ひらけいメモBlog@goo

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PONTUS EN-4500 vs ミニゴリラNV-SB250DT レビュー(6)

2007-08-01 22:14:28 | 位置情報・地図
PONTUS EN-4500

 ようやく、待望の PONTUS EN-4500 がやってきた。
 今回はナビゲーションについてだ。ワンセグ・メディアプレイヤーつきのPNDとはいえカーナビなので、ナビゲーション機能は最も重要だ。ナビゲーションについては書くべきことが多いので、今日は前編とさせていただきたく思う。

<GPS のみでも十分実用的>

 搭載されているGPSはPDAなどで十分実績のある SiRFstarIII と推測され、実際の使用では今のところ何ら問題ない。条件がよければ屋内でも測位可能であり、またトンネルなどで衛星の捕捉に失敗したあと、トンネルから出ての再測位も十分に速い。純粋に GPS 受信機として見ればミニゴリラNV-SB250DTよりも信頼できる。
 ただ、電源オフ直後に電源を入れたときに、最初の測位に時間のかかること(と言っても1-2分だが)があるようにも思う。これについてはちょっと気になるので、引き続き見ていきたい。

 もちろん加速度センサーなどはないので、トンネルなどに入って測位ができなくなると自車位置は途端に動かなくなってしまう。この問題についてはNV-SB250DTでは推測で動かしカバーしているが、この手法はトンネルの中で停止するなどの速度変化に追従できないという問題がある。従って EN-4500 のように潔く止まってしまっても、仕方のないところだろう。
 この点は、何度か書いてきたように参考記事にあるような GPS メーカーの動きに注目だ。


<地図表示>

 EN-4500の地図表示は縮尺10m~50km。対するミニゴリラNV-SB250DTは25m~250km。PONTUS EN-4500の方が細かい地図を出すような印象があるが、実際は粗い縮尺の地図を拡大して表示している。あまり細かく設定しても粗い地図の拡大では情報量に欠けるし、交差点を気にして拡大するにしても 50m 程度で問題ないと思うので、両者に実使用上での大きな違いはない。広範囲側はミニゴリラが250kmだが、カーナビでここまで広い範囲を表示させることはあまり無いだろう。EN-4500の50kmでも十分に思う。
 ということで、地図表示については大差ない。


<肝心のナビゲーション機能・単独で見れば及第点だが>

 ナビゲーション機能は、これ単独で(他と比較しなければ)十分に使えるレベルだと思う。ただ一点困ったのは、高速で、
・入るときに、料金所から本線に分岐するまでの間
・出るときに、料金所から一般道に分岐するまでの間
の案内がされないことだ。ただしインターチェンジによるかもしれないので、引き続き確認が必要だ。
(07.8.12追記)なお高速を降りるときの案内は、一般道との接続部分については案内される。案内されないのは、一般道との接続前に分岐がある場合のようだ。(追記ここまで)
(07.8.13追記)これについての具体例を、EN-4500レビュー補足4に記載したので、ご参照いただければと思う。(追記ここまで)
 高速に入るときにはあまり困らないかもしれない。例えば静岡のICから東名に乗るとして、名古屋方面と東京方面を間違えることはあまり無いと考えられるからだ。しかし高速を降りるときには不便だ。
 これを問題視しなければ、ナビゲーション機能は十分に使える。

 まずはそれほど比較しないで使い勝手を記載してみたい。
 高速込みで200kmほどの行程に使用してみたが、(上記の問題はあるものの)特に迷うことはなかった。

 一般道では、基本的には次の分岐までの距離と方向が表示される。それを目安に走ることとなる。
 主要交差点に500メートル程度まで近づくと、自動的に車線案内が表示される。普通の速度で走っていれば十分に対応可能な距離だ。ただし車線案内されている交差点と自車位置までの距離は表示されない。代わりに交差点名が車線案内に対して表示される(名称の特に無い交差点の場合、名称は表示されない)。車線案内は直近の交差点のものしか表示されないので、交差点が連続するとちょっと辛い。また交差点名の表示はやや小さめなので、EN-4500 と運転者との距離があると見るのが大変かもしれない。

(8/7追記)
 車線案内をしている交差点には、よく見ると○が表示されている。下に掲載されたEN-4500の交差点の写真でも勝田新町の交差点に○が表示されているのが分かる。これにより、名称の無い交差点でも視覚的にどの交差点の車線案内がされているのかを確認することは可能だ。(8/7ここまで)

 分岐の案内は、交差点に近づくと2画面に分割する方法だ。左に通常地図、右に拡大した地図が表示される。なおデフォルトでは交差点に近づくと左側の通常地図が50m縮尺に固定されてしまう。一般道はこれでも問題無いのだが、どういう訳か高速での2画面表示時(基本的に高速道路では常に2画面表示だろう)もこれに連動し、地図の縮尺が50mに固定されてしまう。高速で50mでは狭すぎるが、この機能はオフにすることができるので、オフにした方が使う方が使いやすいと思う。
 拡大図は50m程度の縮尺のようだが、交差点から離れているときと近づいたときとで若干縮尺が変わる。大きく変わる訳ではないが、なかなかに良い。

 案内地点について、詳しく書いておきたい。
 一般道では 3km, 1km, 500m, 300m, 100m で音声案内が入る。100m では「まもなく」の案内だ。300m を切った地点で交差点の拡大表示が現れる。
 高速道路では 5km, 3km, 1km, 500m で音声案内が入る。500m では「まもなく」の案内だ。1km を切ったあたりでジャンクション・ランプ案内が表示される。
 音声案内の開始は、各々の距離を切ったときだ。

 EN-4500 の優れている点としてオービスに対応している点も挙げられる。500ヶ所の一般道・高速のオービス地点が登録されている。問題のある速度で走っているつもりは無いが、「これがオービスなんだ」と分かると、何となくおもしろい。

 高速では、IC・SA/PA・JCT・料金所までの距離が先3つまで表示される。画面操作によりこれよりも先を表示させることも可能だ。ジャンクション・ランプのグラフィック表示も備えている。なおジャンクションでの音声案内は、例えば直進と左分岐のジャンクションで直進する場合は「右分岐」となる。またジャンクションガイドが画面に大きく表示された場合でも左端に地図が表示されるため、分かりやすい。
 料金所については画面上に表示はされるが音声案内はされない。

 マップマッチングは機能してると思うが、いい塩梅だ。またリルートの対応も速く、使いやすい。ただ山道のヘアピンカーブにおいて、ヘアピンの2D地図上で接触しているような場所でリルートがかかってしまったことがあったが、これは仕方ないものと思う。なお初期ルート検索に時間のかかるようなケースでのリルートはルートの再計算に時間のかかることがあるようだ。これも継続して調査が必要だろう。

 ナビゲーション機能への運転中の制限については、「ドライバー」向けのモードと「助手席」向けのモードがあり、「助手席」向けのモードでは車が走っているときでも問題なく操作できる。また内蔵バッテリの使用時にもナビゲーションが可能だ(たまに、電源供給を忘れてナビをさせてしまうことさえある)。


 ではミニゴリラNV-SB250DTと比べるとどうなのか、と言うと、使い勝手の面ではミニゴリの方が上だ。具体的には、

・一般道での車線案内が、直近の1つしか出ない。
・一般道での車線案内が、どの交差点を案内しているのか分かりづらい。
・字やボタンが小さく、使いづらい。
・分岐が連続しても、ほとんど単発でしか音声案内ができない(この先1kmで右方向です、続いて左方向です。のような案内ができない。ただしたまに連続した案内をする場合があり、調査中)
・高速と一般道の境界での案内が抜けることがある。

といった点だ。

 ちなみに、ミニゴリラの音声案内は、
 一般道では 2km, 1km, 300m で音声案内が入る。300m では「まもなく」の案内だ。300m を切った地点で交差点の拡大表示が現れる。
 高速道路では 2km, 1km, 300m で音声案内が入る。300m では「まもなく」の案内だ。2km のあたりでジャンクション・ランプ案内が表示される。
 音声案内の開始は、一般道では各々の距離を切ったときだ。高速では交差点までの距離を切る前に音声案内が始まる。
 EN-4500 の方がきめは細かいが、ミニゴリラの案内頻度でも特に問題は無い。

 交差点案内は有ると無いとの違いは大きく、EN-4500 でも十分に便利だ。しかし3つ先まで分かるNV-SB250DTを使ってしまうと不便に感じる。また交差点案内での交差点名表示が小さく、どの交差点を案内しているのかは視覚的には分かりづらい。とは言っても500m先程度からしか案内されないので、1日も使っていれば体感的に分かるようになりそうだ。

 使い勝手の面での問題は、とにかくタッチパネル上ボタンや字が小さいことだ。ボタンが小さいためにミニゴリラと比較すると操作がしづらい。また字が小さいために、あまりにドライバーから遠いと文字で案内される情報が読みとれなくなる。
 これについてはファームウェアのバージョンアップなどでの対応は難しいだろうから、運用で回避するしか無い。わたしの場合はエアコン送風口にドリンクホルダーでつけているのだが、この位置まで近づけると見やすくなる。視界の妨げにもならずに良い。

 逆に考えると、問題になりそうなのはこれくらいしかない、とも言える。

 もちろん、EN-4500 が優れている点もある。
 まずオービス対応。ミニゴリラには無い機能だ。
 ジャンクション・ランプ案内の表示中にも地図が表示される点も使いやすい。これは好みの問題かもしれないが、わたしにとっては EN-4500 の方が良い。
 そして運転中への制限手法だ。ミニゴリラではパーキングブレーキ結線が必要(回避はできるが)で、さらにバッテリで動かすと音声案内をしない。正直こんなに制限をかけなくても・・・という気がする。EN-4500は「ドライバー」向けモードと「助手席」向けモードをユーザーの責任で選ぶことができる。こちらの方が好感が持てる。

(07.8.2コメント追加)
(07.8.12追加コメント修正)
注意)EN-4500の写真では自車位置が中央に固定されていますが、これは画面下側に自車位置を表示する設定をしていないためです。なお8/2のコメントではデモモードでは自車が中央に固定してしまうという記載をしましたが、これは誤りでした。


 EN-4500 埼玉県川越市

 ミニゴリラ ほぼ同じ場所


 EN-4500 交差点

 ミニゴリラ 交差点


 EN-4500 高速道路上

 ミニゴリラ 高速道路上。分岐の方向は右側画面では出てきません。


 EN-4500 ジャンクション・ランプ案内

 ミニゴリラ ジャンクション・ランプ案内

NV-SB250DT

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19 コメント

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Unknown (すけろく)
2007-08-02 14:51:46
とてもためになります。
しかし、ますます悩んでしまいました!
オービス情報も捨てがたいし、
3つ先までの交差点情報も捨てがたいし。
さらなるレポートが楽しみです!
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自車位置 (つば)
2007-08-02 15:10:18
ひらけいさん、こんにちは。

EN-4500は自車位置表示が常に画面の中央なのですね。
対するミニゴリラは画面下1/4くらい。ミニゴリの方が理にかなっている表示ではないかと感じてしまいました。

私がミニゴリラに傾きかけたのはこのせいもあるようです。
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Unknown (ひらけい)
2007-08-02 20:40:31
つば様:
 取り急ぎコメントいたします。わたしの記載に足りない点がありました。

 EN-4500の自車位置ですが、通常走行時にはミニゴリラ同様画面下側に位置させることが可能です。真ん中に置くこともできます。
 ところがデモ時のみはなぜか中央固定です。写真はデモモードで撮っているので、そのようになりました。

 ということで、この点ではEN-4500に問題はありません。
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Unknown (ひらけい)
2007-08-03 02:03:24
すけろく様:

 確かに両者ともに優れた点があって悩むところです。それを確認するために両方購入するという暴挙に出たのですが、結論は未だ出ず・・・

 コメントありがとうございました。
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Unknown (つば)
2007-08-03 22:25:21
ひらけいさん、こんばんは。

自車位置の件、ありがとうございました。
ところで、ファンの方が急に増えて(私も既にファンですが)、大忙しになってしまいましたね。(笑)
私は恐らくミニゴリラNV-SB250DTを購入することになりそうです。
この決断も、ひらけいさんのレビューに出会えたからこそだと思います。
これからもひらけいさんのブログ、拝見させて戴きます。

本当にありがとうございました。
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Unknown (ひらけい)
2007-08-04 01:02:44
つば様:
 参考になったようで、うれしいです。
 PNDに注目している身からすれば、EN-4500やミニゴリラに限らずPNDに興味を持っていただける方が増えるのはうれしいことです。
 コメントありがとうございました。
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いくつか教えてください。 (ワウワウ)
2007-08-23 23:10:56
ひらけい様

先日からいろいろと質問にお答えいただき、誠にありがとうございます。

どうしても気になる点があるため、もう少し、質問させてください。

1.ひらけい様のレビュー(5)で「車線案内をしている交差点には、よく見ると○が表示されている」とあります。レビュー(5)の何枚目の画像でしょうか?
(最初の画像で、「広栄町」という交差点名が水色の背景になっていますが、そのことではないですよね?)

2.また、同じくレビュー(5)で「分岐が連続しても、ほとんど単発でしか音声案内ができない」とあります。
これは、「連続した分岐の場合、分岐の音声案内を省略してしまう」・・・という意味でしょうか?
それとも「この先1kmで右方向です」しばらくして「この先左方向です」といった具合に音声案内そのものは行うけれど、音声案内がクルマの動きについて来られない・・・という意味でしょうか?

3.また、同じくレビュー(5)で、EN-4500の画像にクルマのアイコンから赤い点線が延びています。この点線は何を意味するものでしょうか?

4.EN-4500では、信号のアイコンを表示するようですが、ミニゴリラ(NV-SB250DT)では表示しないのでしょうか?

5.EN-4500、ミニゴリラ(NV-SB250DT)共に、電源をオフした場合、設定したルートはキャンセルされるのでしょうか?(高速道路PAなどで休憩時に電源OFFにし、しばらくして再出発するようなケースで、そのたびにルートを検索し直さないといけないのでしょうか)

6.レビュー補足(5)で、四日市から大阪市への検索について、検索に時間がかかり過ぎて、タイムアウトしてしまっているように見える」とありますが、このようなケースは、他の地域でも起こりうると考えていいでしょうか? それとも、四日市から大阪市へのルートは複数の候補があり、特殊なケースと考えるべきなのでしょうか?

7.EN-4500のDCケーブルの長さを教えてください。

細かいことに気になるたちで、質問攻めみたいになってしまい、申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。
返信する
Re: いくつか教えてください。 (ひらけい)
2007-08-25 06:32:06
ワウワウ様:

 順に、お答えします。

1. よく見ると○
 一番上の写真をご覧下さい。信号と交差点名の間に○があります。これのことです。

2. 分岐が連続しても、ほとんど単発でしか音声案内ができない
 本来、3km, 1km, 500m, 300m, 100m で音声案内が入りますが、分岐が連続する場合、1番目の分岐が終わった時点で次の交差点の案内が始まります。なので、曲がった途端に「この先300m先」などということがあります。

3. 赤い点線
 目的地の方向です。

4. 信号のアイコン
 ミニゴリラでは、25mにすると出ます。また、交差点拡大表示のときに出てきます。

5. 電源をオフした場合
 ミニゴリラは残ります。EN-4500は次回起動時、自動的にルート検索されます(このときの検索は早いので、電源オフ前の検索結果を再利用しているかもしれません)。

6. 四日市は特殊なケースか?
 特殊かもしれませんが、他にもあるものと思います。ただ、わたしが実際に使っているときには検索に時間がかかると感じたことはありますが、検索できないほどかかったことはありません。

7. ケーブル長さ
 60cmくらいでしょうか。ただし途中の15cmほどは、電話のコードのようならせんになっていますので、伸ばせば伸びます。

 コメントありがとうございました。
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電源をオフ後のルート検索について (ワウワウ)
2007-08-25 18:28:33
ひらけい様

多岐に渡る質問にもかかわらず、お答えいただき、ありがとうございます。

「信号と交差点名の間に○」・・・・確かにあります。ちゃんと見てから、質問すべきでした。申し訳ありません。

1点だけ、「電源をオフした場合」のご回答ですが、
「EN-4500は次回起動時、自動的にルート検索されます」というのは、「自動的にその地点から、目的地までのルートを検索してくれる」・・・ということで間違いないでしょうか?

よろしくお願いいたします。
返信する
Re: 電源をオフ後のルート検索について (ひらけい)
2007-08-26 21:11:14
ワウワウ様:
 電源オフ後、再オン時の状態ですが、電源オフ直前の状態に戻ると考えています。これは、ナビ中に一旦ナビを終了させ、ワンセグに移り、ナビに戻ったときも同様です。
 その後、GPSにより現在地が測定されますので、電源オフ中に移動していた場合は、これによって必要があればリルートがかかるものと思います。
 コメントありがとうございました。
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