クラシック音楽♪徒然日記

カリンニコフラブなhimeによるカリンニコフのウハウハ日記。フィドル、アショカンネタも♪今はバロック音楽の虜☆

タネーエフ・交響曲第二番

2006年10月23日 | ロシアモノCD試聴記

淋しさは その色としも なかりけり
  槇立つ山の 秋の夕暮

寂蓮法師の歌からはじまりましたが、すっかり秋めいてきましたね。
秋は秘仏公開の季節でもあり、また紅葉が美しい季節でもあるのですが、私はこの秋という季節が好きなようであり、苦手でもあります。
それはひとえに淋しさ、悲哀感に満ちているからではないでしょうか。
何かがあったわけではないのに、心にポッカリ穴があいたような気分。
気温的にいえば、快適この上ない季節なのに、動けずうずくまってしまうことも。
目に映るものすべてが、淋しさを誘い物思いにふけらせてしまう。

こういった人の心を、寂蓮は見事に歌っています。
また、ただの淋しさだけではなく、寂寥美を追求しているところもポイントで、私の好きな歌の一つです。


そんなわけで秋。
というわけでロシアです。

秋に限らず、ロシアンミュージックが好きな私にとっては、年中ロシア三昧なわけですが、やはり、夏に聴くのと、秋に聴くのとでは少し趣が違います。
今回は、三ツ星ロシア作曲家の巨匠!
タネ~~エフ~~!!
はは~。。。



● タネーエフ・交響曲第二番

一楽章
冒頭部分から、優しく、美しく深みのあるハーモニー。
これは何かはじまるぞ~という期待感を抱かせてくれます。
その後は、壮大な交響曲らしい音楽が続いてくる。
こだまのようなメロあり、掛け合いも楽しませてくれる。
一楽章のラスト“ロシア万歳”のテーマもロシアファンにとってはたまらんシロモノ。
盛り上がり時は、美味しいワインで乾杯したくなるほど、ロシア節がきいている。
時代を感じさせるロシア節。
私はこういうの大好き。
ざ・正統派ロシア節!
しかし、なんといってもインパクトが強いのは次の第二楽章。

二楽章
妖しさ満開の二楽章。
はじまりは、一楽章の続きからか、比較的おとなしく控えめでうっかり、聞き流してしまいそうになるが、1分過ぎたあたりから、主題がやってくる。
寝込みを襲うかのように、ひっそりかつ細長い蛇のようにするりとやってくる。
闇から何者かに放たれた使者がやってくるかのようだ。
連れて行かれそうになるので、注意されたし。
美しいメロディーであるのは間違いないのだが、美しいという言葉だけでは済まされない闇がある。
流石は、帝国ロシアの音楽である。

このテーマを聞いていると、モスクワの地下鉄を思い出す。
もちろん私は、ロシアもとい旧ソビエトに足を踏み入れたこともないので、実際に目にしたことはない。
しかし、モスクワの地下鉄の充実っぷりと、駅が絢爛豪華な装飾に覆われていることは知っている。そしてそれらの駅が秘密主義で徹底されていることも。

旅行者は無断でこれらの駅を撮影することはできない。
なぜか?
ここはただの駅ではなく、もしもの時の秘密のシェルターになっているからだ。
しかも、しかもだ。
一般市民の使える地下鉄以外にもまだ下に秘密の地下鉄があり、地下都市があるというのだ。なんだ~この秘密の秘密で秘密の厚塗り状況は。
・ ・いやいや・・流石はロシアのやることだ。
ロシアでしか、なしえないことなのかもしれない。

そんなことを考えていると第三楽章。
“ロシア万歳舞曲”(勝手に命名)

また、秘密の地下鉄、地下都市が頭をよぎる。
特権階級の人々は、もしもの時、この秘密のシェルターへ逃げ込み、そして優雅にこの第三楽章のような曲を聴きながらワイン飲むんじゃねぇのか?
ああ・・
タネーエフの美しい音楽が私の猜疑心でまみれた偏屈な感情で捻じ曲げられていく・・
でも、こんなことを考えさせてしまうロシアが悪い。
ということで、責任転化してみる。

この第三楽章は絢爛豪華な装飾が施された宮殿のイメージだ。
美しいけど自由な美しさではなく、カチッと型にはまった古典のような美しさがある。
私がロシアの音楽を愛する所以は、こういう型のある美しさなのかもしれない。

なんだかんだ言ったが、私はこの曲が好きだ。
秋の寂寥美とは少し相違あるかもしれないが、秋に一聴お薦めしたい

カリン二コフ交響曲第一番・第二番 ヴェロニカドゥダロワ

2006年10月10日 | カリンニコフ
●カリン二コフ交響曲・ヴェロニカ・ドゥダロワ指揮

幻の~~カリン二コフが~~~ようやく手に入りました!!
。゜+。:.゜ヽ(*´∀`)ノ゜.:。+

もうこのCDって店頭では売ってないんですよね。ネットで探しても、廃盤になってるみたいで、ようやくオークションで手に入れることができました。(情報をくださった、ハチャさんありがとう!)

それで、感想ですが、一言で言うと、
「そよ風のようなカリン二コフ」
ってかんじです。

すぅ~と風が流れるようであり、また、水の上に浮かび流されるうたかたの夢のような趣も重ねつつ、しかしただ流されるだけの演奏ではない。
滑らかに流れる演奏でありながらしっかりとした意志をもち、一本筋の通ったカリン二コフ交響曲。
そんな演奏だ。

最初一瞬、オブラートにつつまれたような曲に聞こえたもんだから、あ~これは失敗か?と思ったが、この指揮者カリに対するスタンスが曲全体に貫かれている。
感情的かつ、コテコテロシアミュージックをよりドラマチックに!というスヴェトラのような演奏とは対極にある演奏である。
でも、スヴェトラーノフの派手な演奏ともひけをとらない位、魅力的な演奏だ。
シンプルイズベスト!
ここまでくると、このシンプルさがたまらなく心地よいのだ。

とりあえず、オケも上手い。
パーカスや金管が抑え目で静かなので弦がひきたつ、深みのある演奏。
バランスもいい。
息がよくあっている。
ピッチもいい。
優しいし、上品だし、大人っぽい。
指揮者が女性だから、女性っぽいイメージがあるかもしれない。
この、ドゥダロワっていう人写真で見る限りは、魔女のようだがこの演奏をきいていると、本当に魔法使ってるのかも?と思ってしまう。
うまいなぁ。

ロシア交響楽団。
金管の音が柔らかく、真珠のような輝きが魅力的だ。
スヴェトラがダイアモンドなら、こっちはパール。

2楽章がまた恐ろしい~。
これ。
こんなに美しかったっけ?
そして、シンプルな演奏がこんなにも胸をうつものだったとは・・・と感慨深い気持ちにさせられる。

ラーメン美味しい店ランキング!を練り歩いて、いろんなコテコテの味付けを食べ歩いた後、ふと、懐かしい中華そばを食べた時の感動に似ている。
フランス料理後のお茶づけといってもいいだろう。
おわかりいただけるだろうか。

あ~ん。
でも、ちゃ~りらり~らりらりって、テンポが速くなるところ。
ここはちょっとはみ出してるなぁ。勝手にほうきが暴れ出しちゃったかんじがある。魔法のミスか?笑

4楽章。
テンポ遅くて、ゆったり優雅な4楽章。
これ、カリン二コフだったっけ?ってかんじ。ですが、これもありですかね。
優雅すぎて、子守唄のように聞こえるところもあるけど綺麗だわ。
他の指揮者の演奏ではさ~~っと流して演奏しているところがあり、聞き逃してしまっていた箇所もあるけれど、この演奏をきいていて、「うわ~ここのハーモニーめっちゃ綺麗!」とカリン二コフのよさを再発見できる演奏です。
骨の髄までしゃぶるかのような演奏ですかね。
まさに、カリン二コフ交響曲徹底解剖!!

とここまで、ほめておきながら、やっぱりフィナーレの盛り上がりは少し物足りなく感じる。もうちっと、金管が盛り上げてくれてもいいんじゃないだろうか。
浮き輪をつけてプカプカとぬるい温泉で浮かんでいる感があるぞ。

●二番

控えめで、落ち着いた演奏は2番にも引き継がれる。
すがすがしい山の匂いを感じるかのような演奏だ。
Tbのなんともソフトな音色も心地いい。
♪ミソド~シララ~
いいねんけど、でも、ぬるいかなぁ。
テントの中で演奏しているみたいだ。

2楽章
このオケと指揮者はこういう曲がすごく似合っている。このペアでラフマやチャイコの曲なんかを演奏してみるといいじゃないだろうか。
クラシック界で異例のミリオンセラーをたたき出すんじゃないかと、真剣に考えてしまう。
どうだろう、レコード会社の方。
もっとも、この指揮者がご存命なのかはわかりませんが^^;

バラキレフ・ピアノ曲

2006年10月09日 | バラキレフ
バラキレフのピアノ曲。
なかなか乙な一品である。

ジャケットからして、におうではないか。
バランスもいい。
おっさんの顔もなかなかじゃ。
(おやじ趣味)

・スケルツォ№2
随所随所にバラキレフ節がのぞく。
おもむろにではなく、オコジョがちょこっと木々の間から顔をのぞかせるように。
このちょこっと感がたまらない。
チャーラら~らら~ら~りら~♪
この滑り落ちるような美しいテーマ。
たまりませんな~プハー。
ねぇ。もぅ。
このピアノ弾いている人もうめ~よな~。
今夜は酒ナシで酔わせてもらうよ。
ひっく。(って、まだ仕事前の昼間ですけど)
音響もいいし、ピアノのよさを存分に聞かせてくれる。
ひきたつなぁ~バラキレフ!
バラキレフにかんぱ~い!!(完全に酔っ払い)


・マズルカ№7
んぐ?
ハリポタか?
ハリポタのテーマを、ちょっとかするかのようなメロディー。
これもアタイのツボをこちょこちょとやりやがる。
こちょこちょ・・・
うわ~やめてくれ~溺れちまうよ~!!

・GONDE LLIED
これはすご~く大人っぽい曲。
へぇ~バラキレフってこんな素敵な曲も書くんだ。
頭の中をのぞいてみたい気持ちになる。
こりゃ名曲だわ。



お酒もナシで十分に女を酔わせることができる男。
バラキレフ!!
見事じゃ。
ヒメも降参じゃ~。

感服いたしました。

グリーグ・ピアノ協奏曲イ短調作品16

2006年10月01日 | ピアノ協奏曲
●グリーグ
ピアノ協奏曲イ短調作品16

ラファエル・クーベリック指揮/ベルリンフィル
Pf/ゲザ・アンダ


これはこれはぁ~!!
Pコンの中でも王道の中の王道ではないでしょうかぁ~。
グリーグのPコン。
歌ってといわれれば誰もが口ずさめる独特のフレーズ。
♪チャーンチャーカチャンッチャンッ!ちゃーちゃちゃちゃちゃん!(あっ、誰かを呼んでしまったような気が・・)

その後、歌われる甘い甘いメロディー。
ほぅ・・・
幸せ~デヘヘ・・とよだれをたらしたくなっちまうこの曲はグリーグ25才の新婚時代に書かれた曲なのだそうな。
でもイ短調なもんだから、パンパカパーん♪に幸せ!明るい!という曲ではない。
シャーロックホームズや、名探偵ポワロのテーマなんかがにおう箇所もあり、謎めいたフレーズも楽しい。
甘甘メロあり、大胆でのびのびとした奔放さも兼ね備え、かつコブシをにぎりたくなるようなこのテーマ!!どうだ!!グリーグ!(グリーグ推進委員会)

ちなみに1870年にこの曲を初見で弾き飛ばしたリストは
「よいよい!この調子でやりたまえ!」と励ましたとか。
いやーピアノも美味しいし、オーケストレーションもなかなかのもんだ。

第一楽章の最後は冒頭部分のピアノのソロが再びよみがえりあつく締めくくる!
かっくいい~♪
情熱ほとばしる25才のグリーグがうかがえますな。


第二楽章。
これまた瞑想的な楽章です。
夜空の下で恋人とぼーっとしたり、一人で芝生の上で寝転がっていろんなことを考えてみたい。
この曲を聞くなら、断然外がいい!
外の空気を吸い込みながら、物思いにふけりたくなる曲だ。

第三楽章。
あ~!このピアノをユンディ・リの演奏で聞いてみたい!と思わしめる第三楽章。
彼が弾くとどんなことになるのか、想像しただけで、前だけではなく後ろ向きでもでんぐり返りをしてしまいそうになる。


ふははははははは。
このでんぐり返りが彼に届いたのか、11月5日、この夢が叶います。
なんと!大阪にユンディ・リがやってくる♪
もちろん演奏曲目は、グリーグのPコンだ!!
ぐはぁ~。。。。
あと一ヶ月ちょっと。
まちきれぬなぁ~。

というわけで、11月ユンディ・リ初生演奏会に行ってまいりまする♪