
さっきの手を握られた熱。ひょいってあたしの手をとった。

 あたし、ファンじゃなくなっちゃったよ。
抱いちゃいけない思いを抱いちゃったよ。
期待しちゃうよ。
期待しちゃうよ。

 あなたが、すきだよ……。

 最後まで、ハザードランプをチカチカさせて
ありがとうに応えてくれて、
車は静かに去って行きました。

カズさん……。
想いがつのってどうしようもないよ……。

続きます。



★ 過去2。

2006年03月24日 14時15分35秒 | ♪ すごした時間
 こんにちは、iyukです。

 続きです。

 仮名カズさんから、
まさかバンドマンの人が、
遠い手の届かない人からの電話でした。

 間違いじゃない。確実にカズさん。

「ど、どうされて……?」
「いやどうしてるかと思って」

そんな理由で軽々しく電話しちゃだめですよーー!
電話しながら煙草を咥えて「フー」と吐く色気。

 ご期待に添えられず私はどんな会話をしたのか
舞い上がって覚えてませぬ……。
でも夜が明けるくらい長電話をしました。
長すぎたくらい。
調子に乗り過ぎました。

 思えばカズさんはチケット予約係りだったのです。
お客と話すのも営業だったのでしょう。
それが、初めての世界の私には看破出来なかった。
純粋に嬉しくて楽しくて気付く思慮深さがなかった。

 携帯を非通知にしないカズさんは、
自然と私から掛けることも多くなっていきました。

「いまどこにいるの~?」
「お台場だよ。そこから帰るとこ」

 その時私は実家の住宅街の奥に住んでました。

「そういえば千葉だっけ?」
「うん、そうだよ。逆方向だけどね」
「いや、今、方向転換しちゃった。今からそっちに行くよ」



「行くよ!?」

来る!!
こ、こんなこと有り得るの!?
バンドマンがあたしの家にドライブしに来る!!
それももう皆寝静まる時間に!
なななな何が起こってるの!!
ありえるのーー!?
「あぁでもすっぴんだからがっかりするかもよ」「しないよ、そんなこと」

 住所だけ頼りに来ようとしてるカズさん。
時たま電話してバスの看板見て「それ逆!」と
言ったこともあった。

 とにかく近い。
遠いはずのバンドマンが、こんなにも近い。

 複雑な思いでいた。
楽しみな気持ち。恐れ多い気持ち。

 そして家の前に、カズさんの車が止まった。
お台場から引き返して来たカズさんの車が。

 ……乗り込む。
確かにすっぴんのカズさん。
だけどここまでしてくれた。なんで?どうして……?

戸惑いながら、夜中のドライブが始まりました。
続きます……


★ 過去1。

2006年03月22日 14時55分39秒 | ♪ すごした時間
 こんにちは、iyukです。

 過去に「自由奔放」という意味のバンドがいました。
ドラムがいない4人構成で、
ボーカル、リードギター、サイドギター、ベース。
ドラムはリーダーが打ち込みを作っていました。

 サイドギターの人が!イノランのギター使ってる!
遠目でもイノモデルはすぐにわかり
私はあっという間にファンになってしまいました。

 そこからネットでファンのHPを見つけて
夢中で書き込みをして皆さんによろしくお願いしますとご挨拶。

 ライブの時に会場でお会いして
ますますよろしくお願いしますとご挨拶。
すぐに分かるくらい、近くで分かりやすかった、
狭いライブハウスなんですね。

 最初は遠くから見るだけだったバンドも、
HPで交流して徐々に常連さんと親しくなり
近付いていって近付いていって……2列目までに。
舞台が近い!お目当てのメンバーが近い!わあわあ大興奮でした。

 お気に入りのバンドマンは下手(しもて)にいる仮名カズさん。
イノモデルのギターを持って演奏していた人です。
LUNA SEAのイノラン好きな私にはたまらなかったのです。

 もちろん音楽も良かったんですよ。
面白かったのは曲のあるサビになるとメンバーが一斉に左右に揺れる振付。
軽やかに重心を右、左、と動かして横に揺れます。
それまで普通に各々演奏してたのにサビでの一体感は面白くて
ますます楽しく……次回が楽しみに見に行くようになりました。
当時はそれが新しかったんです。
今のインディーズでは当たり前のようにやっていますが。

 久しぶりに、楽しかった思いを紙にのせて書きました。
メンバーの誰かに届け!と。
私が好きなアーティストはもう大きくて
返事なしが当たり前でしたし、私もそのつもりだったから書かなかった。
でも今回は気持ちだけでも!と思って書いてみた。

 そ、そうしたら数日後、当のカズさんからお返事が!!
うわあうわあとその日は足が宙に浮いていました。
メンバーのリーダーはダイさん(仮名)という人なので
もし返事がきたとしてもその人からだと思ってました。
それかスタッフ様か。
私は「バンド」に手紙を送ったので、
個人から頂くなんて予想もしてなくて。
それもファンのカズさん!驚き!嬉しい!驚き!

 驚いて、あと切手代を出させてしまったので
返信用の切手の申し訳なさと嬉しさをすぐお返事しました。
色々なことも書きました。
その頃は私はネズミーランド(仮名)で働いていたのでそのことなど。
カズさんもその度その度お返事をくれました。

 私はとても舞い上がってしまい、
これはホント気持ちとしては特別な思いはなく、
「何か力になれたらね」程度の気持ちで、
私の携帯番号を書いたのです。
かかってくるわけないし、遠い人に数字の羅列を見られても
何の危険も感じなかったし……ホントに軽い気持ちで。

 次の返事。

「じゃあ力になってもらおうかな」

………カズさんの携帯番号が書かれてる………

 見た瞬間、「これは何!?」でした。
アーティストが簡単に携帯番号をファンに教えていいの!?
どう受け取ったらいいの!!
何が起こったの!!
相手は遠いバンドマンだよ!
こ、個人の携帯番号なんて!!

 非常に混乱して、私はその電話番号を携帯のメモリに入れておくだけ
にしました。
自分からかけるつもりは初めからありませんでした。
どう受け取っていいか、分からないまま、
これはお守りにしておこうと思ったのです。
恐れ多くて。
そんな、手が届く存在なわけがありませんから。

 そうしたらある日……私の携帯が鳴りました。
お守りの番号から。

続きます。


★ お返事のこと。

2006年03月20日 19時08分34秒 | ♪ すごした時間
 こんばんは、iyukです。

 春だから?
めっきり具合の悪いiyukぞなもし。

 もうね、ホントにね、書けないしお返事も出来ないし、
ホントに心苦しいの一言に尽きるんですよぞなもし。
ずーーーーーっとお返事が滞ってて申し訳ないですぞなもし……。

 頂きましたコメントはもうホントーーーーーーーーに
ありがたい思いで読んでおりましてぞなもし。
ありがとうございます。
ぞ、ぞなもし(つけ忘れた←つけないでいいんだよ)。

 ありがとうございます!ぞなもし!
必死に起き上がって読んでます!ぞなもし!
楽しい気持ちになります!ぞなもし!

 どうか、具合がよくなるまで
申し訳ないのですが独り言を呟かせて下さいぞな……。
書ける時に、書きたいと思いますぞな!
ただ、お返事が書けないことをご了承くださいぞなもし!!
ごめんなさい!!ぞ、ぞなもし。

 勝手ですが、コメントは頂けたらそりゃもう
天にも昇る気持ちですぞなもし!
ですが、うまくお返事が出来ないのでホント申し訳もございませんぞな!
もし!(分けるな)

 身勝手ですみません。
一応、ダークわんこを巣に住まわせながら
まだこの世に存在しておりますiyukでしたぞなもし。
ぺこり。皆にラブ。ぞなもし。フフ。



★ 「しにがみのバラッド。」を読んで

2006年03月13日 15時15分38秒 | ♪ 興味ある本たち
 こんばんは。毎日本漬けiyukです。
 先日私のサンクチュアリな本屋を見ていたら
雑誌「LaLa」×電撃文庫で
電撃文庫の小説が漫画化されることになって、
へぇ、と驚き手に取りました。

 まずは原作から、が私の信念なので、
原作者ハセガワケイスケさんの「しにがみのバラッド。」の
1巻を読み読み。

「これは、白いしにがみの、哀しくてやさしい物語です――」

 うん、好きな感じだ。
死神と言えば黒くて大きな鎌を持ち、
無表情で命を狩ってゆく。
それは、死神とは自殺した人間がなる職業で、
魂を狩ることで命の尊さや儚さを知り、
自殺した罪を贖いながら早く転生したいため。
それゆえに無表情で義務的に魂を狩って転生を望む。

 しかしこの話は白い死神の少女。
そのせいで周りから疎まれ孤独。
それに妙に人間に肩入れをするために、
哀しくも切ない別れを体験していく。

 こんな紹介文を読んで、ああ好きだな。と思い、
どんな切ない、胸が千切れるほどのお話かと
どくんどくんしました。
切ないの好き。
それも死を運ぶ主人公が、人間に肩入れし、
ますます切ない別れに出会ってしまう。
「哀しくてやさしい物語」……。

 読んでいく。切ないストーリーにはまっていく。
好きな。うん。す……きな……


























































あーつまんねぇ本。

 なんだこの稚拙な文章は。
一行ごとに改行するな!
哀しい?やさしい?
文章が足りなさすぎて主人公のしにがみの存在すら
いらねぇ存在になってるよ。
主人公のはずが目茶苦茶脇役だよ!
必要ないくらいのいらないキャラだよ。
人間と人間の関係がメインで、しにがみいなくても
じゅーーーーーぶんお話まとまってますよ。
しにがみの出番必要ないですよ。
肩入れっていう肩入れなんぞしてないよ。
ただ「死ぬの?じゃあ早くして」って毎回言ってるだけじゃんか!

 死神につく使い魔のネコ、ダニエルも
キレやすくてすぐ喋って「うわ猫が喋った!」って人間に驚かれて
……存在感が台無しだよ!
使い魔のネコが喋る。
それは必要最低限の言葉を最後にポロリと言うくらいが
よっぽど驚きが増し、存在感も出てクールさが引き立つのよ。
最初っからベラベラ喋って、主人公の死神より俗世間に染まって話してて

……つまんねーーーー!!

 どこが哀しくてやさしい物語なんですか。
どこに切なさがあるんですか。
二巻以上読まないとその切なさとやらは出てこないのか?
ならもっと伏線を出しておくべき。
一行が短い上にすぐ改行され、表現力が稚拙だから
やさしいのも哀しいのも切ないのもどれも伝わらない!
なんて作品だ!!

 この原作は絵本にもなり、
今のところ八巻まで出ているシリーズもの。
けれど上記の通り一巻目には何も感じない駄本。
このまま二巻に読み進む気には全くなれないのが本音。

 シリーズがこんなに続いて、電撃文庫とLaLaのコラボレートで
漫画化までされて、アニメ化までされる予定で、
きっと支持は物凄くされているんだろう。

 そう思ったからこそ、そしてこういう話は大好きだと思って
期待して買っただけに、あまりの駄作に怒りしかわかない。
もっと表現力豊かな人が小説を書き直してくれないだろうか。

 漫画化に至ってもそれは同じで、
漫画家さんは好きな人だったけれどやはり主人公の死神が
いなくてもストーリーは展開しそうな流れなので
もうホントにショック。

 「哀しくてやさしい物語」を待ってたのに。
ただのひとつも感じなかった。
これは二巻以降を読めば哀しくてやさしい物語になっていくのか?
それを期待して冒険して買ってもいいのか?
それともこのまま見捨てるか。

 久しぶりに二度と読みたくない本を見つけたというのが本音。
あの稚拙さ。どうにかならないのか。
一文が一行。なんとかならないのか!
お子様年齢層だから仕方ないのか?

 あぁ。期待外れ。

 今後面白くなるなら読んでみますが、
もし読んだ事ある人は教えて下さい。
ホントに面白いのか。

毒舌!ボンバーい……ゲフンiyukでした。