大田区立郷土博物館連動企画「麦わら細工の世界 in 六郷」を六郷地域力推進センターで見てきました。推進センターは区の出張所です。昨年、博物館で行われた特別展「麦わら細工の世界」のミニ版です。
麦わら細工は、江戸時代の中ごろ、享保18年(1733)に没した大林寺の日好という住職さんが、大森村の漁師に不漁続きの時に麦わら細工を施したそうです。その後、麦わら細工が大森細工と呼ばれるようになりました。
大森細工には編み細工だけでなく、張り細工と呼ばれる箱などに麦わらを開いて染めたものを絵模様に糊で張り込みます。
編み細工です。麦わらは郷土博物館の近くの人の好意により畑で麦を栽培しているそうです。
張り細工です。
六郷が麦わら帽子のふるさとであることは、知りませんでした。画像は川田商店です。隣の町内に住んでいた川田谷五郎(1837-1911)が横浜の外国人が被っていた夏帽子を見て、明治5年(1872)に帽子材料を開発しました。木綿真田紐の連想から麦稈真田(ばっかんさなだ)と名付けました。
帽子は横浜から海外に輸出されました。それが内国勧業博覧会に出品されたところ、廃物視されていた麦わらに注目が集まり、全国に広がっていきました。
最初の生産地では、経木真田、麻真田へと移って、麦稈真田は製造されなくなりました。
ほぼ同じ番地に川田さんという人が花屋さんをしてますが、関係があるかもしれません。