福岡地裁は、自宅マンションから飛び降り自殺した社員を過労死自殺に対し、会社の責任を認定し9900万円の損害賠償を認めた。男性の勤務状況は、月平均150時間を超えいた、しかしながら会社は、現場の実情を理解してもらえず、残念。控訴の方向で検討したい」とコメントしている。控訴されると、会社が過労の事実を何処まで把握していて、判決にあるように「男性が労働時間を過少申告しているのを認識しながら、指導をせず、放置した。」かが争いになるのではないかと思われる。
九電工社員自殺は過労 原因認定、9900万円賠償命令 福岡地裁判決(西日本新聞) - goo ニュース
九電工社員自殺は過労 原因認定、9900万円賠償命令 福岡地裁判決
2004年、九電工(福岡市)の男性社員=当時(30)=がうつ病になり自殺したのは、過酷な長時間勤務などが原因として、男性の遺族が同社の責任を問い約1億2千万円の損害賠償などを求めた訴訟で、福岡地裁(岩木宰(おさむ)裁判長)は2日、原告の主張をほぼ全面的に認め、同社に約9900万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
同社は「仕事はチームで行っており、男性の時間外勤務だけが突出して長いことはあり得ない」と主張したが、判決は、男性が勤務した事務所の警備記録から実際の勤務時間を算出。「自殺前の時間外労働が月平均150時間を超えており(時間外勤務などの労使間の取り決めである)三六協定の基準を著しく超過している」と認定した。
さらに「就労状況から男性が健康を害することは容易に認められ、業務と自殺の因果関係は明らか。男性が労働時間を過少申告しているのを認識しながら、指導をせず、放置した」として、自殺原因が私生活にあるとの同社の主張を退けた。
判決によると、男性は1998年4月に入社、福岡支店で現場監督業務を担当。2003年8月から大手ゼネコン下請けのビル新築工事の現場担当となり、04年7月まで、毎月123-176時間の時間外勤務を強いられた。会社から十分な支援もなかったため、うつ病になり、同年9月6日、自宅マンションから飛び降り自殺した。
福岡中央労働基準監督署は07年4月、過労自殺と認定したが同社は認めなかったため、08年1月に提訴した。判決に男性の妻(34)は「感謝している。国が過労自殺と認めたとき会社に謝罪してほしかった」と語った。
九電工は「現場の実情を理解してもらえず、残念。控訴の方向で検討したい」とコメントした。
■常軌逸した職場と批判 遺族弁護団
九電工の男性社員の自殺は過酷な長時間勤務などが原因として同社の責任を認めた2日の福岡地裁判決を受け、原告弁護団は判決が認定した九電工の状況を「常軌を逸した職場だ」と批判した。
原告代理人で、過労死弁護団全国連絡会議の松丸正代表幹事は「厚生労働省は過労死基準の残業時間を月平均80時間としている。男性は自殺前、月平均150時間の残業をしており、勤務時間については無法状態だったと言わざるを得ない」とした。
労働基準監督署が過労自殺を認定した後も同社が責任を認めない点について「労基署が認定すれば、弔慰金のほか損害賠償金を支払うのが常識。大手企業とは思えない対応だ」と語った。
=2009/12/03付 西日本新聞朝刊=
同社は「仕事はチームで行っており、男性の時間外勤務だけが突出して長いことはあり得ない」と主張したが、判決は、男性が勤務した事務所の警備記録から実際の勤務時間を算出。「自殺前の時間外労働が月平均150時間を超えており(時間外勤務などの労使間の取り決めである)三六協定の基準を著しく超過している」と認定した。
さらに「就労状況から男性が健康を害することは容易に認められ、業務と自殺の因果関係は明らか。男性が労働時間を過少申告しているのを認識しながら、指導をせず、放置した」として、自殺原因が私生活にあるとの同社の主張を退けた。
判決によると、男性は1998年4月に入社、福岡支店で現場監督業務を担当。2003年8月から大手ゼネコン下請けのビル新築工事の現場担当となり、04年7月まで、毎月123-176時間の時間外勤務を強いられた。会社から十分な支援もなかったため、うつ病になり、同年9月6日、自宅マンションから飛び降り自殺した。
福岡中央労働基準監督署は07年4月、過労自殺と認定したが同社は認めなかったため、08年1月に提訴した。判決に男性の妻(34)は「感謝している。国が過労自殺と認めたとき会社に謝罪してほしかった」と語った。
九電工は「現場の実情を理解してもらえず、残念。控訴の方向で検討したい」とコメントした。
■常軌逸した職場と批判 遺族弁護団
九電工の男性社員の自殺は過酷な長時間勤務などが原因として同社の責任を認めた2日の福岡地裁判決を受け、原告弁護団は判決が認定した九電工の状況を「常軌を逸した職場だ」と批判した。
原告代理人で、過労死弁護団全国連絡会議の松丸正代表幹事は「厚生労働省は過労死基準の残業時間を月平均80時間としている。男性は自殺前、月平均150時間の残業をしており、勤務時間については無法状態だったと言わざるを得ない」とした。
労働基準監督署が過労自殺を認定した後も同社が責任を認めない点について「労基署が認定すれば、弔慰金のほか損害賠償金を支払うのが常識。大手企業とは思えない対応だ」と語った。
=2009/12/03付 西日本新聞朝刊=