今日は寒かった。朝方にはみぞれが降ったのだから寒いのは当たり前だが、春本番になろうというときに寒気ではたまらない。よけい寒く感じる。
寒く感じるといえば、このところの政治のあり方に寒さを感じる。特に、話題の「暫定税率」には、寒さをとおり過ぎて憤りすら感じているのだ。
テレビのニュースで、「レギュラーを1,000円分――」と言ってガソリンを入れているお客さんがいる。ガソリンスタンドでは、「今日はいつもの半分しか売れていない」と嘆く。「明日から値下げするのか」と言う質問に、「周りのライバル店の動きを見ながら」と答える。
今日の夜半で「暫定税率」の期限が切れるのだ。しかし、よくよく考えてみると「暫定税率」そのものが不思議であるのだ。が、それ前に言いたいことがある。
「暫定税率」の期限が切れることによって、国民に迷惑と混乱をもたらしているのだ。政治家の諸先生方はこれほどに国民を愚弄し大迷惑をかけることを恥ずかしく思わないのだろうか。そこがまず不思議に思う。
ガソリンスタンドによっては、競争の原理から値下げをせざるをえなく、赤字を背負うことになってしまうところも多いであろう。議員の先生方は、「ガソリンスタンドが勝手に値引きしているのでしょう」とうそぶくかも知らないが、こういう状態に追い込んだのは政府であり、自民党であり、民主党であるのだ。党利党略のために「暫定税率」を道具としている。3月31日に期限が切れることは、前々からわかっていることだ。それなのに、それなのに……。泣けてくる。
そもそもの曲者は、「暫定税率」と言われている税金だ。この「暫定」とはどういうことなのか。先生方に聞いてみたい。中学生だって「暫定」の意味は知っている。読んで字の如しで「しばらくの定め」だ。それがどうだろう、この「暫定」が30年余も続いているのだから驚く。
今は亡き田中角栄先生が総理大臣のとき、「暫定2年」ということでスタートしたはずである。この「2年」がどうして「34年」になるのか。34年であっても「暫定」なのか。どこの国語辞典を見ても、そんなことは書いてないはずだ。政治家特有のごり押しでしかない。
未来を嘱望される小学生や中学生から、「なぜ、34年が暫定なのですか。暫定とは通常何年ぐらいを指すのですか」と質問を受けたら、政治家の先生方はなんと答えるのか。答えたとしても詭弁でしかありえない。
福田首相は、「暫定税率の廃止は財政上にたいへんな赤字を生む。赤字公債でも発行するのか」と民主党をけん制するが、この発言自身がおかしい。「暫定税率の廃止」と言うが、暫定的な税率なのだから「廃止」は当たり前である。「赤字を生む」――赤字を生むことがわかっていたのなら、なぜ税金全体の改革案を早くに出さないのだ。どうしても必要とする税金なら「暫定」でなく、きちっと恒常税率にすべきではないだろうか。
ただ、外国などをみてもありえない暫定税率や項目があるようだ。そんなに無理して税金を取るより、ムダばっかりの国の外郭団体を半減以下にすべきである。なぜ、国家公務員の退職者を優遇するのか。「暫定税率の廃止」云々より先に、「国の外郭団体を半減」させるべきではなかろうか。
「黙っている国民から取れる税金はどんどん吸い上げろ」式の政治は止めてほしい。お願いだァ! やや、こんな犬の遠吠えに耳を傾ける先生方はいない。ああ、また泣けてきた。