箕面の北端 止々呂美(とどろみ)日記                        ~止々呂美(とどろみ)日記~

私の地元 止々呂美(とどろみ)の四季を写真とともにお届けします。
野菜作りや地元朝市の様子、趣味や私事余談も…

明日食べるものさえないつらさ、男を捨ててまで追い求めたものとは…。

2014年03月04日 07時08分09秒 | 私事余談&雑感

        (四季のガーデニング)
           

(本文・写真は、無断使用・転載禁止)

こんにちは、止々呂美日記です。

今朝は、春とは名ばかりの冷え込み みなさまはいかがお過ごしですか。

2011年3月4日にブログを開設し丸3年。
テレビドラマじゃないけれど、今日のブログは我がブログの開設3周年記念

まだ、お仕事現役時代に一度書いたブログで恐縮ですが…
「お金にまつわる話」をシリーズで書いていたら、どうしてもこの本のことを書きたくなり…

貧しさは人に何でもさせる」作家の曽野綾子さんのそんな言葉を聞いていたら、
どうしてもこの本の事が書きたくなり…

退職したら読もう、いや読み返そうと決めていた文藝春秋の司馬遼太郎全集は開かないままになり、
結局最後に読んだのがこの本。

我がSAZABYの手帳には、中学生じゃないけれどあらすじ&読書感想文が…


登場人物が分かるようにと切り抜きも、色が変わり…


少々前置きがしつこいですが、

「国のあり方」や「国の行く末」、「清国4億人の民の安定」を思い、
心血を注いでいく二人の主人公の生き様
をテーマにした作品

「蒼穹の昴(そうきゅうのすばる)」直木賞作家 浅田次郎さんの作品

中国は清朝の末期、体制を維持し利権を守ろうとする西太后と、
新たな近代国家の確立のため西太后を追い落とさんとする皇帝派、
そこにヨーロッパなど列強と呼ばれる国々が徐々に清国を食いつぶしていく…
そんな時代(今からおよそ120年ほど前)の話です。

「蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)」とは、満天のあまたの星を統(たば)ねる守護星のこと、
清朝末期の、まさに内憂外患のなかで、国のあり方、行く末を思い、
あまたの星の中の昴にならんと心血を注いでいくのが二人の主人公「文秀」と「春児」である。

清朝を支えるのは、延々と続いてきた「科挙制度」であり、
清国全土のより選りの2万余人が3年に一度行われる三日三晩の3回、九日間の試験を受け、
300人の合格者が「進士」となり国を治めていく。

「進士」の末席でも今でいう県知事、当時の特権階級に登用されることになるのである。
(この科挙試験、「以前ブログで書いた海陽学園、そこをNO1の成績で卒業し、
東京大学法学部にトップ成績で合格し、首席で卒業する」ほど難しい。いやそれ以上に難しい。
何しろ3年に一度しかチャンスがないし、当時でもかの国は、人口4億人を超えていたし、合格する者ははわずか300人
1年にすればわずか100人 一握りだ…)

一人の主人公「文秀」は、とある県の地主の次男坊で、
幼少時はできの良い兄の陰で酒は飲む、たばこは吸う悪ガキである。

この「文秀」の母親は、貧農の出で「文秀」を生み、表現はよろしくありませんが、
俗にいう妾のままわずか20才で亡くなる。
その母親の遺言は、「学問こそが全ての欠点を覆い尽くす」という言葉であった。

「文秀」は、母の死後、この遺言を胸にひそかに「進士」を目指し、この科挙試験に挑戦。
兄が4ランク目の試験で落ちるなか、
誰もが合格するとは思っていなかった「文秀」が最終ランクの試験に合格し…
あろうことかその最後の科目試験の解答は、
2万余本のなかから「丈元」というナンバーワンの称号を与えられ、
不動の星、あまたの星を統(たば)ねるである、
古今東西無双の大文章(政策論文)であると賞賛されたのである。

一方の主人公である「春児」は、貧しい農家に生まれ、貧困と病で父を亡くし、
そして長兄、次兄を次々に失い、母は涙に暮れ、
糞拾い(乾燥した牛糞は、今でいう固形燃料)をしながら妹を育てている。
貧困であること、食するものがないこと、それがいかに罪悪であり、
家族の死が悲しくつらいものか
、明日からの生活に一明の灯りも見えない。

そんな「春児」にとって何にも代えがたく手に入れたいものがある。
それがである。
そんな状況と立場の違う二人が、やがてそれぞれ国を動かせるまでの座に上っていく

「文秀」は、名誉と権力と財の象徴である“進士”を手に入れ、
郷土の一族郎党の一身の期待を担い、
清国400余県と4億人の民の安定のために、
国の改革と列国との対抗に取り組んでいくのである。

内政は3代に渡り西太后が実権を握っている。
皇帝はまだ若いが「清国を変えていかねばと」考えている。
その若い皇帝に最も近い存在にまで上り詰めてきたのが「文秀」である。

この時代、国を動かし、財なり権力なりを得て野望を達成する方法は二つある
一つは「文秀」のごとき進士となり官僚のトップとなる道と、
もう一つは「春児」が選んだ宦官への道である。

「春児」は、父が死に兄が死に、そして母までが首をつり、
それでもただ一人残った妹のためにけなげに糞拾いを続けている。
そんな時、一人の予言士から
「お前には昴の星が宿っている。昴の星に守られ、西太后の財宝を全て頂く運命にある」と告げられ…。

宦官となり帝に仕える者には、銀50両が県から降りてくる。
だが、「春児」の手元に届く頃には一袋の銅貨のみで1両にも満たない。
役人が手間賃として次々と抜き、貧乏少年の身体を食い散らかしていくのである

手術代のないこの少年は、命がけで自分ので男の印を切り、
蝋燭のロウで傷跡を癒し、10才で男を捨てた
「春児」にとって、国の行く末や4億人の民の安定など絵空事である。
今、必要なものは財であり、食であり権力であり、明日へ生きたいという希望である。

「春児」は、宦官のなれの果てやお払い箱になった者々が集まるとある所で、
宮中で必要となる礼儀作法・料理・芝居とあらゆるものを3年間で身につけ、
いよいよ登城していくのである。

そしてとうとう宮中に上がった。
「春児」は俊敏で率なく、人を魅きつける何かを持ち、
西太后の御前で、芝居の座長が出来なかった立役者をやり、西太后の目にとまる。
これを機に「春児」は、23才の時には宦官ナンバー2の座に、
そして西太后に最も近い実質ナンバーワンの存在となり金も権力も手に入れたのである。

一方「文秀」は、列国に対抗するため、同志を集め改革を急いだ。
5千年、この国を支えてきた制度を変えることは容易ではない。

4億人、400余県を統治するため、科挙制度は有能な人材を発掘するための制度が、
宦官は国への忠誠のための制度が
富と権力を得るための、貧しさから脱却するための制度」と化している。
もはや時代に合わないと判断した「文秀」は、直ちにこの制度を廃止した。

しかし多くの人々は、おかしく非合理な制度であっても、保守的で現状を変えたがらない。
廃止は、多くの官僚達の反発を招き、ましてや廃止だけでは
国家の改革はおろか列強への対抗など遅々として進まない。

改革は必要であったが、四書五経や論語、詩などをいくら丸暗記し、ナンバーワンの政策論文を書けたとしても、
暗記し知っていることと、原理を理解し現実を見極めることとは違う。

改革は、まず「文秀」ら改革派の一人一人の心の内にこそ必要であった。
「文秀」は、改革を急ぎすぎそのことに気づかなかった。
非現実的な対応は、たちまち改革を頓挫させてしまう。

一方、富と権力の快楽の中にいる「春児」は、とある日、
かつて宦官をたばねた総官から
男を捨ててまでも手に入れて悔いのない宝などこの世にあろうものか
、金品など煙のように消えて行く。
妹とは絶対に縁を切るな。」……と。

その言葉を聞いて、「春児」は、改めて富と豊かさとは何であるのかをつくづく思い知らされた。
本当に手に入れたかったものとは何か、
それは妹の笑顔、当たり前の自然のことが手に入れたかったものだと気づくのである。

富も名誉も、それは妹の笑顔に必要なものの一つかもしれないが、
富や名誉そのものが必要なのではない。

人間の幸福感は、決して金品で購えない。
人が「生きる」ということは、誰かを愛し、誰かのために尽くしているという「証(あかし)」である。
それが満たされてこそ、国政が論じられる。

以後、「春児」は、手にした財は私欲のために蓄えようとはしなかった。
同じ貧しい宦官に分け与えたのである。

時代はいつも生き物のように動いている。
守旧と革新が絶えずせめぎ合い、多くの人は変革を好まず安定を求める。

がしかし、変わらざるを得ない状況は、歴史のなかで必ず訪れ
それを担う人物が登場し、新しい時代の幕が開く

その間には、多くの人々のドラマが繰り広げられることになるのである。
西太后のイメージと醜聞は、列国のマスコミの記者によって作り上げられ、
それが「春児」を動かし、「文秀」を動かし、
後の毛沢東を生み、彼らが否応なく歴史を動かしていく。

この「蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)」は、直木賞作家 浅田次郎さんの作品で、
上下2巻、読み応えがありました。この作品には、成功も失敗も一枚の銅貨の表と裏。
いつ、表が裏に転ぶか分からない。
それは、幸福と不幸、運と不運、そして希望と絶望もしょせんは一枚の銅貨の裏表、
そんなことをふと感じさせる作品です。
読んだのが確か40代の後半ですから、作品の紹介に不正確さがあるかもしれませんが、ご容赦を。

それではまた。
(追伸)
今まで気づかなかったが…
Gooブログ 最後の方に このブログの人気記事ベストテンが表示され、
キーワードか何かで検索された件数で決まるのだろうか?
いつも上位なのが、海陽学園のことを書いた2012年4月11日のブログ。
海陽学園なんて知らない人が多いと思っていたが…。
日本のリーダーを待ち望んでいるのだろうか?

第1位が…「やっぱりすごかった海陽学園、東京大学に13人が合格

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止々呂美(とどろみ)日記

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