残りわずかな力でも伝えよう。-そして、再起。 

この難病は、私だから授かった『生きる上での宿題』と受け止めたい。生きる「希望」を
胸に。「P病撲滅」が夢。

ある薬剤師Hさんへの追悼の手紙

2010-07-03 | Weblog

 H様。
 あなたは、患者である私にとって、忘れえぬ数少ない心触れ合えた薬剤師さんでした。
思い起こせば、何度、貴女の優しさ、そしてあなたのお仕事に対するひたむきさに助けられてきたことか。
もう数年前になります。当時、あなたがY店に居られる頃、薬を4日以内に取りにいかないと処方箋は無効になるというのに、パーキンソン病で15年以上になる私は、若くてもすぐに薬が切れ、当時は要介護度4で外出もままなりませんでした。月に1度遠くの病院へ通うのがやっと、薬を待っていたら動けなくなる。なので、近所の薬局で翌日お薬をもらおうとしても、なかなか家族もそれぞれが忙しく、4日なぞすぐにたってしまうのです。「動けないから今日も間に合いません」と電話で言うと、「ではお届けしましょう」と言ってくださったのが、あなたでした。歩けないので、玄関にも出れないこともしばしばでしたが、薬ですからと、何度も足を運んでくださいましたね。他の若い方たちは、けたたましい犬をいやがってか、そそくさとお帰りになるのに、あなたは、丁寧にお薬の説明をされ、薬が増えていることを案じてもくださいました。お心のこもった処方でした。
Hさん、貴女は私のピンチを何度も助けてくださった。
当時、誰もしていなかったことを、あなたは患者の窮地を想うあまり、始めてくださったのです。そのありがたみを知ったのは、あなたが居られなくなってからでしたが。

それがこの度、ひょんなことで、社長様とご主人にお会いする機会があり、その後、貴女様がご入院なさっておられることや一患者でしかない私のことを憶えていてくださったことを社長様のお見舞いの後でお聞きし、私達夫婦は、あなたのことを、感慨を持って思い起こしておりました。
そんな矢先、信じられないことに貴女の悲報、なんということでしょう。こんなにもいい方がこんなにも早くなぜ先に逝ってしまわれるのか。傍目(はため )にも、若い薬剤師さんたちにも信頼され慕われておられるご様子でした。今の貴社のお薬のお届けサービスは商業上のサービスというより、こうした患者さんをなんとか助けてあげたいという、心からの行いから出てきたものだと理解しました。あなたのようなお気持ちをもった薬剤師さんが数多く育っておられるということでしょう。
「さようなら」は言いません。しばらくのお別れです。いずれ私たちもそちらに参りますので。昨日は主人が休みだったため、お通夜の席にお参りに足を運ばせていただくことができ、あなたがどんなに多くの方々に惜しまれ、慕われておられたかを知りました。会館に入りきれないほどの人。お仕事でお疲れの中を駆けつけられた皆さんの中から聞かれる多くのすすり泣きの声、これほどまでにあなたは多くの方の心に良き思い出を刻まれて逝かれるのです。これは悠長にはしておれないと思いました。あちらに行った時、私なぞ相手にしていただけないかもしれません。貴女の千分の一でも真摯に、そして誠実に、残された日々を精一杯生きていきたいと思います。そしてあちらでお会いできたら、お声をかけますので、その時には、思い出してくださいね。


貴女は私の知る「真の良き人」でした。私は「憎まれっ子」なので、もう少し世にはばかっていくことになるかもしれません。そんな私が、貴女という方と、わずかでもこうした触れ合いができたこと、あなたのお仕事へのひたむきさが私に教えてくださった多くのこと、大きな喜びと感謝をもって、貴女に患者を代表して、お礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。            
                 


遺されたご遺族の皆様へ
ご主人様、お嬢様、そしてお婿様、あなたの奥様であり、お母様であるY子様を亡くされたお悲しみはいかばかりかと思うと、胸は張り裂けそうですが、精一杯生きてこられ、それを精一杯支えてこられたご家族のこれまでを知り、昨日弔問させていただいて本当によかったと、安堵いたしました。

私は「亡き人想う。そこに亡き人、共にあり。」という言葉が好きです。
もう電話も手紙もいらないんですから。

お母様はご家族の誇りです。どうぞ、思いのたけを込めて、お別れを。
そして、お母様のお人柄を偲んで、これからの毎日を大事にいとおおしんで でお過ごしください。
ご一家の皆様とともに、私達も前を向いて、歩ませていただきとうございます。

      2010年6月24日
                               綾もみじ

1 コメント

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初めまして (illness )
2010-11-08 13:06:50
突然のお願いで大変申し訳ございません。
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もし、良ければ当SNSに貴ブログを御登録頂けないでしょうか。
何卒宜しくお願い致します。
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