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COOLPIX P6000のGPS機能紹介記事

2008-10-14 22:55:08 | GPS
COOLPIX P6000

「COOLPIX P6000」のGPS機能を試す (デジカメWatch)
GPS搭載の路上カメラ「COOLPIX P6000」 (ASCII.jp)
星に願いを (PC Watch)

 Web上メディアによる、P6000 の GPS 機能レビュー記事など。

 まずはデジカメWatchやASCII.jpのレビュー。こちらはレビュー記事なので、特にデジカメWatchの記事の方は機能的な話がよく分かるようにまとめられている。
 デジカメにGPSがつくと、以前書いた記事に記載したように、
・どうやってシャッターを押した瞬間の位置情報を取得するのか。測位をし続けているのか(電力を食って撮影可能枚数が減る)。シャッターを押した瞬間に測位をするのか(時間がかかって軽快に撮影できない)。
というあたりが気になる。

 レビュー記事に書いてあることを列挙すると、

・モードダイヤルに「GPS」というものがあり、それを選択するとGPS機能をオンにできる。
・最初の測位(以降初期測位と記載)や電源オフから2時間経過した後(恐らく、電源オフでの自動測位を行わなかった場合)の測位には、2-4分かかる。
・測位成功後、測位できなくなった(例えば屋内に入った)場合でも、指定時間(デフォルトでは1分)測位結果は有効と扱われる。
・電源をオフにした後オンにすると、ウォームスタート状態(測位に必要なデータが予め存在する状態)で測位が開始されるので、比較的測位時間は速い。
・電源オンでは、1回/12秒の測位頻度。
・電源オフでは、1回/90分の頻度で測位を行う。これは6回まで行われる。
・撮影可能枚数は260枚。
・バッテリを取り替えると、次回の測位は初期測位となる。
・測位ができているかは、メイン液晶画面に表示できる。

だ。
 持っていない者にとっては、なかなかためになるレビューだ。

 電源オフから2時間経過すると初期測位同等に戻ってしまうのは、測位に使うデータ(GPSの航法メッセージの一部でエフェメリス)の有効期限が2時間程度だからだろう。またこれらGPS関連のデータはバックアップが取られないメモリ領域に保存されているということが分かる。

 初期測位が2-4分とのことだが、一般的性能を持つGPS受信機なら cold start で 40s 程度なので、2-4 分というのは環境が悪いのか、GPS 受信機の性能なのか、気になるところだ。

 精度については記載があるものの、感度についての記載はなかった。

 工夫のある点は、電源オフ時に1回/90分の頻度で測位することだ。前述のように2時間経過すると初期測位同等に戻ってしまうようなので、90分というのはウォームスタート状態を維持するのに意味のある時間だ。これを自動的に実施するというのが工夫のある点だろう。ただ、その90分のときにどれだけがんばって測位をするのか、また測位に失敗したら次はいつ測位するのか、あたりも気になる。
(なお、この90分後の測位では、新しい衛星データを取得しつつ測位しなければならないので、かなり条件がよい場所で測位できる必要があるはずだと思う)

 なお P6000 は有線LAN機能を備えているということなので、SiRFInstantFix のようにネットワーク経由で測位に必要なデータを収集できるような機能が追加されてくれば、より長い時間ウォームスタート状態を持続できるはずなので、使い勝手が向上するものと期待できる。
 先日紹介した u-blox の AssistNow Offline のように初期測位が 5s 程度であれば、かなり実用的になると思う。


 これを踏まえて、PC Watch 側のコラムだ。

 こちらでは、不満点が記載されている。
 不満はとにかく、測位時間が遅く使い勝手が悪いことに尽きるようだ。これは上のレビューと比較しても正反対だ。都心で初期測位からでは5分程度、ウォームスタート程度では数十秒程度とのこと。「電源をOFFにして飲食店に入って食事などをして、再び外に出てきたような場合の測位にはかなりの時間がかかる」「地下鉄に乗って一駅も移動しようものなら、ほとんどコールドスタートに近く、数分かかるのは当たり前という状況だ」(コラムより)とのことだ。

 気になるのは「電源をOFFにして・・・」や「地下鉄に乗って・・・」の結果だ。特に地下鉄で1駅ならば10分とか20分で1-2km程度の移動なのだと思うが、その程度の時間と距離で「コールドスタートに近」(コラムより)い動作をするというのは、最新のGPS搭載機器としては理解に苦しむ動作だ。食事に90分もかかることはあまりないと考えられ、とすればウォームスタートで動作を開始するはずだ。

 これを読むと、まずGPS受信機としての性能が疑問に見えてくる。都心であり条件が厳しい(空が開けていない)というのはあるのだろうが、SiRFstarIII などの高感度 GPS 受信機と比較すると、感度が悪いのかもしれない。あくまでも推測だが、ウォームスタートでも感度が悪いので、あたかもコールドスタートのような時間をかけないと測位できないという可能性が考えられる。まるで、高感度版ではない GARMIN や SiRFstarII 搭載機器のレビューを見ているようだ。

 コラムの筆者は別のGPS受信機を持っているようなので、「xxを使えばコールドスタートでもy分」とか「xxはP6000よりも感覚的に測位は速い、感度も良い」くらいの言及は欲しかったところだ。

 また、電源オフ時の測位間隔が90分だが、これでは長すぎると指摘されている。バッテリのもちを犠牲にしても常に測位をし続け、瞬時に測位結果が得られるような設定をユーザーが選択できるべきではないか、と述べられていた。
(一応補足しておくと、デジカメWatchの記事によるとバッテリを交換すると初期測位状態に戻るらしいので、これはこれで難しいだろう)

 ユーザが選択できるようにして欲しい、というのはもっともな意見だと思う。コラムに記載の内容を見る限りでは、測位時間の遅さによる使い勝手の悪さをカバーするには、それしか手段が無いからだ。やる気になればファームウェアの修正で対応できるだろう。

 ただし、電源オフ時の測位間隔が1回/90分というのは理屈から言えばウォームスタート状態を維持するのに十分な間隔だ。この仕様は、ウォームスタート時の測位時間が実用的なほど短いという前提が本来あるはずなので、GPS受信機の性能(ウォームスタート時の測位時間やそれに関連する感度性能)をその前提に近づけて欲しいものだ。もう一点、感度が悪いと、常に測位をし続けてもカバンに入れたくらいで受信できなくなってしまうだろう。この点からも、感度性能は良いことが求められる。

 このあたり、本当のところ P6000 の GPS 性能はどうなのか、興味のあるところだ。とは言っても GPS 性能については店の屋内では試すことはできない。本来はGPS受信機の仕様として感度やTTFFを出して欲しいものなのだが、それもない。なかなかに難しいところだ。

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