少し古くなってしまったが、気になる記事を見つけたので、以下、転載させて頂く。
※ ※ ※(転載開始)
育児中にがんと診断、年間5.6万人 がんセンター推計(朝日新聞:2015年11月5日)
国立がん研究センター(東京)は4日、18歳未満の子どものいる国内のがん患者が年間約5万6千人発生しているとする初の推計結果を発表した。
2009年から13年までに同センター中央病院に初めて入院したがん患者のデータをもとに都道府県のがん登録のデータなどから推計した。患者の平均年齢は男性46.6歳、女性43.7歳。子どもの総数は約8万7千人に上り、0~12歳が63%を占めた。
2011年に国内で新たにがんと診断された患者は推計で年間約85万人とされ、今回の約5万6千人は患者全体の約7%に相当する。
がんの宣告は、患者本人だけでなく、子どもにも大きな影響を与えるとされる。同センターがん政策科学研究部の担当者は「患者や子を多方面から十分にサポートをしていく体制が不可欠」と話す。(石塚広志)
(転載終了)※ ※ ※
私が初発手術で入院したのは2005年2月、43歳7ヶ月の時だった。1月末生まれの息子はその時9歳になったばかり。小学校3年生だった。この調査開始期間より4年前のことだが、患者数や状況はそれほど大きく変わっていないだろうから、この調査結果のほぼ平均年齢くらいに位置し、12歳以下の子どもが63%を占めたという結果に、そのまま対応しているのではないかと思う。
親ががんという病気になったということが子どもにも大きな影響を与えるというのは、哀しいけれど紛れもない事実だ。というのも、がんは“死の病”というイメージが強すぎるから。子どもたちが普段見るドラマや映画には、お母さんやお父さんががんで亡くなっていくものが数多くある。それもとてもとても苦しみながら・・・。もっと普通に暮らしている様子を伝えるべきではないだろうか。
私自身、初発の時には息子にきちんと病名を伝えることができなかった。もちろん再発はしないつもりでいたから、5年間のホルモン剤内服で克服するつもりだったためだ。日々ノルバデックスを飲むにつけ、気持ちが悪くなったり気分が塞いでイライラしたり、という副作用もあったけれど、それがどういう薬なのかも踏み込んだ説明はしなかった。
けれど、術後3年経たずして再発・多発遠隔転移し、命の限りがよりリアルに見えてしまった時、そして、その後の治療による副作用(脱毛や吐き気、倦怠感等)が隠し切れないと悟った時、さすがに黙っているわけにはいかなくなった。それでも1月初めの診断確定後、中学に入学してなんとか新しい生活が軌道に乗るまで、およそ4か月ほど待った。うまく説明することが出来たかどうかは分からないけれど、とにかく大切な君とお父さんのためになるべく長く生きたいから精一杯頑張る、決して辛い治療から逃げないから、と言った記憶がある。
思春期の頃、彼なりに色々傷つくことはあったのだと思う。今もどのくらい現実を受け止めているのかについては直接訊いたことがないので、正直分からない。けれど、たまにこのブログも読んでいるようだから、そうそう楽観しているわけでも悲観しているわけでもないだろう。
そういう意味で、このブログは私にとって面と向かって言えないことを伝えるための大切な息子へのメッセージでもある。
子どもにとって親というものはいつまでも居続けてくれるような、いわば不死身の存在なのではないかと錯覚することがあるようだ。けれど、親にしてみれば大切な子どもだからこそ、隠すことなくきちんと事実を伝えることが必要なのではないか。
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育児中にがんと診断、年間5.6万人 がんセンター推計(朝日新聞:2015年11月5日)
国立がん研究センター(東京)は4日、18歳未満の子どものいる国内のがん患者が年間約5万6千人発生しているとする初の推計結果を発表した。
2009年から13年までに同センター中央病院に初めて入院したがん患者のデータをもとに都道府県のがん登録のデータなどから推計した。患者の平均年齢は男性46.6歳、女性43.7歳。子どもの総数は約8万7千人に上り、0~12歳が63%を占めた。
2011年に国内で新たにがんと診断された患者は推計で年間約85万人とされ、今回の約5万6千人は患者全体の約7%に相当する。
がんの宣告は、患者本人だけでなく、子どもにも大きな影響を与えるとされる。同センターがん政策科学研究部の担当者は「患者や子を多方面から十分にサポートをしていく体制が不可欠」と話す。(石塚広志)
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私が初発手術で入院したのは2005年2月、43歳7ヶ月の時だった。1月末生まれの息子はその時9歳になったばかり。小学校3年生だった。この調査開始期間より4年前のことだが、患者数や状況はそれほど大きく変わっていないだろうから、この調査結果のほぼ平均年齢くらいに位置し、12歳以下の子どもが63%を占めたという結果に、そのまま対応しているのではないかと思う。
親ががんという病気になったということが子どもにも大きな影響を与えるというのは、哀しいけれど紛れもない事実だ。というのも、がんは“死の病”というイメージが強すぎるから。子どもたちが普段見るドラマや映画には、お母さんやお父さんががんで亡くなっていくものが数多くある。それもとてもとても苦しみながら・・・。もっと普通に暮らしている様子を伝えるべきではないだろうか。
私自身、初発の時には息子にきちんと病名を伝えることができなかった。もちろん再発はしないつもりでいたから、5年間のホルモン剤内服で克服するつもりだったためだ。日々ノルバデックスを飲むにつけ、気持ちが悪くなったり気分が塞いでイライラしたり、という副作用もあったけれど、それがどういう薬なのかも踏み込んだ説明はしなかった。
けれど、術後3年経たずして再発・多発遠隔転移し、命の限りがよりリアルに見えてしまった時、そして、その後の治療による副作用(脱毛や吐き気、倦怠感等)が隠し切れないと悟った時、さすがに黙っているわけにはいかなくなった。それでも1月初めの診断確定後、中学に入学してなんとか新しい生活が軌道に乗るまで、およそ4か月ほど待った。うまく説明することが出来たかどうかは分からないけれど、とにかく大切な君とお父さんのためになるべく長く生きたいから精一杯頑張る、決して辛い治療から逃げないから、と言った記憶がある。
思春期の頃、彼なりに色々傷つくことはあったのだと思う。今もどのくらい現実を受け止めているのかについては直接訊いたことがないので、正直分からない。けれど、たまにこのブログも読んでいるようだから、そうそう楽観しているわけでも悲観しているわけでもないだろう。
そういう意味で、このブログは私にとって面と向かって言えないことを伝えるための大切な息子へのメッセージでもある。
子どもにとって親というものはいつまでも居続けてくれるような、いわば不死身の存在なのではないかと錯覚することがあるようだ。けれど、親にしてみれば大切な子どもだからこそ、隠すことなくきちんと事実を伝えることが必要なのではないか。