鹿島鉄道の車補

今日、とうとう鹿島鉄道とくりはら田園鉄道の営業最終日を迎え、明日は正式に廃止されてしまいます。双方とも、昭和30年代から40年代の地方私鉄の雰囲気を残した路線であり、時代の流れとはいえ、廃止はとても残念な気がいたします。

さて、今回は鹿島鉄道の車内補充券をご紹介いたします。

images(表) images(裏)…再度クリックすると、大きく表示されます。

これは社線内用の車内補充券です。日本交通印刷製のBJR黄色地紋券です。車内用ではありますが、JRの主要駅も記載されていて、それらの駅発着の連絡乗車券として発行することもできました。

images(表) images(裏)…再度クリックすると、大きく表示されます。)

これはJR連絡用の車内補充券です。やはり日本交通印刷製のBJR地紋ですが、こちらはピンクっぽい色をしています。前出の社線用と異なり、JRの駅が細かく記載されており、逆に社線内の駅はJRとの連絡運輸設定駅のみが記載されています。
(これ以外の駅から、もしくは駅までの連絡運輸の設定はありませんでした。)
この券はすべての車掌さんが常時持ち歩いているものではなかったようでした。

images(石岡南台150円区間専用)

images(東田中160円区間専用)

これらの2種類の券は石岡駅~石岡南台駅間および東田中駅間専用の車内補充券です。駅名の下に印刷された●印にパンチを入れ、発駅を表していました。両駅は住宅が多く、比較的利用客が多いために設備されていたようです。
しかし、これらもJR連絡用同様、すべての車掌さんが持ち歩いていたわけではなかったようです。

 

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松本駅の車急式料金券

松本駅の精算所に設備されている、車急式の自由席特急券と急行券をご紹介いたします。

images(急行券) images(自由席特急券)…再度クリックすると、大きく表示されます。

実は、この急行券を発行していただいた日および翌日は、松本駅を出発する急行列車は1本もないため、実際に使用することはできませんでした。

そのような日にも拘らず、どうしてもこの急行券を入手いたしたく、精算所の窓口氏に趣味目的に急行券の発行を所望したところ、快く対応していただきました。
発券するとき、360円の一番安いところで良いかと訊かれたので、「1,260円のところまでいっちゃってください。」と申し上げると、「なんだか申し訳ないですねぇ。」と発券していただきました。

某きっぷ掲示板の情報によりますと、松本駅の車急式自由席特急券の設備廃止が3月18日に確認されたという記事が掲載されていました。急行券については触れられていませんし、また、私自身その事実の確認をしていないので真相は不明ですが、それが事実であるならば、自由席特急券よりも需要の少ない急行券も同時に廃止されてしまった可能性が高そうです。

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ダッチングっていつまで使える?

拙ブログ3月23日エントリの「ダッチングを積んだ電車」に、菅沼天虎様と関西様よりコメントをいただきました。

菅沼天虎様からは、

>来年は平成20年となりますが、天虎製で年の十の位に「2」の活字があるダッチングは平成となってから製造されたもののみですので、ダッチングを使用する駅が一段と減る事が予想されますね。

というコメントをいただきました。
現在、硬券自体が絶滅の危機にあり、また、硬券が設備されていても、故障や年号の対応ができなくなったなどの理由によって、ダッチングが備え付けられていない駅もあります。

一方、関西様からは、

>最近、天虎工業さんに問い合わせましたところ、部品在庫は既に品切れとのことです。いつまでダッチングが現役であるか心配ですね。

とコメントをいただいております。

では、我が家の「天虎君」に協力してもらい(?)、現行のダッチングでできる一番未来の日付を印字してみました。

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可能な限りやってみると、29.12.31.と印字できます。
この日に遭遇するまで、あと10年かかります。
いったい、この頃にも硬券って現役で存在するんでしょうか?

 

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碓氷峠代替バスの通学定期券

長野新幹線(本来は北陸新幹線の一部であり、長野新幹線と呼ばれていた)の開通により信越本線横川~篠ノ井間が廃止されて約10年が経ちますが、その代替としてしなの鉄道が走っていない区間である横川~軽井沢間については、今もJRバスによって代替輸送が行われています。

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これは同区間用の常備通学定期券です。見た目鉄道のものと何ら変わりはありませんが、JRB地紋と右上の「□関」の文字が、JRバスの定期券であることを示しています。

横川~軽井沢間の在来線を廃止する際、軽井沢方面から多数の生徒が通学している群馬県安中市の高等学校の父兄を中心に廃止許可取消の行政訴訟が行われていますが、その甲斐もなく廃止されてしまったようです。

確かに、在来線廃止時は同区間の片道普通運賃230円であったものが一気に500円に値上げされ、通学定期券に至っては3,890円から10,020円と実に2.6倍も跳ね上がっています。
また、鉄道時代は所要時間が約15分であったものがバスに転換されてからは約35分かかるようになり、利便性がかなり悪化しています。
これでは行政訴訟が起きても不思議ではありません。

しかし、この定期券を見ますと、本来の運賃が10,020円となっているものの、上には「○割3,890」という表示があり、鉄道時代の定期運賃が記入されています。どうやら、行政訴訟の「見返り」ではないかと思われる割引が存在していたようです。
この取り扱いが現在も続いているかはわかりませんが、新幹線開業の便利さの裏には、地元の方々の犠牲という辛い現実があったことが伺えます。

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ダッチングを積んだ電車

新潟の蒲原鉄道は1985年3月31日に加茂~村松間が廃止され、ついには1999年10月3日に残されていた村松~五泉間の全線が廃止されました。

images(蒲原鉄道の電車…同社ホームページより)

末期は、単行電車のワンマン運転がメインとなり、村松駅~五泉駅間の途中駅は無人駅である今泉駅1駅しかないという「ミニ私鉄」になってしまいました。
そして、今泉駅発の乗車券は車内にて運転士が硬券を発売していました。

images(村松ゆき大人用) images(村松ゆき小児用)

images(五泉ゆき大人用) images(村松ゆき小児用)

発売されていた券種は日本交通印刷製の4種のみで、発行駅名はすべて村松駅発行となっています。これは、本社および車庫が村松駅構内にあったことに由来していると思われます。
地紋は、村松ゆき小児券のみが「TTD」の旧地紋のままでしたが、そのほかは「JBR」の新地紋となっていました。

これらの券は、車内発売であるにもかかわらず、ダッチングによる日付の印字がされておりますが、このために各車輌の各運転台にはダッチングが備え付けられていて、発売の都度運転台にて日付を印字していました。

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上の写真が運転台に備え付けられていたダッチングです。両端の運転台前方の窓枠に台が設けられ、その上に「鎮座」していました。
車輌にダッチングが備えられていた例としては、国鉄士幌線の糠平~十勝三股間の代行バス (災害によって鉄道が不通になっていたため、上士幌タクシーのマイクロバスが列車代行として走っていた) のダッシュボードにダッチングが括り付けられていたことが有名ですが、電車の運転台に置かれていた例は他にないのではないかと思います。

このダッチングによって印字された数字を見ていると、一つ面白いことに気づきました。
では、わかりやすくするため、拡大してみましょう。

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発行されたのは平成11年ですが、どうやらこのダッチングは昭和40年代~60年代対応のもののようで、平成10年代は印字できないものだったようです。
そのため、一番最初の数字には、「4」の字の左側の部分をヤスリで削って「1」にした、涙ぐましい(?)努力の跡が伺えます。 

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さくら夙川駅開業と西宮駅駅名改称

3月18日のダイヤ改正にて、JR西日本東海道線に「さくら夙川駅」が誕生しました。また、隣駅である西ノ宮駅が「西宮駅」に駅名が改称されました。

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これは、ダイヤ改正前の3月15日に東京駅のマルスで発券していただいた、さくら夙川から西宮ゆきの前売りの片道乗車券です。
他の「きっぷ」系ブログでも紹介されておりますが、ダイヤ改正前のマルスの情報では「西宮駅」は「西ノ宮」と登録されているため、さくら夙川駅西ノ宮駅が同じ券上に表示される、この時期限定の「特殊な」券になっています。

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しかし、18日のダイヤ改正当日よりマルス情報が修正され、西宮駅は「西宮」と正しく表示されるようになりました。
また、さくら夙川駅は18日よりMV端末にも組み入れられるようになり、「乗車券のみ」を購入することが可能になりました。

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よくよく見ると、「西ノ宮」から「西宮」に修正した際、単に「ノ」の字を削除しただけでなく、若干文字の間隔が狭まっています。

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本日よりSuicaとPASMO相互利用開始

本日から、JR東日本が発行しているSuicaと、本日より稼動した、首都圏のバスを含む、公営・民営一部社局(導入しない会社もあります)が共同で発行するPASMOの相互利用が開始されました。これに伴い、従来JR東日本の鉄道しか乗れなかったSuicaでも公営交通や私鉄の電車・バスに乗車することができるようになりました。

images(表) images(裏)

これはPASMOとの相互利用を記念して本日発行されたSuicaです。午前9時に一斉発売されましたが、各駅とも、即完売してしまったようです。
SuicaのキャラクターであるペンギンとPASMOのキャラクターであるロボットが相互利用をするために握手した図柄になっています。

images(表) images(裏)

逆に、PASMOからも相互利用を記念するカードが発売されました。Suicaと同じくPASMOのキャラクターであるロボットとSuicaのキャラクターであるペンギンが握手している図柄ですが、Suicaのものとは左右が逆になっています。こちらもSuica同様に即完売になってしまったようです。

images(Suica表)  images(Suica裏)…それぞれ再度クリックすると大きく表示されます。

images(PASMO表) images(PASMO裏)…それぞれ再度クリックすると大きく表示されます。

各々のカードには記念の台紙も付属されています。やはり、SuicaPASMOとでは、表紙の図柄は共通ですが、それぞれ逆になっています。

それにしても、台紙の裏面の一番下にあるペンギンとロボットの後姿に哀愁が…

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常備券品切れ事態発生!! ~その2

前回拙ブログにて広島印刷所製の代用券をご紹介いたしましたが、今回は東京印刷場製の代用券です。

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これは昭和41年6月に発行された、私鉄(西武鉄道)連絡用として作成されたB型代用券です。
すべてゴム印による作成ですが、ゴム印の無い区間の場合は手書きによることもあるようです。たまたま連絡乗車券として発行されているものであり、国鉄線内完結で作成されることもあります。
この券の特徴は、発駅表示が発行駅名表示を兼ねていて、「○○発行→」という表記になっている点です。他に、このような発駅名と発行駅名を兼用した記載の仕方をした例は未見です。

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次もやはり昭和41年6月に発行された、国鉄線内完結の乗車券として作成されたA型代用券です。
これもすべてゴム印による作成です。経由欄に「(東神奈川)」とか「(-)」などといった記載がされていないのが中途半端な気がします。

東京印刷場の券は広島印刷場のものとは異なり、報告片がありません。広島のような様式であれば補充券のように作成後に報告片を審査に上げれば済むような気がしますが、東京のような様式では、審査の関係上、前もって審査を受けるなど、作成にはかなりの制約があったのではないでしょうか?

いずれにせよ、これらの代用券は実際に常備券が不足していなければ発行されないものであり、よっぽど運が良くなければお目にかかることはできない券でした。
もっとも、わざわざ作成しての「趣味発券」なんて、おそらく考えられないことでしょう。

この記事は菅沼天虎さまのブログ「菅沼天虎の紙屑談義」3月13日エントリー「広島印刷のA型硬券の補充式乗車券」にトラックバックさせていただきます。

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常備券品切れ事態発生!!

常備券が印刷遅延など、何らかの理由によって「品切れ」になってしまった場合、補充券にてその代用をすることが普通ですが、中には「それ用」の硬券の補充券を設備している駅もあったようです。

images(表) images(裏)

これは昭和51年呉駅発行の岡山ゆきの片道乗車券です。とっくに硬券による補充券が様式廃止になって10年が過ぎた頃のものですが、立派に硬券の補充券として生き残っていました。

当時の乗車券様式として正式に認められていたものなのかは定かではありませんが、硬券で設備しておけば、硬券ホルダーにあらかじめ作り置きの券を刺しておくことができるので、便利と言えば便利な券です。

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JRバス関東の出札補充券

JRバス関東の高速バス券は券売機による発券か窓口端末での発券が基本となりますが、各発売窓口には非常用として出札補充券を設備しています。

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これは、新宿駅から東京ディズニーランドまでの片道乗車券として発行されています。
東京ディズニーランド便(TDL便)は本来、乗車日に券売機で乗車券を購入して乗車する方式が採られていますが、前日に事前購入したために券売機では対応できないため、補充券で発券していただきました。乗車日の指定はなされますが、座席指定便ではないため、指定欄には乗車日の記載しかありません。
また、鉄道の出札補充券とは違い、区間変更用に使用する原券記載欄が無く、若干小振りの券になっています。

 

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