涙、涙、涙・・・。
昨日、紀伊国屋ホールにおきましてStudio Lifeの舞台公演を観劇して参りました。
昨年上演されました『夏の夜の夢』に引き続き、シェイクスピア作品第2段。あまりにも
有名な、あれです。そうです。とうとう手を伸ばしてしまいました。
言わずもがなの、『ロミオとジュリエット』でございます。
そして、またまた嬉しい事に、
『夏の夜の夢』の客演でへレナと言う女性役を演じて、そのぼんやりとした不気味な容姿とは
対照的な明瞭な台詞回しにすっかり感情移入させられてしまった坂本岳大さんが、今度は
あの癖のあるキャラとして有名なマキューシオを演じると言う事で、思いッきり期待をしながら
ワクワクと胸を躍らせながら劇場へと向ったのであります。
坂本さんのマキューシオ、なかなか魅力的でありました。
下品な物言いをして純情なロミオをからかっても、坂本さんが演じていると不思議と下品に
感じないのですよ。でも、これってもしかしたらマキューシオ向きではないって事なので
しょうかねぇ。相変わらず台詞回しが巧みなので、何て言ったらいいんでしょう、
酸いも甘いも噛み分けたある程度の年季の入った近所のオヤジが、合間合間にどうしようも
ないダレダレのオヤジギャグをかましながら説教してるように聞こえてしまって、
マキューシオと言うキャラクターの内面に漂うエキセントリックな雰囲気があまり
感じられなかったのであります。
でも、内面の深さは感じられました。
これは私の個人的な感覚からでありますが、
ティボルトを演じた奥田くんに、マキューシオを演じて欲しかったなぁなんて
思ってしまったのです。そして坂本さんがティボルトを演じていたらどうだったかな、なんて。
坂本さんはマキューシオ、ハマリ過ぎでしたね。期待していた通りだったのに、
意外性がそれほど無くて、ちょっぴりがっかりしてしまったのです。(わがままな私)
ロミオの岩崎くんには、さすがにずーっと目を奪われてしまいました。
パンフの中にあった表現をお借りしますと、正に「助走のない恋愛」に疾走する
ロミオの激しさを、身体中で表現していて観ていて非常に気持ち良かったのです。
相手役を務めるジュリエットの舟見くんともとってもお似合いで、
バルコニーで愛を語る二人の姿は本当に微笑ましかったのであります。
ただ、舟見くんは前半ではジュリエットの幼さを強調しすぎていたような気がしました。
角度を曲げて観ておりますと、幼いと言うよりも、もしかしたらちよっとおバカさん?
っていう感じがしてしまってあまり可愛く見えなかったのが残念でありました。
「ロミオは追放!ロミオはついほう!ロミオはーっ、つーいーほーっ!!」
とジュリエットが号泣する場面では、叫びまくる声質にやっぱり「男」が入っていて
号泣と言うよりも「咆哮」と言う感じがしてしまって・・、ちょっと残念でした。
しかし。
クライマックスの場面では、今度は私が思わず号泣してしまいました。
特に、ジュリエットが短剣で自らの心臓を射貫くまでの場面では
どうにもならないくらいに泣けて泣けて仕方ありませんでした。
毒薬を飲んで絶命したロミオの唇に「まだ毒が残っていれば」と期待して
ジュリエットが接吻をします。その後、こう呟くのです。
「まだ、温かい」
もう、この台詞で涙腺が決壊してしまいました。
オリビア・ハッセーがジュリエットを演じた映画でも同じ台詞を呟くのですが、
(当たり前ですね、同じ原作ですから)
映画でも駄目だったのであります。
この台詞が涙腺のスイッチになってしまうのです。
ただ、何故でしょう。
顛末が種証しされているはずなのに、こんなにも心が揺さぶられるのは。
わかっていても、胸がしめつけられて、涙がどうしても零れてしまいます。
憎しみからは何も生まれないけれど、
悲しみからは学びとる事ができるはず。
誰ももう二度と、悲しむことがないように。そして悲しませることがないように。
それを物語るからこそ、「ロミオとジュリエット」は未だに
語り継がれているのだと思いました。
昨日、紀伊国屋ホールにおきましてStudio Lifeの舞台公演を観劇して参りました。
昨年上演されました『夏の夜の夢』に引き続き、シェイクスピア作品第2段。あまりにも
有名な、あれです。そうです。とうとう手を伸ばしてしまいました。
言わずもがなの、『ロミオとジュリエット』でございます。
そして、またまた嬉しい事に、
『夏の夜の夢』の客演でへレナと言う女性役を演じて、そのぼんやりとした不気味な容姿とは
対照的な明瞭な台詞回しにすっかり感情移入させられてしまった坂本岳大さんが、今度は
あの癖のあるキャラとして有名なマキューシオを演じると言う事で、思いッきり期待をしながら
ワクワクと胸を躍らせながら劇場へと向ったのであります。
坂本さんのマキューシオ、なかなか魅力的でありました。
下品な物言いをして純情なロミオをからかっても、坂本さんが演じていると不思議と下品に
感じないのですよ。でも、これってもしかしたらマキューシオ向きではないって事なので
しょうかねぇ。相変わらず台詞回しが巧みなので、何て言ったらいいんでしょう、
酸いも甘いも噛み分けたある程度の年季の入った近所のオヤジが、合間合間にどうしようも
ないダレダレのオヤジギャグをかましながら説教してるように聞こえてしまって、
マキューシオと言うキャラクターの内面に漂うエキセントリックな雰囲気があまり
感じられなかったのであります。
でも、内面の深さは感じられました。
これは私の個人的な感覚からでありますが、
ティボルトを演じた奥田くんに、マキューシオを演じて欲しかったなぁなんて
思ってしまったのです。そして坂本さんがティボルトを演じていたらどうだったかな、なんて。
坂本さんはマキューシオ、ハマリ過ぎでしたね。期待していた通りだったのに、
意外性がそれほど無くて、ちょっぴりがっかりしてしまったのです。(わがままな私)
ロミオの岩崎くんには、さすがにずーっと目を奪われてしまいました。
パンフの中にあった表現をお借りしますと、正に「助走のない恋愛」に疾走する
ロミオの激しさを、身体中で表現していて観ていて非常に気持ち良かったのです。
相手役を務めるジュリエットの舟見くんともとってもお似合いで、
バルコニーで愛を語る二人の姿は本当に微笑ましかったのであります。
ただ、舟見くんは前半ではジュリエットの幼さを強調しすぎていたような気がしました。
角度を曲げて観ておりますと、幼いと言うよりも、もしかしたらちよっとおバカさん?
っていう感じがしてしまってあまり可愛く見えなかったのが残念でありました。
「ロミオは追放!ロミオはついほう!ロミオはーっ、つーいーほーっ!!」
とジュリエットが号泣する場面では、叫びまくる声質にやっぱり「男」が入っていて
号泣と言うよりも「咆哮」と言う感じがしてしまって・・、ちょっと残念でした。
しかし。
クライマックスの場面では、今度は私が思わず号泣してしまいました。
特に、ジュリエットが短剣で自らの心臓を射貫くまでの場面では
どうにもならないくらいに泣けて泣けて仕方ありませんでした。
毒薬を飲んで絶命したロミオの唇に「まだ毒が残っていれば」と期待して
ジュリエットが接吻をします。その後、こう呟くのです。
「まだ、温かい」
もう、この台詞で涙腺が決壊してしまいました。
オリビア・ハッセーがジュリエットを演じた映画でも同じ台詞を呟くのですが、
(当たり前ですね、同じ原作ですから)
映画でも駄目だったのであります。
この台詞が涙腺のスイッチになってしまうのです。
ただ、何故でしょう。
顛末が種証しされているはずなのに、こんなにも心が揺さぶられるのは。
わかっていても、胸がしめつけられて、涙がどうしても零れてしまいます。
憎しみからは何も生まれないけれど、
悲しみからは学びとる事ができるはず。
誰ももう二度と、悲しむことがないように。そして悲しませることがないように。
それを物語るからこそ、「ロミオとジュリエット」は未だに
語り継がれているのだと思いました。