心象日記

日々の中で印象に残った場面、言葉、音、味わい、ふれあいなど、五感に最も訴えたモノについて記します。

バッテリー到着。

2006-09-26 | 日々の心象風景。
Macのバッテリーリコールで、私のバッテリーも見事「不良品」にビンゴしてしまい、
ひと月ほど前に新品との交換を申し込んでおりまして。
その新品がようやく手元に届きました。

当日私は仕事で不在だったので、たまたま在宅しておりました母が受け取り、
突然の訪問であったため不覚にも不良のバッテリーはまだパソコンに装着したままで
届けに来て下さった運送会社のお兄さんに不良品を渡せなかったのであります。

「都合の良い日を電話で知らせてくれれば、すぐに取りに来てくれるって」

との母の伝言を聞いて一安心。新品と共に届いた説明書を読んである事に気付きました。

「回収するバッテリーは必ず全て放電させてから、運送業者にお渡し下さい」

え~、放電~?そんな事までしておかなければならなかったなんて。
「こうこうこうすれば、より早く放電できます」とのやり方の説明を読んで早速作業を
はじめたのですが。
なんと、3時間もかかりましたよ~、はぁ・・・(溜め息)。
おかげでCDを3枚ほどフルで聴くことができました。
「放電中はパソコンのそばを離れてはいけましぇん」との注意事項を頑なに守り、
珈琲を飲んだり、チョコレートをほおばったり、歌詞カードを眺めながら一緒に口ずさんだり、
3時間の間片時もパソコンのそばを離れずに過ごしたのであります。
はっきり言って、疲れました。

拝聴した3枚のCDですが、ご紹介いたしますと。
1枚目・・・「創世記~ザ・ベスト・オブ・ZABADAK」/ ZABADAK
2枚目・・・「花束」/ 叫ぶ詩人の会
3枚目・・・「SUN」/ アン・サン・スー・チー

インターネットでいろいろ旅をしている間は3時間なんてアッと言う間に経ってしまうのに、
ぶっ通しでCDを聴くのがこんなにも疲れるなんて。
妙な発見をしてしまいました。
3枚のCDは、どれも私の超オススメでございます。全てマイナーな代物ですので
その辺のCD屋さんには常時置いていないでしょうが、興味を持っていただけたなら
是非是非探して手に入れてみて下さいまし。
「花束」と言うCDに関しては、ある音楽雑誌でミスチルの桜井氏が自分のお気に入りの
CDの内の1枚だと言うことで選出していたそうであります。(うそみたいなホントの話)

とにかく、無事にバッテリー交換は終了いたしました。めでたし。めでたし。

『夏の夜の夢』観劇。

2006-09-23 | 心象舞台。
9月21日、新宿のシアター・サンモールにて上演されました、
Studio Lifeの新作公演『夏の夜の夢』を観劇して参りました。

「夏の夜の夢」・・・、言わずもがなのシェークスピア喜劇として有名でありますが、
お恥ずかしいことに私は一読もしておらず、どんな物語なのか全く知らなかったので
あります。何の予備知識もないまま劇場へ足を運んだのですが、とっても楽しくって
面白くって、最後には心がほっこりと温まって・・・。素敵な舞台でありました。

ある夜、森の中で迷子になってしまった二組のカップル・・・、結婚を反対され駆け落ちを
決意したハーミアとライサンダー。ハーミアの父は色男のライサンダーではなく、
ディミートリアスとの結婚を娘に望んでいたのでした。ディミートリアスもハーミアの
美しさに心を奪われておりましたので、ハーミアとの結婚を強く望んでおりました。
ハーミアは親友のへレナに駆け落ちの決行を内密に伝えていました。へレナはディミートリアスを
恋慕っておりましたが、彼には全く相手にされず深く傷付いていたのであります。

「ハーミアが駆け落ちすると知れば、ディミートリアスは彼女を取り返そうと追いかけるはず。
恋しい彼の姿を見ることができるかも知れない」(何んて理由だ)

そんな他愛もない理由から、へレナは内緒だったはずの駆け落ち話をディミートリアスに教えて
しまうのです。そしてこの4人は、真夜中の森を彷徨い歩くのですが・・・。
一方、妖精の王オーベロンは女王ティターニアと喧嘩の真っ最中。ちょっとした悪戯を企んで、
妖精のパックに「浮気草」の花を摘んで来るようにと命じます。この花弁の絞り露をまぶたに
落とせば、目覚めて最初に見るものにたちまち恋をしてしまう魔法がかかるのです。
おどけた妖精パックのいい加減さも手伝って、浮気草の魔法にかかったライサンダーと
ディミートリアスは目覚めて最初に見てしまったへレナにすっかり恋焦がれ、女王ティターニアは
村の青年団でお芝居の練習をするために森へやって来た人間の男の子に恋焦がれる始末。
一体、結末はどうなってしまうのか。

有名な物語なのにくどくどとあらすじをなぞってしまってゴメンナサイ。(もうご存知ですね)
さて、私の心と目が思わず釘付けとなり、始まりから終わりまで感情移入してしまった登場人物が
一人おりました。一体誰だと思われますか。
それは、この度客演としてStudio Lifeの舞台に立っておられました、坂本岳大さんの演じた
へレナ、その人であります。
舞台に登場した直後から、そのちょっぴり不気味な容姿(ゴメンナサイ)巧みな台詞の言い回し、
妙にまったりした存在感にすっかり心を奪われてしまったのです。
ディミートリアスを恋慕う気持ちはもう誰にも負けないくらい強固であるのに、当の彼氏ときたら
これでもかと言う酷さで彼女の想いを全否定するのですが、否定されればされるほどへレナの想い
は磁石に引きつけられる砂鉄のように、彼へと引きつけられてしまうのです。
へレナはへこたれないのです。負けないのです。(いかん、涙がこぼれて来たぞ)

ちょっと間違えれば世に言う「ストーカー」だとなじられそうではありますが、私にはとても
いじらしく映って見えて仕方がありませんでした。
ところが物語の中盤で、他力による魔法のせいではありますが、大好きなディミートリアスが
せっかく自分に愛を告白してくれているのに、聡明な彼女は彼の気持ちの変化を簡単には
受け入れないのであります。
彼女曰く、
「私のことを馬鹿にしているんでしょ。私をからかって楽しんでいるのね。わかってるのよ」
そう言って決して信じたりしないのです。彼の言葉や態度に決して溺れないのです。
ハーミアがへレナに「まぁ、美しいへレナ、一体どうしたの」と声を掛けた時、へレナは、
「美しいですって?その言葉、いますぐ撤回してちょうだい」と声を荒げて返すのですが、
何と言うか、自分の身の程をわかっていると言うか、(決して卑屈になっているのではなくね)
心から愛するディミートリアスに対しては正々堂々と自分の気持ちをぶつけて行きながらも
真実の心根を見出す力はきちんと持っていて、愛するが故の誰もが陥り安い所謂、「盲目」には
なっていない点に非常に魅かれてしまったのであります。
なので、私はずーっとへレナを応援しておりました(?)


そんなへレナのいじらしさを、しっかり表現して魅せて下さった坂本さん。
観劇後、すっかり坂本岳大さんのファンになってしまいました。
彼のへレナをもう一度観たいなぁ。もう一回、元気になりたいなぁ。

さよなら三角。

2006-09-18 | 日々の心象風景。
ご無沙汰しており恐縮です。

おわら風の盆祭りの旅を終えて戻ってからと言うもの、疲労困憊がなかなか取れず、
日々の仕事や雑務に追われている内にすっかり時が流れておりました。

本日は台風の余波による雨風がひどいですね。
先程は雷までが一緒になって大合唱しておりました。やれやれ。
ありがたいことに、本日私の仕事はお休みであります。
職場がある地域は埋め立て地であるため非常に水はけの悪い所でありまして、
特に社員の通用口にあたる場所はちょっと強い雨が降っただけで、みるみる内に周囲には
湖ができてじゃぶじゃぶしながらでないと外へ出て行くことができません。
きっと本日も、湖ができつつあるに違いありません。

ところで、本日のお題目にある「さよなら三角」でありますが、
先日ある大手のファーストフード店のテレビCMで、新商品らしい美味しそうなマロンパイを
真ん中からパックリ割りながら「懐かしいうた」を口ずさむ三人の男女が出て来るのですが、
唄い出しがこの「さよなら三角」なのです。更に「また来て四角、四角は~」と節が続く
のであります。
これを何気なく耳にしていたら、幼稚園のころよく唄っていた「うた」をふいに思い出して
しまったのであります。
それは。(一部、不適切な言葉がありますが、ご勘弁を)

♪でぶ、でぶ、百貫でーぶ、電車にひかれてぺっちゃんこ、(ひどい)
♪ぺっちゃんこは、せんべい、せんべいはまるい、まるいはたまご、たまごはしろい、
♪しろいはうさぎ、うさぎは跳ねる、跳ねるはかえる、かえるはみどり、みどりはきゅうり、
♪きゅうりは長い、長いはへーび、へーびはこわい、こわいはゆうれい、ゆうれいは消える、
♪消えるは電気、電気は光る、光るは園長せんせいのハゲあたま!(おわり)

と言う、たわいもない唄なのですが。この一連の節がすーっと脳裏に甦って来てしまって
その日は一日中、頭の中で延々と唄い続けておりました。
子供の頃、私の回りにはこう言う唄がたくさん唄われていて、唄いながらお互いの両手を
ぱちんぱちんと合わせて遊ぶ、(何と呼ぶものなのか定かではありませんが)
所謂「手遊び」とでも言うのでしょうか、そう言う遊びがたくさんあって、
お友達と一緒に唄いながらよく遊んだものでした。

「竹やぶの中から」、「アルプス一万尺」、「茶つぼ」、「みかんの花」、
「ずいずいずっころばし」、「おせんべい焼けたかな」・・・いろいろありましたね。
こんなに年月が流れているにも関わらず、今でもそのほとんどの唄を唄いながら
手遊びをすることができます。手も憶えているのですね。それだけたくさん遊んだと
言うことか。

思わず懐かしさにくるまれて、心がほっこりと温かくなったのであります。
(上の写真は「園長先生のハゲ頭」にちなみまして、川越の五百羅漢に特別出演して
いただきました)

越中おわら風の盆。

2006-09-03 | 日々の心象風景。
9月2日、母と共に富山県は八尾市の越中八尾で毎年開催される、『越中おわら風の盆祭り』を
観に行って参りました。帰りの夜行列車内での車中泊と言う、限りなく「日帰り」に近い
強行軍の旅であったのが災いしてか、母も私も疲労困憊しながらやっと今朝早く我が家へと辿り
着いたのであります。(母は本日帰宅してから、ただ今二度目の爆睡中であります)

我が家でお付き合いしておりますとある新聞にこの度の旅行の募集が掲載されておりまして、
以前から一度是非観に行きたいと熱望しておりました『風の盆』小ツアーでありましたので、
何も迷うことなくすぐに申し込みました。

昼少し前に出発のMAXたにがわ号に乗って一路、越後湯沢へ。その後特急はくたか号に乗り換え
富山駅に着いたのが夕方の4時過ぎでした。風の盆の期間は25万人もの人出が見込まれるとの事
でして、富山駅構内も人の多さでごった返しておりました。
添乗員の方が用意して下さったうちわ仕様の整理券は、富山から越中八尾駅に向う高山線に乗車
するのに混乱や事故を避けるため、あらかじめ番号がふられていて、乗車する列車の時刻と車両
も決められているものでありました。(ちなみに私たちは9番のうちわでした)
番号別にうちわの色も分れていて、とてもわかりやすかったです。
5時12分の高山線に乗るまで小1時間ほど待つこととなり、私たちはその間に買い物を済ませ
帰りの荷物を軽くするために宅急便で送る手配もしました。やれやれこれで一安心。

高山線は単線のため途中何度か停車して逆行の列車をやり過ごしておりましたが、ほどなくして
目的地の越中八尾駅に到着。駅前は地方独特の雰囲気で見事に何もありませんでしたが、
どこか懐かしさを感じさせる出店が軒を連ねていて、通りを賑わせておりました。
駅の周辺は「福島地区」と呼ばれる町で、それぞれの町で身に纏う着物も踊り方も若干
違いがあるそうで、その町まで足を伸ばさなければそれぞれの踊りも堪能出来ないと知り、
時間に限りもあったため私達は福島地区以外の町へ足を運べず非常に残念でありました。

越中おわら節の生演奏と生歌声を初めて耳にしまして・・・・、勝ち名乗りを上げる凱旋
の祭り、青森のねぶたとは真逆で、風の盆は暴風を吹かせて農作物に被害をもたらす悪霊
を歌と踊りで鎮め豊作を祈る祭りであるためか、その音色には非常に温かみがあり、じっと
耳をそばだてているだけで心にじんわり染み入って来て、何故か涙が滲んで来るのです。
編み笠を目深にかぶった男女の静かで優雅な舞は、その指先からつま先にいたるまで
心が籠っていて、うっとりと見入ってしまうほど美しいものでした。
私は特に、男踊りのきりりとした佇まいに思わず目が釘付けとなりました。

ただ、時間があまりにも無かっため、歌と踊りを思う存分堪能できなかったのが悔やまれます。
それぞれの町の有志の方たちで、歌と踊りを披露しながら町中を練り歩く「町流し」は、
夜9時以降から明け方まで行う事もあるそうで、その美しさをこの目で観るにはやはりきちんと
宿を押さえておく必要があるため、今回のような強行軍のにわか旅では到底計り知れない
味わい深さがこの『風の盆』には潜んでいるのだと言う事を実感する旅でありました。

もう一度、足を運びたいです。是非。