おんなは
へそのおを
貝をちりばめたふくろにたたみ
ちぶさにあてがっていた
発見されて
こどもは死にましたと
泣いた
それもうそだと
おとこはおんなをけっとばし
あやしげな酒場で
めちゃくちゃにおどっていたが
おんなを死なせてはならぬと
かけもどり
へそのおを焼かせた
そのときから
おとこはわかれたがったが
わかれれば死ぬとおもい
なんねんもいっしょにくらしたあげく
なぜ死なせてはならぬのか
とうとうわからぬままに
旅さきで死にたえ
おんなは死に目にもあえなかったが
やがて再縁さきで
りっぱににどめのこどもをうんだ
□会田綱雄「聖家族」(『鹹湖』、緑書房、1957):第一回高村光太郎賞
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【詩歌】会田綱雄「鹹湖」」
「【詩歌】会田綱雄「伝説」」
へそのおを
貝をちりばめたふくろにたたみ
ちぶさにあてがっていた
発見されて
こどもは死にましたと
泣いた
それもうそだと
おとこはおんなをけっとばし
あやしげな酒場で
めちゃくちゃにおどっていたが
おんなを死なせてはならぬと
かけもどり
へそのおを焼かせた
そのときから
おとこはわかれたがったが
わかれれば死ぬとおもい
なんねんもいっしょにくらしたあげく
なぜ死なせてはならぬのか
とうとうわからぬままに
旅さきで死にたえ
おんなは死に目にもあえなかったが
やがて再縁さきで
りっぱににどめのこどもをうんだ
□会田綱雄「聖家族」(『鹹湖』、緑書房、1957):第一回高村光太郎賞
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【参考】
「【詩歌】会田綱雄「鹹湖」」
「【詩歌】会田綱雄「伝説」」