JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

佐藤多佳子「いつの空にも星がでていた」

2024-05-06 | BOOK
「いつの空にも星が出ていた」佐藤多佳子著
講談社

昨年のシーズン終了間際に買って読んでいたが、3作目のストラックアウトでダレてしまって頓挫。
GW中、自宅wi-fiの調子が悪いので継続読書。公園のベンチで最後の「ダブルヘッダー」を読んでいたら止まらなくなり読了。
ベイスターズ・ファンなら一読の価値ある連作短編。

背景のチーム状況は実名ノンフィクションで物語を推進する登場人物は全て虚構。特にモデルがあるわけではないそう。
これは所謂「巨人の星」システムと勝手に呼んでいるものでエンタメとしては好きな形式。

レフトスタンド

パレード

ストラックアウト

ダブルヘッダー

プロローグ的な「レフトスタンド」から期待を持たせる。1984年神宮の大洋ホエールズ、選手は遠藤一彦しか出て来ない。
囲碁に興味のない囲碁同好会顧問の高校教師が野球に興味がない高校生を神宮に連れて行く。
初めての野球場体験の様子がリアルに描かれていて良い。

「パレード」は優勝した1998年、予備校に通う女子高生と彼氏。
懐かしさを伴って一気に読める。四半世紀前の快挙がついこの間のように蘇る。こんなに古い話を上書きされずに楽しめるのは横浜ファンであるための特権というのは何だか皮肉。

「ストラックアウト」は木塚投手のいた低迷期、いや暗黒期かな。稼業の電気店を継いだ若者とお得意さんのひねくれたベイスターズ愛。

「ダブルヘッダー」最後に読んだこれが一番良かった。少年小説としても爽やかな読後感。主人公少年の少年野球事情も詳しく語られる。本人も絶対的中心選手じゃない所が良い。三浦大輔はファンから過大評価されているように感じるのだが、なるほどそうだよな、と思わせる。

とても楽しく読めた。

いつの日か佐藤多佳子さんいよる3度目の優勝を背景とした群像劇を読める日が来るだろうか。
それを読む自分をなかなか想像できない。

横浜進化

今年のハマスタには各選手一人一人、思いの一言が刻まれている。

ご贔屓の関根きゅんは「優勝したい」

TBSからDeNAになって多くの事が改善され夢を描けるようになり、スタジアムにお客さんが沢山訪れるようになった。
DeNAも12年。楽天は8年で優勝したんだぞ。

ファンは様々だろうけどDeNAという会社はもっと儲けより優勝を本気で目指して欲しいものだ。筒香1軍昇格の日。



5月7日追記

本文投稿後TVKにて対スワローズ戦観戦。
筒香のNPB復帰1軍昇格戦を冷ややかに懐疑的に見ていた。もう少しで本塁打という当たりの二塁打が出て、少し安心すると同時にあそこで入らいかな。と、救援陣が持ちこたえられず敗色濃厚となった8回、佐野の適時打で1点返して2者を置いて6番筒香。ここで逆転本塁打ってわけには行かないんだろうなと思う間もなく打ちやがった。冷ややかにみていた自分も絶叫した。興奮した。
いづれ、佐藤多佳子さんは優勝の前に、この日を迎えるまでの筒香選手を背景に書いてほしい。と思った。

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