ひできの八ヶ岳ブログ

未来に残したいリジェネラティブな社会づくりを考える

トップダウンからボトムアップへ

2013年08月17日 16時04分47秒 | 共生社会の姿を求めて・・・

そういえば2011年3月11日 金曜日。
仕事先の愛知県で打ち合わせをしていた午後。
俄かに、ささやかな振動があった後、
建物がまるで宙に浮いたかのように、
ゆっくりと横に揺れ続けました。
大した揺れではありませんでしたが、
これまでに経験したことのないその異様な揺れ方は、
どこかで大地震が起きたこと如実に教えてくれました。

その夜、仕事を終えて東名高速にのると、
何台もの大型の化学消防車が東に向かって走っていました。
いつもより交通量が極端に少なかった中央道を走り八ヶ岳に着くと、
そこは信号機もついていない真っ暗な闇。
遠く甲府盆地の方に街の明かりが見えるだけでした。

3月の八ヶ岳はまだ真冬の様相です。
暖炉以外のほとんどの暖房器具は電気を必要とすることから、
多くの家庭は暖房なしで夜をこしました。
暖炉のある家庭も、大きな余震で煙突が崩れることを恐れて、
火を入れないでいるところもありました。

暗く寒く、地震警報が鳴り響いた夜。
東北の凄まじい状況に比べれば、
まるで大したことはない八ヶ岳でしたが、
東北の惨状を想いながら、眠れぬ夜を過ごしました。

震災によって多くの人々の暮らしの場が失われ、
それから2年半が過ぎました。
しかし、その復興は未だに遅々として進んでいません。

戦後60年以上たち、
技術も、経済も、その復興のために十分な余力を持っているにもかかわらず、
何ゆえに復興が前に進んでいないのでしょうか。
何が阻害要因となっているのでしょうか。

今、行政や政治が充分に機能できなくなっている現実があります。

かつては、お役所は御上と呼ばれ、
市民は政治と行政の行うことに従ってきました。
それと同時に、市民からすると行政は、
「何かしてくれるところ」という、
何かにつけて頼る先でもありました。
しかし、全ての人々に一様のサービスを提供する行政は、
財政的にもその支出に耐えられなくなり、
多様化した市民のニーズの全てに答えることは難しくなりました。

今後、行政はサービス提供者というよりも、
全体を調整、推進するファシリテーターとしての役割へと変わっていくことと思います。
政治も、何かを行政に行わせる役目から、
限りある公の財源を有効に使うための、
調整役が主な役目になってくるでしょう。

では、何を行うかを考え、それを実行するのはどこが行うのでしょうか?

きっと、それは市民・民間が担っていくことになるでしょう。
それは企業組織でいま進行中の、
トップダウンからボトムアップといった組織転換の流れが、
もっと大きな流れで、行政、政治の分野でも起こってくることを意味します。

行政や政治が変わっていく一方で、
市民側も、行政に対する期待と態度を変えていく必要がでてきます。
何でも行政に期待するのではなく、
必要と思えば自らがそれを担っていく、
一市民としての責任と役割が求められてくるはずです。
これは、真の民主主義の大事な一面であろうと思います。

こういった大きな変化の流れの先端で、
東日本大震災の復興を舞台に、
そのパイロットプロジェクトのような象徴的な活動がこれ。

アーキエイド

話題にもなっているのでご存知の方も多いかと思います。

まさしくボトムアップの復興のためのまちづくりデザインを行っています。
その活動状況を紹介するイベントが愛知県で行われます。


「アーキエイドの活動展」
東日本大震災 ~3月11日と今日~
「知っていること」
「知っているつもりでいたこと」
「知らなかったこと」

2013年8月20日(火)〜9月1日(日)
10:00〜18:00 最終日17:00まで 26日(月)は休館
場所: 愛知県岡崎市 名鉄東岡崎駅南側 葵丘会館
入場無料

20日16:30からアーキエイド事務局による講演会・レセプションもあります。

詳しくはこちらまで
http://earthworker.blog.fc2.com/ 

あの“おかざえもん”も展示会に来るようなので、
見たい方はついでにどうぞ。
(20日 13:00ごろ)

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