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リオデジャネイロ五輪 治安 地獄へようこそ 犯罪発生率 安全情報

2016年07月26日 12時02分30秒 | リオデジャネイロ五輪
治安の悪さ 世界的に突出 リオデジャネイロ


「地獄へようこそ」と書かれた横断幕 出典 Narinari.com

 7月4日、五輪開幕まで約1か月となったブラジル・リオデジャネイロの空港で、警察官や消防官が「地獄へようこそ」と書かれた横断幕を掲げ、給与未払いの現状に抗議した。
 抗議デモが行われたのは、リオデジャネイロ五輪に向け、観光客約50万人の玄関口となるアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港。デモには、警察官や消防士ら100人以上が参加したという。
 職員らが掲げた横断幕には、「地獄へようこそ。警察と消防士には給料が支払われていない。リオデジャネイロに来る人は誰も安全ではない」と書かれていた。
 今年に入り、リオデジャネイロでは殉職した警察官が50人を超えている。床に 今年に入り、リオデジャネイロでは殉職した警察官が50人を超えている。床には制服姿のマネキン並べられ、これらの殉職者を象徴するものだという。
 空港に降り立った海外の人たちは、「地獄へようこそ」という横断幕に、思わず目を見張っただろう。
 リオデジャネイロ州は深刻な財政難直面し、警察官や消防官には給与が数か月も十分に支払われていないという。
 五輪期間中は、州が治安を担当する通常の体制とは異なり、全国から8万5千人の軍と警察が動員されて治安維持にあたることが決まっている。
 またブラジル政府は治安確保の費用として州政府に29億レアル(約916億円)の緊急支援することを決めた。州政府は救急隊員や教師、病院職員、刑務官らに対して、未払い分の支払い手続きを開始したという。
これで五輪大会開催中のリオデジャネイロ市の治安は確保できるとし、不安の沈静化に必死である。


治安が悪化しているリオデジャネイロ
 国連の統計では、殺人事件発生率(人口10万人当たり)は日本の約90倍に達しているとされている。ブラジルの都市部では、窃盗、ひったくり、スリなどは当然のこと、殺人・強盗・強姦などの凶悪犯罪、拉致・誘拐は市街地で日中でも発生している。凶悪犯罪のほとんどは社会に蔓延している銃器が使用される。
6月下旬、五輪でビーチバレー会場となるコパカバーナ海岸では女性か10代とみられる切断された遺体が発見された。
 2015年、リオデジャネイロでは、殺人事件が1205件、1日平均3.3件、強盗事件は81740件、1日平均224件が発生し、状況は昨年よりも悪化しているという。
 6月19日には、五輪中の指定医療機関となる基幹病院を麻薬犯罪組織が襲撃。警察に拘束されて入院していた組織のリーダーを奪還した。警察部隊は組織の摘発に乗り出し、今月1日までに120人を拘束、5人を殺害。しかし、リーダーはまだ逃亡しており、各地で警察と組織との銃撃戦が続いているという。
6月30日には、五輪を取材するドイツの放送局2社の機材を運んでいたトラックが襲撃され、機材が入っていたコンテナが奪われたという。
トラックは五輪メイン会場があるバーラ地区に向かっていたが、2台の車に分乗した犯人グループが襲撃。運転手を人質に取ってトラックとコンテナを奪った。
 機材は計150万レアル(約4700万円)の価値があるという。容疑者は捕まっていない。
リオデジャネイロの治安の悪化はとどまることを知らず、リオデジャネイロ五輪開催にとって、最大の「頭痛の種」で「難題」となっている。

 在ブラジル日本大使館によれば、ブラジルでは銃器を使用した殺人や強盗等の凶悪犯罪が多発し、犯罪手口も凶悪化しているとしている。貧しい人々が住むファベーラ、貧民街が市内に約1000カ所も点在しており、違法薬物の売買や強盗などの犯罪の温床となっている。人通りの多い商業地区でも警察と強盗団の銃撃戦が昼夜問わず発生しており、流れ弾で多くの市民が死傷しており、観光地でも、観光客を狙った拳銃、ナイフ等を用いた強盗事件が多発しているとしている。
 強盗事件については、繁華街で歩行者を狙った路上等での強盗、自動車を狙った強盗、住宅での強盗が日常的に発生している。さらに、バス・鉄道・地下鉄などの公共交通機関での強盗事件も多発している。リオデジャネイロ市では2016年1月だけで、バス車内で462件の強盗事件が発生したとされている



路上強盗 出典 Youtube

 リオデジャネイロ市の2014年の人口10万人当たりの犯罪発生率を日本との比較すると、殺人が約25倍(2014年は23倍)、強盗は約660倍(20134は510倍)と極めて高水準で推移している。


出典 在リオデジャネイロ日本国総領事館 海外安全対策情報第1四半期

リオ観戦「常に警戒心を」 「歩きスマホ危険」、「バス内も危険」 外務省が「安全の手引き」

 7月23日、外務省はリオデジャネイロ五輪の日本人観戦客向けに「安全の手引き」を作った。現地は人口10万人あたりの強盗件数が日本の660倍と世界有数で、殺人件数も25倍。「常に警戒心を持たなければ、誰もが被害者になり得る」を注意喚起をした。。
 リオデジャネイロ市内発生する強盗の半数が路上強盗である。現地では換金性の高いスマートフォンを狙った事件が目立つといい、外務省の担当者は「歩きスマホ」は危険と話している
 リオ市内では格安の移動手段でもあるバス内での強盗も多発、今年4月だけでも490件の事件が起きており、「バスはリスクのある乗り物」として利用を控えるよう促している。
 強盗に遭遇した際のポイントは「要求された金品は素直に渡す」。強盗の目的は物取りで、金品を渡せば立ち去るケースが多いからとされている。
リオ五輪でテロ計画10人逮捕 ISに共鳴
 7月21日、ブラジルの連邦警察はリオデジャネイロ五輪でテロを計画していたとして、21日、ブラジル人10人を逮捕した。ジモラエス法相が同日、記者会見で発表した。 
過激派組織「イスラム国」(IS)に共鳴し、ブラジル国内でテロの準備を進めていたことが確認されたとされている。

 発表によると、10人は数カ月前から内偵捜査の対象となっており、1人は18歳未満の未成年。さらに2人を指名手配している。警察が盗聴していた仲間同士の電話の内容や対話アプリ「ワッツアップ」などのやり取りによると、逮捕された10人はISへの称賛を繰り返しており、パラグアイのインターネットサイトから自動小銃を買おうとしたり、格闘技や武器の操作の訓練をしたりしていた。だが、10人は連絡を取り合っていただけで、実際には面識はなかったという。
 ジモラエス氏は「すぐに逮捕に踏み切ったのは、ISへの称賛にとどまらず、実際にテロの準備が始まったからだ」としたが、「メンバーが直接、ISと連絡していた証拠は見つかっていない」と語った。
 10人は、インターネット上で知り合ったあと、スマートフォンなどでメッセージをやり取りできる複数のアプリで会話やメールでの連絡を繰り返し、この中で、過激派組織IS=イスラミックステートに忠誠を誓ったり、インターネットを通じて隣国のパラグアイで武器を購入する計画などを話し合ったりしていたという。
 モライス法相によりますと、ブラジルでオリンピックが開催され、多くの外国人が訪れることから計画されたとみられるということですが、五輪中に具体的にどこを標的にしようとしたかは不明で、計画は初期段階だったとされている。
 フランス南部のニースで起きたテロ事件を受けて、リオデジャネイロオリンピックの開幕を来月5日に控えたブラジル政府は、大会期間中の警備態勢の強化に乗り出していた。テメル大統領代行は7月15日、軍や警察、それに安全保障を担当する機関の担当者らを集め、8月5日に迫ったリオデジャネイロオリンピックの警備態勢について検討する緊急の会合を開き、8万5000人の兵士や警察官などを配置するとしていた。
 ブラジルでは、2016年3月、テロの準備段階でも関係者を拘束できるとする法律が施行され、今回この法律を初めて適用したとされている。

(出典 7月22日 朝日新聞 NHKニュース)

 ブラジル史上始まって以来の汚職事件、破産寸前のブラジル経済、ジカ熱、水質汚染問題、治安問題、そして急浮上したドーピング問題、解決策のメドを見出せないまま、間もなく南米で初のリオデジャネイロ五輪が開幕する。
 リオデジャネイロ五輪観戦も“命がけ”になりそうである。身の回りを守ること精一杯で、五輪競技をのんびり楽しむ雰囲気ではなさそうだ。オリンピックとは、一体なんだったろうか、2020東京オリンピック・パラリンピックまで、あと4年に迫っている。






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2016年7月26日
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廣谷  徹
Toru Hiroya
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代表
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President
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