写真は、ホテルの窓からの夕景である。今日も一日、なにごともなく暮れていく。
一年に1回の恒例兄弟会が開かれた。今年は松本在住者が幹事のせいか、松本・美ヶ原温泉郷での開催で、男兄弟夫婦8人での集いである。
長兄夫婦の80歳を筆頭に、ほかの全員が70歳以上の高齢者。だからみんな「あそこが痛い」「ここが具合悪い」といった調子である。でも、少しばかり調子が悪いだけで寝込むほどではないので、まあまあ「全員がなんとか健康」と言えようか。
宴会は楽しかった。いつものことながら「こども時代のはなし」「おやじ、おふくろのはなし」「(自分たちの)子どもや孫たちのはなし」「近況のはなし」――途切れずによくも話が続く。話す人、飲む人、笑う人、拍手する人、なんと楽しいひと時なのだろうか。
お酒を飲むのも、いつのまにか手酌。誰もお酌をしないし強要もしない。飲みたいものを飲む。なにもかもが自然体だ。だれにも気兼ねしないし、だれにも遠慮をしない。
『一番要領よかったのはお前さんだったなあ。あの時は……』『百姓仕事の一番上手なのはあんただったなあ。○○の倍は早かったぞ』などなどと、遠い昔話に花が咲く。忘れかけた子ども時分の己の姿を思い出し、その頃にタイムスリップしていく。
「さあ、来年の幹事は□□だぞ。楽しみにして待っているから頼むよ」という声とともに、今年の兄弟会は終了した。現実に戻った瞬間である。
一年に1回ぐらい、現実離れした集いがあってもよいのではないだろうか。ただ、みんな高齢者であるだけに、この8人でいつまで続けていかれるかがちょっぴり心配ごとである。この会が、みんなの健康を維持し長生きさせてくれる「一服の薬」だと信じている。
また、来年だ!