WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

オールディーズ

2010年08月20日 | 今日の一枚(A-B)

●今日の一枚 282●

The Beatles

A Collection Of Beatles Oldies

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 昨秋、発売されて話題になったThe Beatles Box、ミーハーな私は当時の宣伝にあおられて大金はたいて日本盤黒BOXを買ったのだった。ビートルズのLPは相当の枚数を所有していたのだが、私が大学に行って実家をあけている間に、中学生や高校生になったいとこたちがビートルズに興味をもって借りていき、結局かなりの枚数が散逸してしまった。その後、CDで揃えようかと思ったのだが、ビートルズのCDはすごく音が悪いとの風評に二の足を踏んでいたのだった。

 初期のモノラル作品がステレオ化されたこの黒BOX、評判どうり確かに音は悪くはない。おかげでここ半年、ビートルズを聴く機会も多くなった。しかしそれにしてもなぜ『オールディーズ』がCDで発売されないのだ。

 1966年リリースされた『オールディーズ』、1963年から1966年までのシングル曲とアルバム収録曲から選曲された、ビートルズ活動期に発売された唯一の公式コンピレーション・アルバムである。ビートルズには、アルバムには収録されていないシングル曲が多数あるため、2枚組みの『パストマスターズ』なるCDが発売され、黒BOXにも入っているのだが、内容があまりにも雑多なため、はっきりいって聴く気になれない。そこにいくと、『オールディーズ』はヒット曲が効果的に配され、ひとつの作品としてきちんと成立している。当時、このLPは多くのヒット曲が収録されているためお買い得感があり、実際私が買ったビートルズのレコードはこのアルバムが最初だった。

side one

1. She Loves You  2. From Me To You  3. We Can Work It Out   4. Help! 
5.  Michelle  6. Yestarday  7. I Feel Fine  8. Yellow Submarine

Side two 

1. Can't Buy Me Love  2. Bad Boy  3. Day Tripper  4. A Hard Day's Night  5. Ticket To Ride  6. Paperback Writer  7. Eleanor Rigby  8.  Want To Hold Your Hand

 しばらくぶりに、『オールディーズ』を聴いてみた。音がいい。黒ボックスのCDだって決して悪くはないが、LPは音の鮮度が全然違う。最近時々思うのだが、古い作品を聴く時はやはりLPで、できれば当時のオーディオセットで聴くのが一番いいのではないだろうか。ビートルズもそうだが、ストーンズもツェッペリンも、かつて家にあった家具調ステレオで聴いた音が忘れられない。今の装置で、あるいはCDで聴くと、音が悪くなくとも、ちょっと違うんだよなあ、などと思ってしまう。浅薄なノスタルジーのなせる業だろうか。

 ところで、昨秋、The Beatles Box を買ったとき、おまけとして、缶バッチコレクションをもらった。ビートルズのアルバムジャケットを缶バッチにしたもののセットだが、私は結構気に入っており、長男は馬鹿にして嫌がっているが、玄関ホールに飾って自己満足している。

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