JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

町田康 「夫婦茶碗」

2012-10-06 | BOOK


町田康、初体験。
パンクロックが流行りだした頃を境にロックから離れちゃったので、パンクの事をほとんど知らないというのが残念でなりません。
ましてや日本のパンクなんて、完全に未知の世界。ミュージシャン町田康がどれだけ良いのか悪いのか、さっぱり解らんのですが・・・。小説も評判になっていましたが、現代作家に近づくとガッカリする事が多いのでなんとなく接触しなかった。
西村賢太の文庫に書いていた解説が面白かったので・・・

これ、実は去年読み始めたんですよね。
「夫婦茶碗」を読んで「人間の屑」を途中まで読んだところで気乗りがしなくなったのと、もっと他に読みたいのが出てきたので中断。
こんな形で中断すると、もう読了しない事が多いんですけど。

中断までは、確かに面白いんだけど「何故、落語口調なんだよ。」とか、筒井先生との類似点もあったりして。何か好きな物の近親憎悪みたいな感情ってあるんですよね。実際、筒井色を感じた作家で許せたのは時代を遡った山田風太郎ぐらい。

ところが、また読む本が無くなって、再チャレンジ。そうしたら、何故か今度は実に素直に受け入れる事ができました。

筒井先生の言う所の高度な思考実験。あの狂気を受け継ぐ者として、これは実に面白い。告白している人物がまったく労働という物に就く事に向いていないダメな奴。でも、その狂気の中にチラリと覗く妻への愛、子への愛、って・・・、なんじゃ、こりゃ。

これはもう少し、他の作品にも手を伸ばして行く必要がありそう。

西村賢太が追いつき始めたので、良い頃愛で出会ったものよ。

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