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kan-haruの日記

イベント 営業写真の開祖 1862(文久2)年に野毛に写真店を開いた下岡蓮杖の150年を遡る古写真展

2012年09月27日 | イベント
kan-haru blog 2012 ~150年を遡る幻の古写真~ 下岡蓮杖の世界」図録の表紙 「水道橋」 

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下岡蓮杖の世界
JCIIフォトサロンで、21回目の古写真シリーズ、「 ~150年を遡る幻の古写真~ 下岡蓮杖の世界」を2012年7月31日(火)から9月2日(日)まで開催し、天皇、皇后陛下が同展を訪れて観賞されたことと、150年前の古写真に興味がありましたので最終日に見に行きました。
JCIIフォトサロンは、日本カメラ博物館(千代田区一番町25番地 JCII 一番町ビル地下1階)の付属設備で、博物館の隣のJCII ビル1階にあり入場料は無料です。フォトサロンは、日本の写真文化の発展の歴史を、広く普及させることを目的に、さまざまな写真を多角的に展示するフォトサロンです。

 「下岡蓮杖の世界」展会場のJCIIフォトサロン(:日本カメラ博物館の手前のビルがJCIIフォトサロン、:JCIIビルのフォトサロン入口、:「下岡蓮杖の世界」展示会場入り口)

アクセスは、東京メトロ半蔵門線の半蔵門駅下車で、 4 番出入口より北方に進み、全国町村議員会館名先を右に曲がり、道なりに辿ると手前がJCIIフォトサロンのJCII ビルです。フォトサロンの先の日本カメラ博物館のJCII 一番町ビルの、突き当り道路の向かいは英国大使館で、周囲は非常に静かな環境の地域です。

 日本カメラ博物館・JCIIフォトサロン アクセス図

・展示写真(図録から)
1862年(文久2年)に蓮杖が横浜で営業写真館を開業してから、今年はちょうど150年目にあたる下岡蓮杖の世界の展示写真は、当時販売していた蓮杖撮影による日本の風景・風俗の写真に加え、蓮杖が晩年に描いた絵や手作りの香合など、画家や芸術家としての一面も垣間見ることができる作品を含めた、全約70点が展示してあります。展示写真にはフォトサロン所蔵の大変珍しい蓮杖撮影による江戸城周辺を写した六切大写真10点と、その後新たに入手した同種の写真8点を合わせて展示してありますが、これらは1945年(昭和20年)の東京大空襲で種板が焼失してしまい、現在国内で見ることのできる唯一のものであるそうです。

 桜田二重橋1871年(明治4年)、蓮池二重櫓1871年(明治4年)(下岡蓮杖の世界の図録から)

・下岡蓮杖(フォトサロンから)
蓮杖は、1823年(文政6年)伊豆下田で生まれ、江戸で画家を志し狩野派に学びました。ある時銀板写真に出会い、精巧な画像に魅せられて写真技術の習得を決意し、長年にわたり湿板写真技術を習得し、横浜で初の営業写真館を開業しました。写真館では、外国人相手に、肖像写真の撮影や日本の風景や風俗写真をお土産として販売して人気を呼び、大変繁盛したようです。蓮杖が撮影した写真は、幕末から明治初期のものばかりで、現在では大変貴重なものとなっています。

 赤坂門1871年(明治4年)、鍛冶橋門1871年(明治4年)、吹上門1871年(明治4年)、吹上御苑の滝見御茶屋1871年頃(明治4年頃)(下岡蓮杖の世界の図録から)

蓮杖撮影による六切大写真10枚は、2006年(平成18年)に入手したフランス製の写真帖の中に、黒地に白抜きでネガ番号と英語・カタカナ表記の地名が焼き込まれた大変貴重な写真であり、1871年(明治4年)に蓮杖の一番弟子である横山松三郎が明治政府より依頼された、荒廃しつつある江戸城の撮影に、蓮杖が同行して撮ったものであり、その後フォトサロンで同じ形態の写真8枚を新たに当館で入手することができたので、江戸城周辺の六切大写真の全18枚を展示しました。

 左上:日本の音楽(慶応2年~明治3年頃)、左中:商人のやり取り(慶応2年~明治3年頃)、左下:炎上する外国船1872年頃(明治5年頃)、右:鍾馗 掛軸1911年(明治44年) 八十九翁 蓮杖董古風眼筆(下岡蓮杖の世界の図録から)

・下岡蓮杖顕彰碑(馬車道)
その後、横浜に出てからアメリカ人写真家のウンシンと出会い、その助手からも写真術を習いました。ウンシンが横浜を離れる時にカメラや薬品を譲り受けたのを会に野毛に写真店を開きました。1862年(文久2年)弁天通りに場所を変え、日本で初めての写真館と言われる「相影楼」を開業しました。
下岡蓮杖の功績を記念して馬車道・弁天通に設置された円錐形の顕彰碑は1987(昭和62)年6月1日に馬車道商店街協同組合によりたてられました。円錐形の像の上部に、1839年フランスで発明された写真機「タゲレオタイプ」のオブジェが鎮座しています。
下岡蓮杖顕彰碑は、県立歴史博物館の筋向かいの馬車道スクエアビル前の横浜馬車道歩道上にあります。

 下岡蓮杖顕彰碑の建立場所

9月26日に、下岡蓮杖顕彰碑見に行きました。下岡蓮杖顕彰碑の横には、碑文が2010年6月1日、設置されました。

 下岡蓮杖顕彰碑と碑文(:下岡蓮杖顕彰碑、:下岡蓮杖顕彰碑の碑文)

碑文
「日本写真の開祖 写真師 下岡蓮杖(一八二三~一九一四) 伊豆下田に生まれる
 嘉永元年(一八四八)オランダから長崎へダゲレオタイプ一式が渡来した。
 弘化二年(一八四五頃)狩野派の青年絵師が、銀板写真に遭遇し、そして絵筆を折り捨て写真術修得の道へ歩み出した。この青年こそ、日本に写真師という職業を確立した日本写真の開祖 下岡蓮杖その人である。
 蓮杖は、来日の外国人から湿板写真の機材を入手し、筆舌に尽くしがたい辛苦の歳月を経て、文久二年(一八六二)野毛に初めての写真場を開業し、その後、弁天通りに進出し、慶応三年(一八六七)太田町五丁目角地に「富士山」と「全楽堂」「相影樓」の看板を掲げた写真館を開き大繁盛をした。
 数多くの門下生を育て、我が国に於ける写真技術の先覚者として近代文化の発展に貢献した。その業績に敬意を表し、文明開化の地、馬車道通りに写真師発祥一二五周年、日本写真の開祖
 写真師 下岡蓮杖顕彰碑を昭和六十二年(一九八七)建立をみたのである。
 顕彰碑 下岡蓮杖顕彰碑建立委員会
 碑 文 横浜市写真師会設立百周年記念実行委員会
   平成二十二年(二〇一〇)六月一日」

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次回 イベント 日本カメラ博物館 展示古カメラを見て高校生で初めて手にした蛇腹式カメラを思い出す
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