東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

今戸系人形?「王子稲荷土狐」

2010-11-02 22:24:57 | 今戸人形(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

2007_0101_000000p1010941 王子の狐といえば、竹串で動く紙からくりのおもちゃが有名ですが、戦前まではこのような「王子」の文字の彫りのある土の狐もあったのですね。以前静岡のIさんからいただきました。

有坂与太郎箸「郷土玩具大成・東京篇」(昭和10年)にも写真と僅かな解説がありますが、今戸町内の産ではない、ということです。地元王子で作られているとも明記していません。一応焼きは入っていますが、大きさの割に手取りが重いです。しかし、土色は今戸の土にも似ています。型の構図は「浅草太郎稲荷」の狐に似ていますが、もっと大型な割には形がぼやけているので、結果的には今戸焼の狐を駆逐してしまった磁器製の向かい狐から型どりしたものではないかと思うのですが、、。ということで型自体はそんなに古いものではないかもしれません。

王子は今戸から隅田川を遡った上流ですし、また山谷堀の水も遡れば石神井川から来ているので地理的には土の成分が全く違うということはないと思います。

王子の飛鳥山では土器投げが盛んであったという話、隅田川上流の小台、宮城、堀船、豊島辺りにも瓦の製造が行われていたようですし、手すさびに作ることは可能だったでしょう。

ついでに「御府内備考」という地誌に王子辺りに16名もの土風炉師がいた(「今戸焼陶説考」・益井邦夫) とか、、?ええー本当に?という感じがしますが、そうだとすれば、王子辺りの産でも今戸焼の範疇に入るのかもしれません。

画像の狐に戻って、これが王子の産であるとは明記されていないのですが、こうしたものを遠くで作らせ送らせるほどの仕入れをするとは考えられないです。

そんな訳で、今戸系人形?としました。このほかに今戸産の鉄砲狐も王子に並んでいたのでしょうか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿