冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

ラウンド針ノ木 - 7月の雪原を登り、高山植物と黒部の山々の絶景を楽しむ旅(その1)

2015-08-08 11:55:04 | 旅行
密度の濃い山旅でした。
台風の影響で海の日の三連休は最後の月曜日を除いてパッとしないお天気だったようです。そして、それは予想天気図でもハッキリ分かっていたことで、お天気が悪いと登山に行かない私としては無理はしません。その代わり、火曜日と水曜日に有給休暇を取得して万全の態勢で針ノ木岳~爺ヶ岳の縦走に臨みました。
蓮華岳のコマクサが美しく咲き、日本三大雪渓の1つである針ノ木雪渓に雪が豊富で、稜線にも数々の高山植物が咲くこの時期にラウンド針ノ木を敢行する。これは昨年来の計画だったのです。つまり、有給消化も覚悟の上。早くも今年の夏山登山のハイライトです。まあ、そうは言いつつ8月にもどこかに縦走にいくかもですが。

針ノ木岳へのアプローチの拠点は、昨年の9月に鹿島槍ヶ岳に登った時と同じ、扇沢です。例によって夜行バスで眠れない旅をして、朝5時ごろに着きました。この時期は立山黒部アルペンルートを目指す観光客も多いと思いますが、さすがに5時では登山者しかいません。


東側を見るといい感じのお天気。やはりですね、晴れを確信してから行くべきだと思いますよ。年に何回も行けない南アルプスや北アルプスの旅は。ちなみに、写真の一番左側のとがった山が爺ヶ岳の南峰だと思います。昨年も登りましたが、今回も最終日にここでご来光を狙うつもりです。


針ノ木岳への登山道は、扇沢の駅に向かって左奥から始まります。今回はかなり厳しい岩稜帯も通るので、風が強かったりするとテント泊装備では苦戦すると思われたので小屋泊装備で来ました。雪渓を登るのでアイゼンなどの装備を持っているものの、やはりテントに比べると荷物が軽い。序盤からサクサク行きたいところです、が、睡眠不足と高温のため序盤はペースがあまり上がりません。


登山道は何度か林道と交差しながら徐々に高度を上げ、北アルプスらしい涸れ沢も渡ります。道を見失わないように注意しましょう。基本的に、まっすぐ涸れ沢を渡ると大丈夫です。


振り返る。好天を確信。

針ノ木雪渓までは樹林帯を2時間弱の時間をかけて登っていきます。途中にも花が結構咲いていますが、どれも名前を特定できない。ブログやヤマレコの記録を参考にしたいところですが、皆さん稜線の高山植物を中心に写真をアップされているので、樹林帯の花の名前が分からないのです。


これはクガイソウだな。上高地で見たから知ってる。


これはタニウツギ。平標山で見た。


これは不明。


これも。よく見るような気がするが不明。


カラマツソウは分かる。贔屓の花だし。


まあ、ぶなの森が気持ちいいので、花の名前が半分くらいしか分からなくてもよしとしよう。
途中、小さい雪渓を渡る所もあります。時期によっては溶けているんでしょう。スノーブリッジ状態だと怖いので、さっさと渡りました。


あっ、これ初めて見る。キヌガサソウだ。尾瀬でも珍しいという話で、いつか見たいと思っていました。綺麗な株です。


と思ったら、これでもかというくらい群生している。後立山連峰、侮れない。


そんな感じで樹林帯をマイペースで進むと、大沢小屋に到着。ここで軽アイゼンを借りることもできます。


時間も早いので私は休憩もしなかったですが、小屋番の方に挨拶だけしました。親切な感じの山小屋で、夜行バスでなければここに泊まって早朝スタートというのも悪くないと思いました。実際に、前夜は同経営の針ノ木小屋が満室だったこともあり、大沢小屋に泊まって早朝スタートを狙う人で賑わったようです。

その後も30分以上樹林帯を行きます。相変わらず花の名前は半分くらい分からない。マルバシモツケのつぼみですかね。


幅の狭い切り立った道を進むようになると、針ノ木雪渓への取りつきまでもう直ぐです。見えてきました。皆さん、アイゼンを装着中。


私は自分の12本爪を持ってきていました。明らかにオーバースペックですが、重たいという点を除いてオーバースペックで損することはありません。安全第一。余計な出費も抑えられるし。なお、チェインスパイクも一応持ってきていましたが、想像以上に雪渓の傾斜が急なのでアイゼンがいいと思います。
いよいよ挑みます。真夏の雪山。


針ノ木雪渓、日本3大雪渓に選ばれるのだけあります。かなりの急登。最初のうちは夏山装備だと寒いくらいかと思いましが、直ぐに汗だくに。白馬岳の大雪渓にも登られた方と後で話しましたが、針ノ木雪渓の方がずっと傾斜がキツくてたいへんだったようです。写真でも、皆さん序盤から休み休みなのがわかかる。まあ、絶景ですが。




雪渓は大きいので間違った方向に迷い込まないように注意が必要です。右側に寄りすぎると間違い安いようです。


このくらいの傾斜がずっと続きます。


針ノ木小屋の方が鯉のぼりを目印に付けてくれているので、これを頼りに歩けば迷いません。


振り返ると凄い景色。7月の日本は雪山だった。


こういうところは注意しましょう。入り込まないように。よく落石の危険が言われますが、私の登った時はまだまだ雪渓が巨大で石も多くは埋まっている感じで、それほど危ないとは思いませんでした。


青空だけでなく、緑の木々と一緒に真っ白な雪の斜面が一緒に見られるという贅沢。


かなり登ってきた。雪渓登り、後から写真で見ると楽しそうだし、この時期にこの場所でしか見られない絶景でよい思い出なのですが、登っている時はかなりつらいです。ヤマレコレポート書く人は健脚者が多いのか、あまりきついって書いていなかったけど。


終盤、雪渓がこのように途切れてきたらアイゼンを外します。ホント、思ったよりきつかった。温度が高い環境でアイゼン、きついですね。冬山はマイナス10度とかだからアイゼンつけて激しい運動しても大丈夫ですが、夏山でお天気がいいと照り返しも加わって暑いです。


気を取り直して右側を見ると、翌日縦走予定の稜線が見えます。


なお、雪渓を登り切っても針ノ木小屋までは30分以上の道が残されています。途中も雪が多く、雪解け水を汲んで飲んでみるとこれが美味い。手ぬぐいを濡らして汗を拭きます。


この花、前にどこかのブログで見た記憶があるのですが、今調べたところ名前特定できず。あまり多くなかったですが、ワインレッドの花が印象的でした。


雪の道がその後も出てきますが、小屋の方がステップを切ってくださっているので安心。


その後はジグザグのザレた道を行きます。雪渓でやられているのでかなり厳しいですが、徐々に花が増えてくるので元気が出ます。
イワカガミ。


これは何だろう。


贔屓のツガザクラと、


アオノツガザクラ。


チングルマ!


ミヤマキンバイ!


お花畑!


やはり7月の北アルプス、花の宝庫です。そして、こうした花々が増えてきたら稜線は近くです。9時少し過ぎに針ノ木小屋に到着しました。何とこの日は一番のチェックインで、まだ時間が早いので部屋には入らずに荷物だけ置かせていただき、アタックザックで蓮華岳に行くことにしました。

その前に、小屋の前から見える絶景をアップ。これは南側。船窪岳や赤牛岳、左に水晶岳などが見えます。


赤牛岳。でかい。圧倒的にでかい。遠くにあるのに存在感凄い。北アルプス最奥の山の1つですね。最低でも2泊しないと行けないでしょう。普通は。


なお、北側には翌日縦走する稜線から鹿島槍ヶ岳までずっと見渡せますが、この時間は少しガスがかかっていて写真を撮りませんでした。
ラウンド針ノ木、まだまだ続くのですが、暑くて部屋で旅行記書く気力も萎えているので、何回かに分けてアップしたいと思います。
そうしているうちに、来週お天気がよければこの薬師岳方面とかに出かけてしまうかもしれませんが。。。

↓記事がおもしろかったら、投票していただけるとありがたいです
にほんブログ村 経済ブログ 日本経済へにほんブログ村人気ブログランキングへ

↓お勧めの本のリストを作りました。
冷たい風のような火を燃やすものたち

Creative Commons Licence冷たい風のような火 by icyfire is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.1 Japan License


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。