ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2017.8.1 教科書は真っ白!~ハタフローヨガ・インテンシヴコース1日目

2017-08-01 21:35:57 | ヨガ
 均整術の基礎コースが終わり、まだ何の復習も実践もしていないのに、性懲りもなくまたしても新しいコースを始めてしまった。
 ハタフローヨガ・インテンシヴコースだ。半年間にわたり月1日、1回3時間の6日間。瞑想ヨーガ指導者養成コースのスペシャルゲストだったM先生が講師だ。会場は大好きなSさんのスタジオ。

 指導者養成コース、均整術でご一緒したHさんからこのコースのことを伺い、とても心惹かれたのだけれど、これまでにM先生のハタフローヨガのクラスを受けているという参加条件をクリア出来ないし、Sさんの瞑想ヨーガに比べてよりダイナミックに身体を動かすクラスだから何より体調面の不安もあり、ちょっと無理だろうなと半ば諦めかけていた。

 けれど、日程を見れば全て治療後、体調が上向きになってくる曜日の開催だ。プライベートでもM先生と懇意にされているHさんに繋いで頂き、直接体調等の事情を説明して受入れを確認したところ、有難いことに「歓迎します」とOKが出た。

 そして無事初日を終えた。
 定員20名のところ受講生は21人。早々に満員御礼になり、キャンセル待ちで涙を飲んだ方もいらしたという。見回せば現役インストラクターがかなりの数おられるし、いかにもしなやかな体つきでお上手そうな方ばかり。私のような高齢のポンコツは場違いだったかも・・・という思いでちょっとしょんぼりしかけたが、こうして導かれたのはご縁だ、と皆さんの胸をお借りすることに。

 まずはマットを車座にして入学セレモニー。M先生は淡いピンクの華やかなサンドレス姿だ。スタジオ正面にはいつも見慣れたガネーシャ像が置かれ、その前にはお香が炊かれている。隣にはピンクの薔薇を飾った一輪挿し。その周りには大きなアメジスト等いくつものパワーストーンが置かれている。そしてその横には、テキストらしい厚い冊子が積み重ねられている。

 出席簿順に並び直し、一人1冊教科書を頂く。開けてみれば中は真っ白。“教科書は自分で作れ”というメッセージだという。その心は“マニュアルにしてもなかなか見返すことはない。皆に共通の本当に大切なことは憶える筈だから、この冊子は自由に使ってほしい、どうしても大事なことは板書したり、ゆっくり話すので書き写すように”だ。初めのページにはクラスの7つのルールを書き込んだ。

 6日間、毎回宿題が出るので6分割して(帰宅して数えたら400頁近くあった!)使い、これからの半年間いつも持ち歩いて、感じたことをすぐに記録できるようにしてほしい、レッスン後の体感を残しておくこと、気になることや自分の課題等、その感情を残しておくように、とのこと。

 その後自己紹介タイム。今回のコースに参加した目的を具体的に一人1分でお披露目。皆、M先生が大好きという方たちばかりだから「とにかく(先生に)会いに来ました!」というのが本音のご様子。私は指導者養成コースの時に初めて先生のレッスンを受け、笑ってしまうほど全然出来ないのに本当に楽しかったこと、ようやく少しずつ(半世紀以上も生きてきて今頃になってだけれど・・・)自分の身体の扱い方がなんとなく分かってきたところで、またそれを味わってみたいと思って参加させて頂いたこと、病と共存できるようにワクワクしながら免疫力アップさせられるように頑張りすぎずに頑張ります、とお話した。

 今回のM先生のハタフローヨガが、Sさんの瞑想ヨーガと比べて大きく違うのは、より「肉体を使う」ヨガであること。ヨガには実に色々な流派があり、全てのヨガが身体だけを使うものではないけれど、このハタヨガのフロースタイルは、何より身体にフォーカスを当てるもの。
 日々短い時間でフレキシブルに身体を整え、肉体を自由にコントロール出来るようになることは喜びに満ち溢れたこと、自分の身体に愛着を持つ感覚を養えることはとてもストレスフリーなことだ。

 気付きがある状態、即ち練習を行う上で何に気付き、何を感じるのかは練習を深めていく上で欠かせないこと。自分に意識を向け、自分を見つめている状態で練習していくことが大切だ。練習を重ねていけば、行っている間ずっと自分を見つめていることが出来るようになる。たとえ途中でその意識が途切れてもそれに気づき、また戻ることが出来る。

 人と比べたり、周りと比較する必要はなく、自分に意識を向けて冷静に淡々と悔やまずに続けることが大切だ。というわけで、初日は普通の練習では行わない、ちょっと動いたら止まってそのモードを切らさずに記録していく、という体験をした。
 半年後このコースが終わった時の自分の身体の具体的なヴィジョンを持ちながらやってみましょうとのこと。

 お話が終わったところでマットを引き直し、チャイルドポーズからスタート。ダウンドッグ、プランクなど太陽礼拝のポーズを少しずつ区切りながら行う。その後3人グループになってやりながら感じたことをシェアしあう。

 リラックス出来るポーズの筈なのになかなかリラックスが出来なかったり、無心になれなかったり。緊張が段々ほぐれていくのを感じたり、自分自身が呼吸を深く行いながら、周りの方たちの息遣いを感じられたのが良かったとお話すると、先生から自分を見つめながら周りを感じられるということ、視界が俯瞰的になるのはとても良いことですね、とコメントを頂いた。
 各々のグループからも色々な気付きがシェアされる。空っぽの状態なのにとても満たされている感覚を味わえたのは何故だろうなどなど。

 自分のポーズはこれでベスト、と決めてしまうとそこで終わってしまう。微調整しながらもっと快適な状態を目指すことが可能だ。満足してしまったら本当のリラックスは見つからない。課題が見えてくるのは良くないことや、弱点などではなく、先を目指すためのチャンスだから、明るく軽やかな気分で、眉間に皺を寄せず優雅に取り組んで欲しいという先生からのコメントを味わう。

 なるほど、これはヨガの練習だけでなく日常生活全てに通じることだ。これでよい、と線を引いてしまえばそれでおしまい。仕事もそう。もっと何か工夫は出来ないか、もっと快適に美しく処理する方法はないかなどなど。うーん、奥が深い。
 一方、動かしづらい場所や自分の癖がわかったと思ったときに「こんなにやっているのにまだまだちっともダメだ・・・」と思って練習するのと「まだこれだけ伸びしろがあるんだ、ラッキー!」と思って練習するのでは成果は全く異なる。

 自分の身体は自分しか動かせない。先生が変えてあげたと思うのは指導者側の奢りで、いくら先生が変えられるようにしてあげても、実際にその状態に変えたのは本人という言葉に励まされる。

 最後に、インストラクターをされている若い方2人をモデルにして、古典スタイルと現代風にアレンジされた太陽礼拝の動きを一つ一つ分解しながら先生が解説・アジャストされた。この一連の流れを覚えれば、実際にクラスに参加出来ない時でも練習できる。少しくらい間違っていても心配無用、やり易い気分の良いやり方で気楽にやってほしいとのことに、これまた励まされる。

 こうして終始ワクワクしながら(これぞ免疫力アップのベストな手法だと思う。)あっという間に3時間。次回までの課題整理をしてクラスが終了した。
 これからの1ヶ月、自分なりにどう過ごすかが、ポイントだ。夏休みの宿題がある、大人になって忘れていたこの感覚が蘇り、嬉しいと感じる。

 最後に21人全員にムーンストーンのペンダントが渡された。毎回クラスの時にはこのお守りと自分教科書を必ず持参するように、とのこと。ムーンストーンは私の誕生石でもある。御礼のご挨拶とともにそう言ったところ、M先生も同じ6月生まれとのこと。

 これから半年間、自分を見つめ自分に向き合いどんな進化が出来るのか、楽しみなことである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする