首都・東京の安全を守る警視庁。2020年東京五輪・パラリンピックに向け職員に禁煙を勧めるが、苦戦を余儀なくされている。特に、男性の多い捜査部門の喫煙率が高く、計画目標の達成も難しい状況だ。一方、6月に都議会で行政機関や飲食店を原則禁煙とする受動喫煙防止条例が成立したことから、同庁幹部は「このチャンスを職員の禁煙につなげたい」と意気込んでいる。

 同庁健康管理本部によると、2013年度の喫煙率は36.9%(男性41.1%)。ここから10年で10ポイント下げる目標を掲げた。17年度は33.7%(男性37.5%)と改善しつつあるが目標にはまだ遠い。ちなみに、都知事部局の男性喫煙率は16年度19.2%だった。

 長時間、緊張を強いられることもある捜査部門ではさらに高い傾向にあるという。「たばこは息抜きとコミュニケーションの道具」(ベテラン捜査員)という声も根強く、井上明裕本部長は「かなり厳しい状況だ」と顔を曇らせる。

 そこで力を入れるのが年3回開催の「禁煙教室」だ。健康被害の講演や肺年齢の計測、ニコチンパッチの配布などを実施。さらに同僚を禁煙サポーターに任命し、保健師が電話で経過を聞くなどしている。この1年で約100人が参加、半数近くが禁煙に成功した。井上本部長は「禁煙には周囲の支援が欠かせない」と強調し、今後は成功者が体験を語る機会を増やす考えだ。

 小池百合子知事は4月から都庁職員に「勤務時間中の喫煙禁止」を課したが、警視庁ではあくまでも本人に禁煙を促すという。一方、本部庁舎各階や警察署屋内にある喫煙室は、都条例成立を受け来年9月までに閉鎖し、屋外喫煙所に集約する方針だ。

 10年前まで1日1箱を吸う愛煙家だった井上本部長。家族の勧めもあり、禁煙に踏み切った。今では「階段で息が上がらなくなり、やめて良かった」と実感。「いざという時に力を出せるよう禁煙に取り組んでほしい」と呼び掛けている。 

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刑事とタバコというと、石原裕次郎、渡哲也、舘ひろしがTV『西部警察』(1979~1984)で紫煙をくゆらせていたのをおもいだします。

しかし、石原氏は、死去。渡氏と舘氏は、すでにタバコと縁を切って何年も経っています。もはやタバコを吸いながら捜査という時代ではないでしょう。取調室も禁煙だといいますし、警視庁のみなさんは早くタバコと縁を切ったほうが楽なはずです。

何度も紹介していますが、タバコで息抜きは単なる勘違い。ニコチン依存症の人は、タバコの離脱(禁断)症状から解放されて一服した瞬間だけホッとするものの、タバコを消したその瞬間から離脱症状が始まり、逆に苦しさが増します。かつての貧乏英語塾長は、その離脱症状が嫌で、1日60本から100本吸っていました。愚かです。

警視庁のみなさんも、本部長を見習って、離煙してみると、ずいぶん楽になるとおもうのですが。