生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信824 ・大手新聞が電力業界に買収されました

2011-03-10 06:23:12 | 日記
おはようございます。沖縄の人をおとしめるアメリカの日本部長の発言は”本音”であり、アメリカにとって日本はしょせん「属国」にすぎないのです。アメリカの世界政策について行くだけでは、日本人の誇りはほこりにまみれさせられるのが落ちです。
生き生き箕面通信824(110310)をお届けします。

・大手新聞が電力業界に買収されました

 大手新聞の昨日(3月9日)の朝刊には、「電気事業連合会」(略称、電事連)の大広告が一斉に掲載されました。まるまる1ページを使い、しかもカラー仕立てですから、全紙で合計いくらの広告費をつぎこんだのか、びっくりするほど多額だったに違いありません。

 広告の内容は、「サイクルクル物語」と名づけた「プルサーマル計画」を宣伝するものでした。「ウランはリサイクルできるのです。資源小国の日本にはうってつけです」という意味を強調するため、キャッチ・コピーは「へぇ、もう1回使えるんだ」としていました。

 それにしても、なぜこの時期だったのか。実は菅政権の事業仕分けが、広告掲載2日前の7日に終わったばかりでした。今年も仕分けを免れて、「プルサーマル計画」は生き延びたのです。

 今回の広告は、「プルサーマル計画は生き延びた」という”勝利宣言”であり、プルサーマル計画を批判しなかった新聞への協力謝礼費です。同時に、「今後も、プルサーマル計画にはあまり触らず、むろん批判はしないで下さいよ。批判したら、広告掲載はしませんよ」という意味合いも含ませたものです。だから、今回広告を掲載した大手紙は、電事連つまり電力業界からの多額の広告費の前にそろって膝を折り、屈服したことを天下に示したことになります。おカネを積まれて、大手紙は買収されたも同然といえます。

 その証拠に、「プルサーマル批判」の記事は今後、大手紙ではお目にかかれないでしょう。

 ところが、日本のエネルギー政策は、原子力発電推進から大きく転換して、自然エネルギー開発へと舵を切り替えなければならない分岐点に立たされています。いや、遅すぎるくらいです。日本は原発推進にこだわり続け、太陽光・熱、風力、地熱、波利用などの自然エネルギーの開発研究面で、完全に水をあけられてしまったのです。ヨーロッパ、なかでもスウェーデンなどでは、自然エネルギーで悠々とやっていける体制を完成させています。

 日本はこの間、「夢のエネルギー」と銘打った「高速増殖炉・もんじゅ」の実用化に巨額をつぎ込んで取り組みましたが、いまや「もんじゅ」は廃炉するしかない無残な結果となっています。昨年も2回の事業仕訳で「見直し」とされながら、結局、事業費の1割削減で生き延びた経緯があります。高速増殖炉計画は、完全に破たんしたのですが、それをごまかすために「プルサーマル計画」がでっちあげられたのが真相です。

 イギリス、ドイツ、そしてアメリカが20年以上前に高速増殖炉開発は「ムリ」と判断して撤退、最後までがんばっていたフランスでさえもあきらめた高速増殖炉開発。この研究開発は、民間電力会社の手に負えるものではありませんから、国の巨額の予算をつけなければ、研究者も維持できません。つまり、私たちの税金をつぎこまなければ成り立たないプロジェクトなのです。

 ジャーナリズムは、この事実を伝え、日本の持続可能なエネルギー政策について周知を集める役割があるはずです。ところが、大手紙はプルサーマルへの疑問を呈することすら放棄したのです。今回の広告にあった、リサイクルするウランとプルトニウムによるMOX燃料自体が、使用済みMOX燃料という極めて危険でやっかいな廃棄物を積み重ねることになります。

 現在動いている原発の使用済み燃料の高レベル放射能廃棄物の処理問題すら、実は解決できていないのです。無責任に高レベル廃棄物を増やし続けているのが、実態です。

 はっきりしていることは、これまで「もんじゅ」や「プルサーマル」につぎ込まれた税金を、自然エネルギーの研究開発に使っていたら、世界最先端の技術を生み出していたということです。それによって、日本は温暖化対策などの環境面でも世界をリードしていたであろうことは想像に難くない。

 多くの人は、自然エネルギー開発の分野でも政権交代に希望を託したのではなかったかと、菅政権の迷走と暴走が残念でたまりません。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿