JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「愛のむきだし」

2011-01-06 | 映画(DVD)
「【新文芸座10周年記念】00年代 もう一度スクリーンで観たい映画はこれだ!」

「愛のむきだし」2008年 ファントムフィルム 監督:園子温

敬虔(けいけん)なクリスチャンの家庭に育ったユウ(西島隆弘)は、ある出来事を境に神父の父(渡部篤郎)に懺悔を強要され始める。父の期待に応えようと、懺悔のために毎日罪作りに励むうちに罪作りはエスカレートし、いつしかユウは女性ばかり狙う盗撮魔となっていた。そんなある日、運命の女ヨーコ(満島ひかり)と出会い、生まれて初めて恋に落ちるが……。

この作品は気にはなっていたのだけれど、あまりに上映時間が長いという事で怖気づいておりました。
まぁ、何故か年末年始になると超大作を見ても良いんじゃないかという、TVの番組編成に毒された感覚もあり、師走に入っての特集にて観賞。

ありえない漫画チックな展開に疑問を抱きながらも、不思議とぐいぐいとドラマに引き付けられて行く。
面白い、面白い。
鳴りっぱなしのボレロで進行する前半の展開を楽しんで、長時間ものを満喫する年の瀬の幸福を味わったり。

監督の知り合いから見聞した実話(盗撮男の妹の新興宗教団体からの奪還の逸話)を元に作られた。
現代日本人の信仰のあり方なんてテーマを思い浮かべたりするが、ご本人も言うよう(それが照れでなく本当にそうなら)に特にテーマなんて考えて作っていないというスタンスに好感。
ある一つの台詞・言葉からのインスピレーションから物語が作られる過程というのは興味深い。

面白いなと思ったのは、ユウが懺悔のネタ作りのため悪行を重ね不良グループに入る(この不良グループがまた、マンガのように組織立っている)ここでの仲間(みんな、いいやつなんです)との関係がずっと続くんですが、ユウが盗撮の才能を発揮し始めると、大いに感銘を受け弟子入りを志願するんですね。これも、何かに縋っていたい、属していたいという信仰に近い心情なんでしょうな。

未だに私の中では「エリーの満島ひかりさん」最近の活躍ぶりは意外でもあり嬉しい限り。
今回もとっても良かったよ。



他にもコイケの安藤さくら、サオリの渡辺真起子など女優陣。そのキャラクターと共にが素晴らしかった。
まさにむきだしのサオリ。
ベレー帽のコイケの雨に打たれた顔は夢に出てきそう。
比較的まともな(?)満島さんが霞んでしまうほどでした。

ひとつ残念なのはアクション・シーンでのパンチラの多用。これはもっと勿体ぶったほうが良い。
パンチラに関しては、ユウがサソリの女装をするきっかけとなった賭け。仲間とのパンチラ写真勝負。
私の中ではイチゴパンチラよりも、ユウの撮ったパンチラの方に1票ですぞ。
パンチラに関しては個人的にこの監督とは意見が合わないようです。

もうひとつ・・・
これだけの展開で結局、精神病院を使うのは勿体ない気がしました。

監督自ら小説にもしているのでいづれ、そちらも読んでみようと思います。

それにしても、やっぱり長かったですね。途中強引なインターミッションあり。トイレの混む事・・・

池袋 新文芸座

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