JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「東海道四谷怪談」

2009-09-03 | 映画(DVD)
「没後25周年 中川信夫レトロスペクティブ」

「東海道四谷怪談」1959年 新東宝 監督:中川信夫

浪人・民谷伊右衛門は、身持ちの悪さを理由にお岩との仲を引き裂かれたのを恨みに思い、お岩の父・四谷左門と佐藤彦兵衛を殺す。2年後、伊右衛門はお岩と夫婦になったが、すでに二人の仲は冷え切っている。たまたま伊藤喜兵衛の娘・お梅を救ったことから伊右衛門に養子縁組と仕官の道が開けてくる。お岩を邪魔に思った伊右衛門は、お岩に毒を盛り、あんまの宅悦との不義を理由に殺してしまう。晴れてお梅と祝儀をあげた伊右衛門だが・・・

数ある四谷怪談の中でも最高傑作という噂。怪談の名手中川信夫監督。
誰でも子供の頃から慣れ親しんだ四谷怪談。あまりにも沢山映画化されていて、幼い頃テレビで見た映画「四谷怪談」はこれだったかしら?と・・・
すぐにこれでは無い事が判明。これ、カラー作品だったんですね。

原作を非常にシンプルで判りやすくまとめているといった感じ。
全編に渡る時代劇としての様式美。
四谷左門殺害の場での芝居がっかった演出などを見ると、普段あまり見ない時代劇でも、なかなかいいものだなぁとうっとり・・・
59年ではあるけど総天然色の魅力をあますところなく使った色彩感覚。
三味線を弓で弾くなどした(上映後のトークイベントによる)渡辺宙明の邦楽器による音楽。
毒薬を煎じ飲ませる天井からのカメラワーク。
蚊帳を使った巧みな映像。
お岩が果ててからはお化け屋敷大会。

天知茂の伊右衛門は薄情そうな薄い唇に凄みがある。それでも悪人になりきれない一介の浪人役を好演。亡霊に畏れ次々と伊藤家を誤殺しまくるテンポの良さなど。
若杉嘉津子のお岩は武士の妻だがもう少し宅悦(大友純)にやられても良かったかな。もうチョイ、エロく・・・だらしがないぞ大友純。

なるほど、監督自ら代表作と語る映画でありました。

トークイベント:渡辺宙明氏
特撮ヒーローアニメの音楽でお馴染み。
見た目より話が古いので調べたら84歳ですと。お若いです。
楽器を使わず五線上、頭のなかで想像しながら作ってきた。現在のシンセサイザーやPCを使っての作品作りの弊害にも触れられ・・・
さりげなく自画自賛する様が可笑しい。

中川監督からの年賀状では何度となく「四谷怪談は名曲なり」の言葉があったそうです。

シネマート六本木

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