日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「力失せしや」「日々はありきや」2首

2017年10月02日 | 日記
 いつもの道を歩いていると、道端の草むらで、蝉が羽をばたつかせる音がしました。しばらく立ち止まっていると、とびたつことなく、そのまま静かになりました。もうとぶ力が残っていないのでしょう。

くさむらに はばたくせみの おとわすれど とびたちかねつ ちからうせしや
草むらに 羽ばたく蝉の 音はすれど とびたちかねつ
力失せしや

(草むらで、蝉が羽をばたつかせる音がひとしきりして、静かになりました。もうとぶ力が残っていないのでしょう。)

 ときおり、歌を詠むきっかけになった貴女のことが、ふと思い出されます。貴女に恋心を抱いてから、歌を詠むようになったのですが、もし貴女に会うことがなかったら、このような日々はなかったかもしれないと思うと、不思議な気がします。

かりそめに いもこうること なかりせば かくうたをよむ ひびわありきや
かりそめに 妹恋ふること なかりせば
かく歌を詠む 日々はありきや

(ふと貴女を恋しく思い始めてから、このように歌を詠むようになりましたが、もし貴女に会うことがなかったら、いまごろどうなっていたでしょうか)


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