ひできの八ヶ岳ブログ

未来に残したいリジェネラティブな社会づくりを考える

組織のヒエラルキー

2010年05月06日 23時01分43秒 | 共生社会の姿を求めて・・・
私が中学生になって暫くの間、
両親は私が落ち込んで学校から帰ってくる毎日に、
とても心配したそうです。

何故だったかというと、
小学校までの人間関係は、どちらかというと横型社会であったところが、
中学校になって突然、上級生に対しては「さん」づけを要求され、
上級生は下級生を呼び捨てにし、
下級生は上級生の言うことを、それが理にかなわないものであっても、
必ず聞かなければならない、縦型社会となったからです。

その縦型の人間関係は、
私にとっては全く受け入れがたいもので、
なぜそのようにしなければならないのか、
理解ができなかったのです。(今でもですが・・・)

人類は自由と平等であるといわれながら、
今の組織の大半は、下位のものは上位のものに従わなければならない、
堅固なヒエラルキーを持ち、その世界の中では、今も、
中世と同じ“封建社会”が続いています。

しかしながら、今後は、
人々の“働く”ということへの意識が大きく変化し、
そういった人々が働きやすいと思う、
新たなスタイルの組織への要求が強くなっていくことが予想されます。
そして、職階やポジションを設け、
一方的な強制力をもたせることによって他人を動かす今のスタイルが、
そう遠くない将来に成り立たなくなっていくと考えられます。
今の組織形態がいつまでも機能し続けるという幻想は、
早めに修正し、新たな時代への準備が必要です。


新しい組織形態は、大きな組織の場合は、
お互いの意思疎通が十分にできる程度であり、かつ、
ひとつの機能が完結する小さなユニットに分かれ、
小さなユニット同士がさらに、お互いの意思疎通ができ、かつ、
それがまたひとつの機能が完結するユニットに集合していくといった、
ホロン的なヒエラルキーをもった組織となるでしょう。
新しい組織体にも、ヒエラルキーは存在します。
しかし、一見、既存の組織に似た姿をしながらも、
その構造や性質は全く異なってきます。

特に肝心なのは、それを構成する細胞ともいえる、
個々の人間の、行動パターンが今と全く異なることです。

その組織の構成メンバーは基本的に出入りが自由であり、組織はオープンです。
基本的に、自分の意思で参加を決めます。
その組織を意味づける唯一のもの、つまり、メンバーの絆となるものは、
共有する目的です。
必要な情報は全て、メンバーに共有されます。
お互いは、自己の意見とともに他者の意見を尊重し、
ダイアローグ(真の対話)を基本に合意形成を行います。
お互いの不信を基本とした規則だらけの今の組織と違い、
お互いの貢献への意欲を認め、信頼を基本とした、
最小限のルールしかない組織となります。

この先、企業などの組織は、
機能不全に陥る前の対応として、
私は、一気に新たな形にするのではなく、
既存のヒエラルキーを保ちながら、それと重なるように、
インフォーマルな場を設けて、次世代の組織の形を、
社内に形成させていくことも有効な手段の一つと考えます。

何よりも、一人一人の意識改革を行っていくことが重要です。
それには、新しい組織の形が個々の意識を目覚めさせ、
個々の意識の目覚めが新たな組織の形を発展させていくように、
ポジティブにフィードバックさせながら熟成させていくことが、
ポイントになるのではなかろうかと思います。