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ITと技術 横浜火力発電所とキリン横浜ビアビレッジ見学 その1

2007年06月11日 | ITと技術
kan-haru blog 2007

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雨の横浜火力発電所見学
5月17日の午後1時から、所属する部会の見学会で、東京電力横浜火力発電所とキリン横浜ビアビレッジ(地図参照)の見学をしてきました。
当日は、貸切バスにて横浜火力発電所に向かいましたが、前日からの激しい雨が降り続き、発電所正門玄関前に着いた時には、土砂降りの中を駆け込んで入るという状態でした。しかし、映像による設備の紹介を見ている間に雨はほとんど降りやんで、遠望は望めませんが横浜港周辺までなら見られる程度に回復してきました。

発電所設備
東京電力横浜火力発電所(横浜市鶴見区大黒町11-1)は、JR鶴見駅からバスで20分の距離で、鶴見川沿岸の埋め立て地の先端にある敷地面積が、横浜スタジアム16個分の約45万平方メートルの巨大なところに、1963年(昭和38年)から稼動の従来型の発電出力が52.5万KWの汽力発電5、6号機(1~4号機は廃止)と、発電出力が280万KWのACC(改良型コンバインドサイクル)発電設備の7、8号系列の発電設備の新旧システムを組み合わせた発電所です。
発電所の広い構内の約25%を占める緑地には、月毎に咲く草木が植えられており、環境保全の施設が設けられております。


                      横浜火力発電所全景(クリック拡大)

汽力発電設備
従来型の汽力発電5、6号機(見学対象外 発電所全景参照)は、発電所正門から入って右手の構内通路に接して発電設備棟があり、手前から奥に向って廃棄された1~4号発電設備の設置跡があり、その後ろ奥に稼働中の5、6号機があります。手前の5号発電設備は、1964年稼働で出力が17.5万KWの東芝製三相交流同期発電機と3流排気式復水型タービン(50/s回転)が設置されています。奥側の5号発電設備は、1968年稼働で出力が35.0万KWの東芝製三相交流同期発電機と4流排気式再熱復水型タービンが設置されています。

発電設備棟の右手裏には、石川島播磨重工業製のボイラー(発生蒸気566℃、16.6Mpa)を設置した棟があり、その先にツインタワーの展望塔(180m)と同じ高さ程度ある集合排気塔が建っております。
汽力発電設備の燃料は、川崎市東扇島火力発電所LNG基地から送られてくる液化天然ガスと原油を使用します。原油は、構内の貯蔵タンクに貯蔵されています。

  従来型汽力発電設備棟と集合排気塔   ツインタワー脇から見た集合排気塔  

ACC(Advanced Combined Cycle)発電設備
ACC発電は、汽力発電とガスタービン発電を組み合わせた発電方式で、単独の汽力発電と比べると49%と熱効率が高いのが特徴です。
発電設備(発電所全景参照)は、発電所正門から入って左がトゥイニー・シアターで、奥が中央操作室です。その後ろの8個の変圧器群の先に、巨大なタービン本館があり、左側半分に7号系列、右半分に8号系列の高圧・中圧蒸気タービン、低圧蒸気タービンと発電機の両系列合わせて8機が、戦艦大和がすっぽり入るタービンフロワーに納まっています。
発電機は、7、8号系列共GE社製の8機の横軸円筒回転界磁型三相交流発電機(35X4軸 =140万KW X 2系列)が、平成8~10年に営業運転を開始しております。

両系列の蒸気タービンは、GE社製の三圧再熱複流排気復水式で、排熱回収ボイラーからの蒸気の力で回転しています。
タービン本館の後ろ側に8棟の排熱回収ボイラー棟があり、航空機用のジェットエンジンと同じ構造のGE社製の開放単純サイクル一軸型のガスタービンを、圧縮空気中で燃料を燃やして強力な膨張力でタービンを回します。ガスタービンからの排気熱(600℃)を利用して排熱回収ボイラーが蒸気を作り、蒸気タービンに送ります。排熱回収ボイラーは、7号系列が東芝製で、8号系列が日立製の加熱回収三圧再熱自然循環式のボイラーです。
中央操作室では、発電システムの各プロセスを監視して、集中制御を行います。

         排熱回収ボイラー模型(7号系列東芝製、8号系列日立製)
発電所見学
今回の発電所見学は、先ず映像による紹介が30分ほどあり、その後2版に分かれ発電設備とタワー展望室の見学を行い、タワー展望から先に見学しました。

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