いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第15-1話>ミルクで乾杯♪(1) / ガンダム外伝

2007-08-20 10:38:28 | [小説]ガンダム外伝

<ここまでの話>
「<第1話> から <第12話>までのリンク」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/682baa0483aeeb72a8318be2f14ef424

「<第13話>防衛戦!」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/4a661111cb22be7e9be5de0507a92b06
「<第14話>軍法会議か?・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/a36a64d8648ab658f376df17dfe7ba33

・・・
<補講>
「ガンダム外伝を楽しむための補講(1)ラグランジュポイント」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5568bd9e6a727ee790bc1ebec0e0042c
「ガンダム外伝を楽しむための補講(2)MS運用艦グリフィン」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/6db85f7b1fcf391b3f6bfc42d339cbc1
「ガンダム外伝を楽しむための補講(3)MS小隊の構成と運用」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/f1a12da2cbb09456acce246711ca2997
・・・・・


ヒロ中尉の報告は続く・・

「ただ・・
 ドクロ野郎は、戦闘にはあまり加わってなかったような、そんな感じを受けました
 そこに、リン少尉が加わって・・ 4機対4機の同等となったとき、ドクロ野郎が、
 急に活動を始めたのです・・
 現場に到着したばかりのリン少尉にいきなりかかって来て・・白兵戦に突入・・
 すかざずミィ少尉が援護に入りましたが・・ 2×2での戦闘隊形で対応しました。
 『このドクロ野郎! 大嫌い!』って叫びながら援護していました・・
 ただ・・ どうも、本気でないような、時間稼ぎのような・・
 そうそう・・パプア級にミサイルをかましましたよね、見ててもすごかった・・
 やっぱり、クロヒッツ少佐ですかぁ?・・ さすがっすよね・・
 あの一発でジオンのMSの動きが悪くなりましたから・・助かりました!
 ただ、その後のグリフィンからの攻撃が・・ 無いなぁ・・って・・
 あれは、落とせたかもしれません・・」

「まぁ仕方が無い・・ こっちは急に別の方向から攻められたからな・・
 そして、スカート付きが1機、グリフィンに突っかかって来やがって・・」

「ああ・・ 聞きましたよ、隊長とサミー曹長とがボールで対戦したんでしょ?
 ボールでMSと白兵なんて・・ そりゃ無茶ってもんですが・・
 サミー曹長もやるなぁ・・ 戦闘訓練なんて受けてないでしょ・・
 でも、ザク1機にボール2機で互角ってルナツー通信では言ってますよね・・
 相手はスカート付き・・ リックドムか・・
 まぁ・・野獣の隊長なので、互角っすか?♪」

「いや・・ 俺はやられてしまってな・・ クマ軍曹がジムで撃破してくれた・・
 奴は、エースだな!
 で・・ ドクロ野郎の話だが・・ 」

「う~ん・・ 聞いた内容を繋ぎ合わせると・・ 2隻はグル・・
 奴らの罠にはまっちゃったみたいですね・・
 私達も、ひょっとしたら囮かも・・って・・途中で感じてたのです。
 4機ともこちらに回して大丈夫かなぁ・・って逆に心配で・・
 でも、ドクロ野郎を引き連れて、グリフィンに戻る訳にもいかず・・」

「で・・ なんで、囮と思ったんだ?」

「それは、時間を長引かせるような、敵の攻撃パターンなんです・・
 回避中心の防衛戦に入るのですが、なんか中途半端なんです。
 ですから、こちらも、中々決定弾をぶち込めず・・・
 また、こちらが回避し、艦に戻ろうとするコースに飛んだとき・・
 必要以上に牽制され、艦に戻れないように、はめ込まれましたね。
 そうそう・・ 引き際も見事鮮やかでした・・ 
 躊躇せず、一気に退避ですね・・ 」

「まぁ・・ 長引かせて、グリフィンを落とせば、母艦を無くしたMSなど
 ゆっくりと始末すれば良いって考えだろう・・ 
 というか、ドクロ野郎にこちらの力量を見られているようにも感じる・・
 やな奴だ・・」

「そうね・・ この宙域に奴らが居るのなら・・ 潰して置かないといけない奴らね・・
 検討課題だわ・・ じゃお疲れのようだけど、報告書は出しておいてね♪ 」

う・・ また仕事が溜まった・・ 前の報告書も書けてないのに簡単におっしゃる・・
このままでは、ドンドン仕事が溜まってしまう・・ 容赦無しかぁ・・
艦長さまはやっぱり、女王様?
ああ・・ 中間管理職は・・ 辛いなぁ・・・(ぼそっ・・)


「それはそうと・・ ブリッジへの出頭命令から、来るのが随分早かったが・・」

「そんなの、軍人として当たり前の行動っす♪
 艦長殿に呼ばれたら、クソの最中でも、Hの最中でも飛んでいけ!ってね♪」

「そうなの?・・ ごめんなさいね、大事な『H』の最中に呼び出しちゃって・・ 」

「あっ・・ いや・・ 『H』ってのは 整備中のHでありまして・・」

あちゃ~ 中尉よ・・整備はHではなくSだ・・ 貴様の整備は『へいび』か?
気が動転しているぞ・・♪

「いや中尉・・ なぜ、早くここに来れたのか?・・ ということだが・・」

「そうですそうです♪ 実は、手の空いている奴らが食堂に集まって、
 若きエース達の祝勝会を! って事になって・・ 食堂に行く途中でした・・」

「なんだ・・ そうなのか? 早速やってるんだな ミルクパーティ!」

「ハイ! 艦長殿もいかがっすか? ちょっとだけでも顔を出していただけると
 皆が喜びますので!」

「私が行けば、皆が喜ぶの? ほんとかしら?」

「ねぇ・・たいちょ! ほんとぉ~ですよね~♪」

「ハイ・・ 確かに中尉の言うとおりです。艦長は我々みんなの憧れですから♪」

「じゃ! そうと決まれば、行きましょ!行きましょ!
 艦隊勤務は変化が必要! イベント大歓迎ってね♪・・ 」

「そぉ? 良いのかしら? まだ第2戦闘配備中なんだけどぉ・・・ 」

「い~いから い~いから♪」

「でも・・ 第2戦闘配備が・・ 」

・・・

食堂に行くと、ミィ少尉とユカ少尉、そしてサミー曹長とクマ軍曹の4人は
既にヒーローになっていた。
MS運用艦であるグリフィンクルーの意識として、MS隊があっての艦の存在意義
があるのだろう・・
それに比べ、サラミス級巡洋艦など、元々が戦闘艦に対する附帯兵器としての
MS存在の感覚とは大きく異なってくる。
当初から、艦の要員300人の命を優先する考え、間違っているわけではない
しかし、そのような考えであるから、改造し急遽ボールを搭載した艦などは
敵に遭遇すると3機のボールを放置し、ばら撒いて・・・逃げ帰る・・・
そんな話もクマ軍曹から聞いた・・

前提としての考えの違い。やはりこれは大きい。
この運用艦、グリフィンはクルー100人の命も大事だが、MSが無くなると艦の意味が
無くなってしまう。つまり、モビルスーツを主兵器として位置付けられていることが、
附帯兵器やキャリー(荷物)としてではない考えとの大きな違いになるのだ・・ 

訓練の模様を、艦長が艦内放送で流していたのは、艦の全員が我々MS隊の力量を
不安視していた事に対する情報共有としての対策だろう・・
それが訓練から一転して戦闘になり、いきなりMSを1機撃破したミィ少尉
そして本日2度目の戦闘では、またしても初陣のユカ少尉の2機の撃墜、

もちろん、クマ軍曹も鳴り物入りとしての歓迎を受けている。
母艦を守れなかった事実はあるものの、ジオンの奇襲でありクマ軍曹の落ち度ではない・・
評価は、残り一兵になった段階でも、あきらめずジオンに向かっていた事と、
片手片足をなくしたMSでさえザクを1機撃破したことが、さすがベテランパイロットだ!
との評価を上げていた・・
そこに来て、皆の目の前で起きたグリフィン防衛戦でのクマ軍曹の大活躍!
評価はウナギのぼりである。
そして、サミー曹長だが、正規のパイロットではないのに、母艦を守るため出撃し、
クマ軍曹の活躍をサポートした、簡単に出来る事ではない・・

これらの実績により、信頼度が上げる事は当然の成り行きでもあり、
更にグリフィンクルーのチームとしての連帯感も向上する要因にもなっているのだ。

オデッサ作戦の成功から、徐々に連邦軍がジオンを追い込む戦況に移行しているが、
まだまだ連邦の兵士達は一方的にジオンにやられてきた過去を引きずっている事は確かだ・・
そんな中での我グリフィンの初戦での功績に対し、
艦のクルー全員が好意の目でパイロット達を歓迎したのである・・・

・・・

突然ヒロ中尉が壇上に上がった・・

「あ~、あ~ マイクテスト・・ テス!テス!・・」

「いよ~! 待っていました! 大統領!」あちらこちらから野次が飛ぶ。

「ハイハイ! ちょっと注目してね~
 本艦の初陣となる、本日の激戦でヒーロ誕生で~っす!
 ヒーローだよぉ~ ヒロじゃぁないからね♪
 ということで、今日のミルクパーティーっすがぁ・・
 その前に、撃沈されたサドとマウイの英雄達に 『黙祷!!』・・
 ・・・
 黙祷、ありがとうございます。
 では、艦長殿! ということで・・小さく音頭をお願いしやす!!」 

「じゃ! 皆様、お疲れ様です、艦長のマメハです。
 本当だったら、ビールかなんかでやりたいわね ♪
 戦闘区域内でごめんなさいね・・ 今も第2戦闘配置なんだけど・・
 では! 初陣での大勝利と今後のMS隊の活躍&グリフィンの任務遂行と無事を祈って!
 『ミルクでかんぱ~い♪』!」

「かんぱ~い♪!」・・・

決してミルクで乾杯している訳では無い、戦闘空域では、アルコールはご法度だから
ノンアルコールでの乾杯を『ミルクでかんぱ~い♪』と言っているだけなのだ・・
ただ、このフレーズを艦長は結構気に入ったようではある・・・

その艦長だが・・ やっぱり良い艦長だ・・
単にルウムの生き残りと言うだけでなく、人望も厚い事が理解できる・・
この艦は、沈まない・・ そんな風に思えてならない・・
少々「S」の気があるのだが・・ 

ミィ少尉&ユカ少尉、そしてサミー曹長、クマ軍曹の4人は、皆に囲まれ握手を求められたり、
もみくちゃの状況になっていた。
特にミィとユカの両名などは、若いメカニックなど男の子達に囲まれ、モテモテの状態で
2ショット写真をお願いされたり、かなり上機嫌である。 非常に微笑ましい状況だ・・

   まだ・・・ 第2戦闘配備中なんだけど・・・ まぁ良いか・・♪


そんな4人のヒーロー達を眺めていると、ヒロ中尉とリン少尉がやってきた・・

「たぁ~いちょっ! 4人とも凄いっすね♪」

「中尉の言われるとおりです・・ 凄いなぁって 感心しちゃいます・・
 考えると、旧L4方面警備中隊第7小隊の私達3人は、みんなタコなんですよ!
 MSやボールもちょこっと壊しちゃうし・・
 彼らは、3人で本日撃墜MS4機、戦闘機1機の合計5機ですぅ・・ 
 でも・・私達は・・ タコ・・ まんまる・・ たこ焼きで~す・・」

「なんだリン・・ タコ、タコって・・ 落ち込んでいるのか?」

「あっれぇ~え? リンちゃんらしくないっすよ! 2ショット写真撮ってあげよっか?」

「なによ! 落ち込んでなんかいないわよ! バカヒロ!」

「ふぅ~・・ 上官に向かってその発言・・ こりゃかなりへんこんでますなぁ・・
 いつものリンちゃんに戻ってさ・・」

「中尉の言うとおりだ! リン・・落ち込む事は無いぞ!
 MSは壊れても修理できる。
 というか壊れると言う事は、我ら3人が全員、前衛の白兵担当だからな・・
 これは、仕方が無い事だ。 逆に壊れない方が不思議だ・・
 でも、大事な事は『3人とも無事帰って来ている』って事なんだぞ、
 ある意味我ら3人は、やられないから『無敵』なのかもな・・♪」

「もう・・ 真面目にならないでくださいよ・・ たいちょぉ・・ ♪」

「見直したか? まぁ・・ たまにはな! ♪」

「無敵かぁ・・不死身って事っすね・・ でも不死身というか・・
 グルフィンって、鷲とライオンですよね・・ 鷹の羽・・ う~ん そうだ!
 うん!不死鳥! 不死鳥ってかっこ良くないっすか?
 『不死鳥の旧7小隊!』とか? いい感じっしょ♪」

「なによそれ!・・
 旧って一体・・ ちょっとダサダサですぅ・・ すでに第7小隊は無いんだから、
 これからは『不死鳥のベリー小隊』って言われるようになりたいわね
 私達、3人だけでなく・・ あの子たちも含めて・・ 全員で!♪」

「ああ・・そうだな・・
 絶対に死ぬなよ! 我らは不死鳥のベリー小隊だ! 必ず生還することを誓え!・・ 」

「了解です、たいちょ ♪」

「よし! 解散! 各自の獲物を期待するぜ♪」

「よっしゃぁ~ おねえちゃんはどこかなぁ~ ♪」

「もう・・ バカ注意なんだから・・」

「あっ・・ 付いてくるなよぉ・・ 少尉は邪魔ばっかしするんだからぁ・・
 あれ・・ あの男の子・・ 可愛いんじゃない?・・ほら・・」

「えっ? どこどこ? ねぇ・・ どの子?
 ・・・
 あっ・・ 騙したわね!  もう・・ 逃げ足が速いんだからぁ・・」

 


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「<第15-2話>ミルクで乾杯♪(2)」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/5ba12ddc048e622954d6182f88797360に続く・・・

(2007/08/20 10:38)

 



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