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地域経済を元気にするためのヒントを、人との出会いと経営学の2つの視点から考えるブログです。

地域再生への道 ~地域活性学会第3回研究大会~

2011年08月07日 | 経営に学ぶ

                 地域活性学会第3回研究大会会場(獨協大学) 

 

 

昨年に続く「猛暑」のこの夏。716日(土)・17日(日)の2日間にわたって、埼玉県草加市にある獨協大学を会場に、「地域活性学会」の第3回研究大会が開催されました。今回のテーマは「地域再生への道」。今回は特にサブテーマとして、「311大震災後の地域づくり」を掲げ、特別なセッションを設けて東日本大震災で大きな打撃を受けた日本経済、とりわけ東北地方の再生が討議されたのです。 

 

たしかに日本は、東日本大震災という未曽有の災害によって計り知れないほどの経済的な打撃を受けました。また、数年前にはリーマンショックという世界経済の大波が日本を襲っています。けれども地域における中小企業、とりわけ伝統工芸産業や地元商店街などは、それ以前から長期にわたる衰退を続けていたのです。私の地元石川県においても、山中漆器や九谷焼、あるいは輪島塗などの伝統工芸産業は、バブル期を頂点として生産額は減少の一途にあり、現在では最盛時の1/3ほどにまで落ち込んでいます。 

  

 

商店街でもその状況は同じ。自動車社会の発展と共に郊外型の大型ショッピングセンターに顧客を奪われ、地方の多くの商店街ではシャッターの下りた店が増加。経営者の高齢化とともに、どこでも地元商店街の再生が課題になっています。某商店街では、日中ほとんど人影がなく、歩いているのは犬を散歩させている老人だけという状態。また地元の中小の製造業でも中国や東南アジアへの生産のシフト、価格競争の激化の前に、厳しい経営状況が続いているのです。 

 

こうした状況の中で、近年「地域経済の再生が活発に議論されるようになりました。10年ほど前には「日本地域政策学会」が、そして3年前には「地域活性学会」といった具合に、相次いで「地域」をテーマにした学会も設立されています。また既存の大学などの研究機関においても、「地域再生」「地域経済活性化」を掲げた講座が次々に開設されています。私もそのうちの「日本地域政策学会」「地域活性学会」そして、北陸先端科学技術大学院大学が毎年開講している「地域再生システム論」に参加させていただいています。その様子はこのブログでもご紹介してきましたので、またご覧ください。 

 

 

さて、「地域経済の活性化」をテーマにあちらこちらと動き回っている私。昨年、一昨年には「日本地域政策学会」の研究大会で発表させていただきましたが、今年の夏は「地域活性学会」の研究大会で発表することに・・・。「地域活性学会」の研究大会ははじめての参加ですので、「どんな出会いがあるんだろう・・・」とワクワクしながら、屋外の気温が37度まで上昇した「猛暑」の中、埼玉県草加市にある獨協大学まで出かけてきました。

 

              獨協大学のキャンパス遠景

 

 

初めて訪れた獨協大学のキャンパスですが、とても環境の良いところでした。

 

総会では、内閣府地域活性化推進室の横山次長がご挨拶。

 

つづいて、埼玉県の塩川副知事が歓迎のご挨拶です。

 

 

さて、総会の後は「地域再生」「地域ブランド」「地域資源」など、いろいろなセッションに分かれての発表です。私は2日目の「地域社会システム・産官学」というセッションで発表することになっていました。しかも順番は一番先!ちょっと緊張気味で、朝一番に会場入りです。

 

           私の発表会場(朝一番の様子)です。

 

いよいよ発表です。テーマは「石川県における協働型経営革新塾ネットワークの展開」。なんだか難しそうなテーマですが、何のことはありません。日頃このブログでもご紹介している『かが元気塾』をはじめ、近藤修司先生をコーディネーターとして近年石川県内で次々に誕生し、相互に交流を深めている「経営革新塾」の活動についてご紹介したものです。

 

私はこうした「経営革新塾」を従来の経営革新塾に対して、「協働型経営革新塾」と呼んでいます。その原点は近藤先生が日ごろから言及されている幕末の「松下村塾」いろんな立場の人たちが、単に師の教えを受けるだけでなく、テーマを決めてお互いに学び合う。さらに学ぶだけでなく、「実践」を大切にする・・・そんな経営革新塾の新しい形を「協働型経営革新塾」と名付け、そうした「経営革新塾」が相互に交流を深めることで、さらに効果を高めている様子をご紹介しようとしたのです。

 

              (当日の発表スライドから)

 

さて、当日は拙い発表にもかかわらず、多くの方からご意見・ご感想をいただくことができ、大きな刺激を受けました。また、会場で出会った方々とは、その後メールを通じて交流させていただいたり、中には実際に石川県まで足を運んでくださることになった方もおられます。こうした人と人との交流から、「地域活性化」の新しいエネルギーが生まれてくるのですね。皆さんも、こうした学会や講座、あるいは経営革新塾に参加してみてはいかがでしょうか?きっと素晴らしい出会いがありますよ!

 

【参考記事】

 

「日本地域政策学会」体験記  

http://blog.goo.ne.jp/hirano2009/e/357bd60fe3f075ca8c4b3a21fc5ebfae

『地域再生システム論』でふるさとを元気に!(前編)~講義室からはじまる実践活動~

http://blog.goo.ne.jp/hirano2009/e/48dafca88522b101e167e2891a37bc31

『地域再生システム論』でふるさとを元気に!(後編)~グループワーク・自分ごととしてとらえる~

http://blog.goo.ne.jp/hirano2009/e/efa070d80402b2298fae13ef19a0255e

「地域に集い・地域で学び・地域で育て、地域に還す」~『地域再生システム論』発表会~

http://blog.goo.ne.jp/hirano2009/e/14e285553a21b7c189cbc30e1fc1a608

地域再生システム論2010 ~育てよう!地域再生を担う人材たち~

http://blog.goo.ne.jp/hirano2009/e/66c0d781c7a04fd26281597fcdbc74de

  


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